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AWS12冠取得を組織で支援する|情シス・IT部門が押さえたい制度設計のポイント

AWS12冠取得を組織で支援する|情シス・IT部門が押さえたい制度設計のポイント

「AWS12冠」は、AWSが提供する認定資格を全種類取得することを指し、達成者はAWSから「Japan All AWS Certifications Engineers」として表彰されます。個人の合格体験記は数多く出回っていますが、企業の情シス・IT部門にとって重要なのは、こうした資格取得をどう組織的に支援し、事業やパートナー認定にどうつなげるかという視点です。本記事では、AWS12冠の概要を押さえたうえで、企業が資格取得を推進する意義と、支援制度を設計する際のポイントを整理します。

この記事で分かること

  • AWS12冠の構成と、2025〜2026年にかけての資格体系の変更点
  • 企業が12冠取得を組織的に支援する意義(パートナー認定・採用ブランディング)
  • 資格取得支援制度を設計する際の具体的なポイント
  • 資格取得と実務スキルのギャップに関する注意点

AWS12冠とは

AWS12冠とは、AWSが提供する認定資格のうち、対象となる全種類を取得することを指す通称です。達成すると、AWSから「Japan All AWS Certifications Engineers(All Certs)」として表彰され、AWSの公式ページにも名前が掲載されます。

対象となる資格は、難易度に応じてFoundational(基礎)2種類、Associate(中級)5種類、Professional(上級)2種類、Specialty(専門)3種類の合計12種類で構成されるのが基本形です。ただし、この資格体系は年々見直されており、2025年にはAWS Certified CloudOps Engineer - Associate(旧SysOps Administrator - Associateに相当)と、AWS Certified Generative AI Developer - Professionalが新たに追加されました。2026年度のAll Certsでは、SysOpsまたはCloudOpsのいずれかの取得、AIP(Generative AI Developer)またはMLS(Machine Learning - Specialty)のいずれかの取得でも達成要件を満たせる仕組みになっています。資格体系は今後も変更される可能性があるため、社内で取得計画を立てる際は、必ずAWS公式ページで最新の対象資格を確認することをおすすめします。

企業が12冠取得を組織的に支援する意義

個人の自己啓発として資格取得を目指すケースが一般的ですが、企業として組織的に支援することには、いくつかの明確なメリットがあります。

AWSパートナーネットワーク(APN)のティア要件との関係

AWSパートナーネットワーク(APN)では、Select・Advanced・Premierといったパートナーティアごとに、認定資格を保有する技術者数などの要件が設定されています。社内に12冠取得者、あるいは各種認定資格の保有者が多数在籍していることは、パートナーティアの維持・昇格に直接寄与する要素の一つです。SIerやクラウドインテグレーターにとって、資格取得の組織的な推進は、単なる人材育成にとどまらず、事業上のパートナー戦略とも密接に関わっています。

採用ブランディング・対外PRへの活用

Japan All AWS Certifications Engineersとしての表彰や、社内に多数のAWS資格保有者がいるという実績は、採用活動における技術力のアピール材料として活用できます。実際に、12冠達成者の学習体験談を自社の技術ブログで発信し、記事の末尾から採用ページへ誘導したり、社員インタビューとしてオウンドメディアに掲載し、そこから求人ページへの導線を用意したりする企業も見られます。資格取得の実績を、社内向けの表彰だけで終わらせず、対外的な採用広報の材料として積極的に活用するのは、多くの企業が実践している定番の手法です。

個人の学習意欲に頼らない、組織的なスキル底上げ

資格取得を個人の自主性だけに委ねると、取り組む人と取り組まない人の差が大きくなりがちです。会社として学習環境や制度を整備することで、特定の意欲的な社員だけでなく、組織全体のAWSスキルの底上げにつなげやすくなります。

資格取得支援制度の設計ポイント

実際に社内で資格取得を推進する際は、以下のような制度設計が有効です。

資格手当・受験料補助の設計

資格取得者への一時金や、資格保有中は毎月支給される資格手当など、金銭的なインセンティブの設計はモチベーション維持に直結します。一時金の支給のみとする企業がある一方で、資格を保有し続ける限り(例えば管理職に昇格するまでなど)毎月手当として支給し続ける設計を採用している企業もあり、こうした継続的なインセンティブは長期的な学習モチベーションの維持に効果的とされています。受験料の会社負担に加え、再受験時の費用負担ルール(自己負担か会社負担か)もあらかじめ明確にしておくと、社員側の不安を減らせます。

学習時間・学習環境の確保

資格取得を推奨する一方で、学習時間はすべて業務時間外の自己研鑽任せ、という運用では、忙しい社員ほど後回しになりがちです。業務時間の一部を学習に充てることを正式に認めるほか、社員一人ひとりに個別の検証環境(サンドボックス)を払い出せる仕組みを整備し、実際に手を動かしながらAWSを学べる環境を会社として用意することも、有効な後押しになります。時間・環境の両面から学習を支援する制度設計が求められます。

