
Claudeでチャットを引き継ぐには、過去チャットの検索、メモリ、プロジェクト、要約の持ち越しの4つの方法があります。作業の性質に合わせて組み合わせれば、新しい会話でも前回の続きから進められます。本記事では、各方法の手順と使い分け、組織で使う場合の注意点をまとめます。
この記事で分かること
- Claudeでチャットを新しい会話へ引き継ぐ4つの方法
- 長い会話が自動で処理される仕組みと、引き継ぎが必要になる場面
- 要約を使った引き継ぎの手順とプロンプト例
- 過去チャット検索・メモリ・プロジェクトの使い分け
- Team・Enterpriseで押さえたい管理上の注意点
Claudeのチャットを引き継ぐ4つの方法
チャットの引き継ぎは、目的に応じて、検索、メモリ、プロジェクト、要約の4つから選べます。短期の続きなら検索か要約、継続的な作業ならプロジェクトやメモリが向いています。
| 方法 | 向いている場面 | 手間 |
|---|---|---|
| 過去チャットの検索 | 前の会話の内容を探して参照したい | 少ない(依頼するだけ) |
| メモリ | 好みや役割など、長く使う前提情報を残したい | 少ない(自動で保存) |
| プロジェクト | 資料と指示を共有し、継続的な作業を進めたい | 最初に設定が必要 |
| 要約の持ち越し | 特定の会話の結論と進捗を確実に移したい | 要約を作って貼り付ける |
そもそも、なぜ引き継ぎが必要になるのか
新しいチャットは、既定では前の会話の細かな内容を持っていません。メモリは要点を残す仕組みで、会話の全文を保持するものではないため、作業の途中経過を確実に移したい場合は、ひと手間かける必要があります。
長い会話は自動で処理される場合もある
コード実行が有効な場合、会話がコンテキストの上限に近づくと、Claudeが古いやり取りを要約して、会話を続けられるようにします。ただし、この処理が働くような長い会話は、利用上限をより多く消費します。コード実行が無効な場合や、最初のメッセージが非常に大きい場合は、上限に達する場合があります。コンテキストの大きさはモデルによって異なるため、詳細は公式ヘルプで確認してください。
方法1:過去チャットを検索して引き継ぐ
過去チャットの検索は、Claudeに前の会話を探して参照するよう頼むだけで使えます。Pro、Max、Team、Enterpriseの有料プランで、Web、デスクトップ、モバイルアプリから利用できます。
使い方の例
自然な言葉で頼むだけで動きます。公式ヘルプでは、次のような頼み方が紹介されています。
- 〇〇について、前に何を話したか教えて
- 〇〇に関する会話を探して
- 〇〇の続きから始めよう
検索中は、ツールの呼び出しとしてチャットに表示されます。検索にはRAG(検索拡張生成)の技術が使われます。
検索できる範囲
検索できるのは、プロジェクト外のすべてのチャットと、プロジェクト内の個別の会話です。プロジェクト内の検索は、そのプロジェクトの範囲に限られます。
検索対象から外したい場合
プロジェクト外の新しいチャットでゴーストのアイコンを押すと、シークレットチャットになります(全プランで利用可)。履歴やメモリに保存されず、Claudeが過去チャットを検索するときにも、参照されません。機密性の高い相談を行うときに使えます。
方法2:メモリで前提を持ち越す
メモリは、役割、進行中の仕事、好みなどの前提を、新しい会話へ自動で持ち越す機能です。Free、Pro、Maxの各プランでは標準でオンになっています。Team・Enterpriseでは、オーナーが組織で有効にしたうえで、メンバーが各自でオンにします。
何を覚えて、何を覚えないのか
Claudeは、役割や担当のプロジェクト、コミュニケーションの好み、技術的な好みなどを、トピックごとに保存します。「覚えておいて」と頼めば、直接保存もできます。
一方、健康、人種、宗教、政治的な考えなどのセンシティブな話題は、既定では保存されません(設定で保存をオンにすることもできます)。また、政府発行の番号、金融口座の番号、犯罪歴、在留資格などは、依頼しても保存されません。
メモリの確認と編集
設定のメモリ関連の項目から、保存された内容をトピックごとに確認、編集、削除できます。会話の中で「これを忘れて」と頼むこともできます。単一のチャットだけメモリをオフにしたい場合は、最初のメッセージを送る前に、+メニューからメモリをオフにします。
方法3:プロジェクトで資料と指示を共有する
プロジェクトは、資料と指示を固定し、同じ前提で複数の会話を進められる仕組みです。プロジェクトの資料が増えてコンテキストの上限に近づくと、RAG(検索拡張生成)モードに自動で切り替わり、必要な部分だけを読み込むため、最大10倍の量の資料を扱えます(Pro、Max、Team、Enterprise)。切り替えは自動で、手動では制御できません。
プロジェクトごとのメモリ
各プロジェクトには、独自のメモリがあります。プロジェクトで作業するとき、Claudeは、そのプロジェクトのメモリと、プロジェクト外のチャットのメモリを併用します。ほかのプロジェクトのメモリは使われません。完全に分離したい場合は、プロジェクトページで、アカウントのメモリを使う設定をオフにします。
向いている使い方
同じ資料を何度も参照する場合に向いています。たとえば、案件ごとに仕様書や議事録をまとめる、定例の報告業務で出力形式を固定する、といった使い方です。
