小売業のDXを進化させるには? スーパーバイザーとコールセンターの生産性向上から解説

小売業のDXを進化させるには? スーパーバイザーとコールセンターの生産性向上から解説

小売業では需要予測や物流管理など、さまざまな目的で先端テクノロジーが活用されています。このとき、現場で働く従業員に対して、日常業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進すると相乗効果が得られます。たとえばクラウドとデスクトップ仮想化は、小売業の生産性を向上させるために活用すべき技術といえるでしょう。

小売業の現状と課題を取り上げながら、デスクトップ仮想化を実現するVMware Horizon Cloud Service on Microsoft Azureが、どのように生産性向上に貢献するのか解説します。

小売業界の現状と新型コロナウィルスがもたらした変化

流通業界には大きく分けて卸売業と小売業があります。卸売業から仕入れた商品を直接消費者に販売する小売業では、売れ筋商品をいちはやく店頭に並べ、消費者のニーズを満たすことが必要です。したがって、顧客情報の分析結果を迅速に現場にフィードバックし、顧客満足度を上げることが、他社に対する差別化と競争力の決め手になります。

まず小売業界全体の構造を解説し、メインとなる3つの業態の2020年の売上高と実態を俯瞰してみましょう。

小売業には幅広い業態があります。百貨店、スーパーマーケット、そしてコンビニエンスストアが代表的ですが、地域で利用されているホームセンター、アパレル店舗、家電量販店、ドラッグストアのような専門店もあります。

さらに、ユニクロのような製造小売業と呼ばれるSPA(Specialty store retailer of Private label Apparel)もあります。SPAという言葉自体は、アメリカの衣料品小売業大手のGAPが提唱した形態であり、小売業が製造業も担うことによりメーカーと流通を垂直統合し、いわゆるメーカー直販型の事業を展開します。アパレルや化粧品ではD2C(Direct to Consumer)という消費者に直接販売する形態も注目されています。

全般的に新型コロナウィルスの感染拡大が大きな影響を与えていますが、小売業のうち専門店やSPAを除いた、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストアの2020年の売上状況と、売上に影響を与えた要因、IT活用の実態を概説します。

百貨店は売上高が激減、マッチングサービスを展開

2020年の全国百貨店の売上高は、4兆2,000億円程度まで激減しました。これは前年の5兆7,547億円と比較して2割を超える減少です(日本百貨店協会の調べ)。売上減の要因としては新型コロナウィルスの感染拡大による臨時休業、訪日客の免税売上高の80.2%減があります。しかし、以前から専門店との競争激化やネット通販の普及により苦戦していました。

百貨店のIT活用では、リアル店舗とECサイトをシームレスにつなぐ試みのほか、伊勢丹新宿店の婦人服の「Match Palette(マッチパレット)」、靴の「YourFIT365(ユアフィット365)」のような3Dデジタル計測器によるマッチングサービスが登場しています。

テレワークの内食需要により売上増加したスーパー、混雑予測システムの導入

百貨店の売上減少と明暗を分けたのが、2020年の全国スーパーの売上高です。12兆7,597億円で、既存店ベースでは前年比0.9%増であり5年ぶりにプラスに転じました(日本チェーンストア協会の調べ)。衣料品が落ち込んだ反面、テレワークによる内食需要が拡大し、都市部ではおせち料理が好調でした。日用雑貨品、家具インテリアも堅調です。

レジ待ち解消のために混雑予測システムを導入するスーパーが注目されています。天候、曜日、販売実績からAIが適切な発注量を決める需要予測システムも開発されるようになりました。

売上減少傾向のコンビニエンスストア、無人店舗展開を模索

コンビニエンスストア大手7社における2020年の全店ベースの売上高は10兆6,608億円でした。前年比4.5%の減少になります(日本フランチャイズチェーン協会の調べ)。新型コロナウィルスの感染拡大により、特にオフィス街や観光地の需要が減少しました。外出自粛によりコンビニエンスストアを利用するスタイルが変化し、スーパーの代替として冷凍食品やアルコール類のまとめ買いが目立つようになりました。