個人の学習成果を社内で共有する仕組み

資格取得者が学習方法やつまずいたポイントを社内で共有する場(勉強会、社内ブログなど)を設けることで、後に続く社員が同じ苦労を繰り返さずに済みます。資格ごとの難易度感や具体的な勉強方法を整理したドキュメントを社内外に発信したり、検証環境の整備を通じて後輩や他チームのメンバーに資格取得を啓蒙したりするなど、個人の学習成果を組織のナレッジとして循環させる仕組みは、支援制度と同じくらい重要な要素です。

2025〜2026年の資格体系変更で押さえておきたいポイント

AWS認定資格の体系は、AI・生成AI分野を中心に見直しが進んでいます。特に2025年から2026年にかけては、CloudOps EngineerやGenerative AI Developer - Professionalといった新資格が追加され、旧来のSysOps AdministratorやMachine Learning - Specialtyとの選択制が導入されました。これは、AWSが実務で求められるスキルセットの変化(クラウド運用の高度化、生成AI活用の広がり)を資格体系に反映させている表れと見ることができます。社内の資格取得ロードマップを策定する際は、こうした資格体系の変更を前提に、最新の対象資格リストに基づいて計画を見直すことが重要です。

情シス部門としての注意点:資格取得と実務スキルのギャップ

資格取得を推進するうえで留意したいのが、資格の保有と実務での即戦力化は必ずしもイコールではないという点です。特に、実務でのAWS利用経験がないまま短期間で複数の資格を取得した場合、知識としては体系化されていても、実際の障害対応やアーキテクチャ設計の経験値が伴わないケースもあります。

実際に、実務未経験に近い状態から数か月という短期間で12冠を達成したエンジニアの体験談を見ると、資格取得を通じて得た知識が、当初はコスト見積もりやアラート設定といった基礎的なタスクへの理解から始まり、徐々に要件を満たすアーキテクチャ設計やInfrastructure as Codeを用いたデプロイといった、より高度な実務へとつながっていったという歩みが語られています。つまり、資格の知識が実務スキルとして定着するのは、資格取得そのものではなく、その後のOJTやプロジェクトへの参画を通じてです。資格取得支援制度を設計する際は、資格取得そのものをゴールにするのではなく、取得した知識を実務のOJTやプロジェクトへの参画と組み合わせて定着させる仕組みもあわせて検討することが望まれます。

よくある質問(FAQ)

Q. AWS12冠とは何ですか?

AWSが提供する認定資格を全種類取得することを指す通称で、達成者はAWSから「Japan All AWS Certifications Engineers」として表彰されます。対象資格の種類は年々見直されており、2025年以降はCloudOps EngineerやGenerative AI Developer - Professionalが新たに追加されています。

Q. 企業が資格取得を組織的に支援するメリットは何ですか?

AWSパートナーネットワークのティア要件維持への寄与、採用活動での技術力アピール、そして個人の意欲差に左右されない組織的なスキル底上げが主なメリットとして挙げられます。実際に、資格取得の体験談を技術ブログや社員インタビューとして発信し、採用ページへの導線として活用している企業もあります。

Q. 資格取得支援制度にはどのような要素が必要ですか?

資格手当や受験料補助といった金銭的な支援に加え、業務時間内での学習を認める制度、個人ごとの検証環境の提供、そして学習成果を社内で共有する仕組みを組み合わせることが効果的です。資格手当は一時金だけでなく、資格保有中は毎月支給する形式を採用する企業もあります。

Q. 資格の対象種類は今後も変わりますか?

はい。AI・生成AI分野を中心に資格体系の見直しが続いており、2025年から2026年にかけても新資格の追加や選択制の導入がありました。取得計画を立てる際は、必ずAWS公式ページで最新の対象資格を確認することをおすすめします。

Q. 資格取得を推進する際、注意すべき点はありますか?

資格の保有と実務での即戦力化は必ずしも一致しません。資格取得をゴールにするのではなく、OJTやプロジェクト参画と組み合わせて、知識を実務スキルとして定着させる仕組みもあわせて検討することが重要です。

まとめ

AWS12冠は個人の努力の証であると同時に、企業として組織的に支援することで、パートナー戦略や採用ブランディング、組織全体のスキル底上げにもつながる取り組みです。

  • AWS12冠の対象資格は年々見直されており、2025〜2026年にはCloudOps EngineerやGenerative AI Developer - Professionalが追加された
  • APNのパートナーティア要件との関係から、資格取得支援は事業戦略の一部としても位置づけられる
  • 資格手当(一時金・継続支給)・学習環境の提供・社内でのナレッジ共有を組み合わせた制度設計が効果的
  • 資格取得と実務スキルの定着はイコールではなく、OJTと組み合わせる工夫が必要

まずは自社の資格取得支援制度の有無を確認し、対象資格リストの最新化から着手してみてください。

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