方法4:要約を作って新しいチャットへ貼り付ける
要約の持ち越しは、特定の会話の結論と進捗を最も確実に移す方法です。検索やメモリでは拾いきれない、作業の途中経過を引き継げます。
STEP1:現在のチャットで要約を作らせる
今の会話の最後に、次のように頼みます。
ここまでの内容を、新しい会話で続けられるように要約してください。決定事項、未解決の課題、次にやること、前提条件を分けて書いてください。
STEP2:要約を確認して修正する
抜けや誤りがないかを確認します。要約の質が、引き継ぎの精度を決めます。重要な数字や固有名詞は、特に注意して見直してください。
STEP3:新しいチャットに貼り付けて指示する
新しいチャットを開き、要約を貼り付けて、次のように伝えます。
以下は前の会話の要約です。この内容を前提にして、次にやることから進めてください。
STEP4:必要なファイルを添付し直す
アップロードしたファイルは、新しい会話には自動で引き継がれません。必要なものは添付し直しましょう。
他のAIから切り替える場合
他のAIサービスのメモリは、Claudeのメモリへ取り込めます。公式ヘルプでは、他のAIアシスタントからの取り込みと、Claudeのメモリの書き出しに対応していると説明されています。ただし、この機能は実験的で、開発が続いている段階です。
手順は、設定(Settings > Your Claude)で「Start import」を選び、案内されるプロンプトを元のAIに貼り付けて、出力された内容をClaudeに貼り付け、「Add to memory」を押す流れです。WebとClaude Desktopで、全プランから使えます。Claudeのメモリは仕事関連の話題が中心のため、仕事に関係のない個人情報は取り込まれない場合があります。最新の手順は、公式ヘルプのメモリの取り込みと書き出しの記事で確認してください。
組織で使う場合の注意点
Team・Enterpriseでは、メモリと検索の設定を管理者が制御します。個人利用とは動作が異なるため、導入前に確認しておきましょう。
- メモリは、オーナーが組織で有効にしたうえで、各メンバーが自分でオンにする
- オーナーは、メンバー個人のメモリを閲覧、編集できない
- メモリを組織でオフにすると、全メンバーの保存済みメモリが即時、完全に削除される
- 顧客管理の暗号鍵を使うEnterpriseでは、会話が暗号化されるため、過去チャットの検索を使えない
- シークレットチャットも、組織のデータ保持ポリシーに従い、データのエクスポートに含まれる
- HIPAAや公的機関向けの契約がある組織では、現在のメモリ機能を使えない
組織でデータ保持期間を設定している場合、メモリにも同じ期間が適用される場合があります。詳細は公式ヘルプのメモリの記事を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Claudeのチャットは自動で引き継がれますか?
会話の全文は自動では引き継がれません。メモリがオンなら前提情報は持ち越されますが、作業の途中経過は、検索、プロジェクト、要約のいずれかで引き継ぐ必要があります。
長くなったチャットを続けるコツは?
ある程度進んだ段階で、要約を作らせて新しいチャットに移すと、動作も回答の精度も保ちやすくなります。コード実行が有効なら、自動の要約処理も働きますが、重要な決定事項は手動でまとめておくと安心です。
Claudeの過去チャット検索は無料プランでも使えますか?
公式ヘルプでは、過去チャットの検索は、Pro、Max、Team、Enterpriseの有料プランで利用できると案内されています。無料プランでは、メモリや要約の持ち越しを活用しましょう。
メモリを使いたくないチャットがあるときは?
新しいチャットで、最初のメッセージを送る前に、+メニューからメモリをオフにできます。または、シークレットチャットを使えば、履歴にも保存されません。
ChatGPTなど他のAIの記憶をClaudeに移せますか?
メモリの取り込み機能で移せます。ただし、公式ヘルプでは実験的な機能とされ、開発が続いています。取り込み後は、保存された内容を確認して、必要に応じて修正してください。
Claudeのチャット引き継ぎを定着させるためのまとめと次の一歩
Claudeでチャットを引き継ぐ方法は、検索、メモリ、プロジェクト、要約の持ち越しの4つです。前提情報の持ち越しにはメモリ、継続的な作業にはプロジェクト、途中経過の確実な移行には要約と、目的で使い分けるのがコツです。
- 過去チャットの検索は、頼むだけで前の会話を探して参照できる
- メモリは、役割や好みなどの前提を、自動で持ち越す
- プロジェクトは、資料と指示を共有して、継続的な作業を支える
- 要約の持ち越しは、決定事項と次の作業を確実に移せる
- Team・Enterpriseでは、管理者設定とデータ保持の影響を確認する
まずは、今抱えている長いチャットで、要約の作成を頼んでみましょう。決定事項と次にやることが整理されるだけでも、新しい会話の進めやすさが大きく変わります。要約は一度テンプレートにしておけば、毎回の作業が短時間で済みます。チームで運用する場合は、メモリやプロジェクトの設定方針も、あわせて共有しておくと、引き継ぎのばらつきを防げます。