また、電子マネーの利用が進み、2019年頃から人手不足の解消と効率化のために無人コンビニエンスストアが登場しています。無人店舗にはJR武蔵境駅のセルフレジによる店舗、高輪ゲートウェイ駅などがあります。

小売業界のDX、2つの業務における生産性向上

新型コロナウィルスによる外出自粛やテレワークの増加など、消費者の生活の変化が小売業界に影響を与えました。厳しい環境を切り抜けるためには事業縮小だけでなく、戦略的なIT投資によって事業を変革する攻めの経営も対策のひとつです。

戦略的なIT投資を補完する上では、従業員の生産性向上を行うDXも必要になります。マッチングサービス、混雑予測システム、需要予測システム、無人店舗などの展開が整備されると、さまざまな顧客データを収集できますが、その活用を支援するためのITを強化しなければならないからです。

生産性向上に効果的な技術がクラウドであり、クラウドを利用した仮想デスクトップVDI:Virtual Desktop Infrastructure)の活用です。仮想デスクトップを導入すると、モバイルで活用するデバイスに業務アプリケーションをインストールしなくても、社内と同じデスクトップを利用できるようになります。

小売業の職種および部門としてスーパーバイザー、コールセンターの管理者とオペレーターにフォーカスして、仮想デスクトップがどのように役立つのか解説します。

スーパーバイザーのフットワークを向上させる

小売業のエリアマネージャーあるいはスーパーバイザー(SV)は、担当エリア内の複数の店舗に対して、収益の改善や人材採用を提案します。

店舗から店舗に移動して仕事をするスーパーバイザーの業務は、必然的にハードなモバイルワークになります。このとき、データ保護などの側面から社内のWindowsサーバーによる業務アプリケーションを使用していると、わざわざオフィスに帰社しなければなりません。現場の情報を入力するためだけに社内に戻らなければならないのは非効率です。

仮想デスクトップ環境では、移動中や訪問先の店舗でも業務アプリケーションが使えるため、現場のフィードバックを即座に販売管理や物流システムなどに反映できます。

コールセンターの管理を効率化する

消費者向けにマッチングサービスを導入したとき、あるいは無人店舗といった新たなビジネスを展開したときには、顧客の問い合わせ対応を行うコールセンターやサポートセンターが重要になります。

しかし、オペレーターの配置がシフトによって頻繁に変わると、端末の管理が煩雑になります。また、人材不足を補うためにアウトソーシングを検討しても、社内と社外で共通のアプリケーションを使えない課題が生じます。端末からの情報漏えいのリスクも考慮しなければなりません。

仮想デスクトップを導入すると、配置が換わっても自分のデスクトップ環境で業務を遂行することが可能です。データはすべてクラウド上に保管され、保存を禁止できるため、情報漏えいの不安がなくなります。社外のアウトソーサー利用時には、ネットワークで接続して社内のオペレーターと同じデスクトップ環境と業務アプリケーションを利用できます。

Azureで利用可能なHorizon Cloud Service

VMwareのHorizon Cloud Serviceは仮想化技術の定番であり、デスクトップはもちろんネットワークやサーバーなどを含めた仮想化を行います。そして、さまざまなデバイスから仮想化されたアプリケーションやデスクトップへのアクセスを実現します。

デスクトップ仮想化ソリューションとして信頼と実績のあるVMware Horizon Cloud ServiceをAzure上でセキュアに利用できるサービスが、VMware Horizon Cloud Service on Microsoft Azureです。

Azureは世界中の小売業界で採用が進んでいるクラウドです。MicrosoftはIT 国際標準仕様の策定および国策プロジェクトへの参画など、小売業界に対して貢献活動を行っています。セキュリティ面では年間1,000 億円以上を研究開発に投資し、信頼性の維持に注力していることが、小売業界から高く評価されている理由といえるでしょう。

まとめ

VMware Horizon Cloud Service on Microsoft Azureは、小売業のDXを推進します。特に店舗から店舗へ移動の多いスーパーバイザー、コールセンター担当者の業務に効果的です。緊急事態が発生したときに業務の継続性を確保し、クラウドの柔軟性とセキュアな環境を活用したワークスタイルを実現します。高度な管理機能によるコスト削減効果も期待できます。

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