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PWA(Progressive Web Apps)とは?仕組みやメリットを解説!

近年、モバイルサイト開発の分野で注目を集めている技術が「PWA(Progressive Web Apps)」です。まだ新しい技術のため、ネイティブアプリとの違いなど、詳細をよく知らない方も多いかもしれません。そこで本記事では、PWAの特徴や機能、導入メリットなどについてご紹介します。

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PWA(Progressive Web Apps)とは

「PWA」とは、Webサイトをモバイル上で表示する際、ネイティブアプリ(アプリストアからダウンロードを要するアプリ)のような動作を可能にする仕組みのことです。2016年のGoogle I/Oにて発表されて以降、徐々に注目を集めてきています。

スマートフォンでWebサイトを閲覧しようとした際、PC版サイトと同じ画面で表示されて、字が小さくて見づらかったり、操作ボタンが押しにくかったりなど不便に感じたことはないでしょうか?

PWAを導入すると、Webサイトと同じ内容をモバイル画面に適したレイアウトで表示でき、さらにホーム画面へのアイコン追加やプッシュ通知といった機能も実装可能となります。また、ネイティブアプリのようにユーザーへダウンロードを強いることがないため、より多くのユーザーにサイトを閲覧してもらえるのも魅力です。

PWAの仕組み

PWAは、最新のフロントエンド開発分野において注目されている技術です。とはいえ、特殊なフレームワークや言語を使用するわけではなく、HTML/CSS/JavaScriptなどの標準的な言語で実現できます。では、その仕組みは一体どうなっているのでしょうか。

PWAを作動させるのは、「Service Worker」というJavaScriptのプログラムです。PWAの導入に際しては、このService Workerの設定を行わなければなりません。さらに、アプリに表示する名前やアイコン、背景色や概要などをJSON形式で記述したマニフェストファイルも必要です。

Service Workerはブラウザーとネットワークの間で、仮想プロキシとしてリクエストを仲介する役割を担っています。その際、Webサイトのコンテンツが一時的にキャッシュ(保存)されるため、オフラインでもサイトを使用することが可能です。

ただ、ブラウザーとネットワークの間に割って入るという性質上、悪用されると意図しない攻撃を受ける危険性もあります。そのため、安全性の高いhttpsを使った通信しか利用できない点には注意が必要です。PWAの導入にあたっては、該当するWebサイトをhttpsに対応させておくようにしましょう。

PWAで実装可能な機能

では、PWAの導入により、具体的にどのような機能が実装可能となるのでしょうか。以下で詳しく見ていきましょう。

プッシュ通知

PWAを導入することで、ネイティブアプリと同様にプッシュ通知を配信できるようになります。リアルタイムでユーザーに最新情報を届けられるプッシュ通知は、ネイティブアプリの中でも特に集客やマーケテイングに役立つ機能です。通知によってユーザーがサイトを訪れる頻度が上がるため、購買促進にもつながります。

ホーム画面にアイコンを追加

PWAを使用したWebサイトはネイティブアプリ同様、スマートフォンのホーム画面にアイコンを追加できます。一度アイコンを追加するとアップデートも自動で行われるため、ユーザー側が情報を更新する必要もありません。ホーム画面にアイコンがあると、ユーザーの目に触れる機会も自然と多くなるので、アクセス数の増加が期待できます。

さらに、PWAを使用したWebサイトは、ネイティブアプリのようにアプリストアからダウンロードする必要がありません。ユーザーに余計な手間暇を与えず、ワンタップでアクセスできる手軽さは、ほかにはない強みです。

オフラインで閲覧可能

先にも少し触れましたが、PWAを実装するとService Workerの機能により、Webサイトのコンテンツが一時的にキャッシュされます。そのため、オフライン環境でもサイトを表示でき、データ入力や編集などの動作も行えます。データ送信はオンラインでなければできませんが、多くの情報を登録しなければいけないときなど、ネット環境の有無にかかわらず作業ができるのは便利です。

また、キャッシュされることで再度ネットワークにつなげる手間を省けるため、ページを高速で表示できるメリットもあります。見たいページがなかなか表示されないとストレスになりますが、PWAを導入すればユーザーの満足度の向上が期待できるでしょう。

PWAを導入するメリット

PWAの導入は、企業側にとってもユーザー側にとってもメリットがあります。それぞれの立場から見たメリットについて、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

企業にとってのメリット

企業側が得られるメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。

  • iOSとAndroid両方のデバイスで利用できる
    通常のネイティブアプリは、iOSとAndroidで動作環境が違うため、それぞれのOSに合わせて制作しなければなりません。その点、PWAを用いたWebサイトならiOSとAndroidの両デバイスで利用できるため、開発の手間やコストを軽減できます。また、App Storeなどのアプリストアを経由せず、審査不要ですぐ実用化できるのもメリットです。
  • ユーザーと接触する機会が増える
    PWAを導入すると、プッシュ通知やホーム画面へのアイコン追加などにより、ユーザーがサイトにアクセスする機会を増やせます。特にプッシュ通知を上手く利用すれば、企業側から積極的にユーザーにアプローチすることも可能です。そうした働きかけを継続的に行うことにより、再アクセスの確率も上がり、リピーターの増加が期待できます。
  • 直帰率が低下する
    「直帰率」とは、Webサイトを1ページだけ閲覧し閉じるユーザーの割合のことです。ページの表示速度が遅いほど、この直帰率が高くなる傾向にあります。PWAの導入によりスムーズなページ表示が可能となれば、ユーザーの離脱が減り、直帰率の低下が望めます。またオフラインで閲覧できるため、ネット環境に左右されずユーザーの興味をつなげられるのもメリットです。
  • SEO対策を活用できる
    ネイティブアプリはWebの検索エンジンに表示されませんが、PWAを導入したWebサイトなら、一般的なホームページと同様にネットの検索エンジンに表示されます。Webサイト用のSEO対策を流用が利くうえ、通常のWebサイトと同じように、アクセス解析を利用したサイトの分析や改善までできるのは、ネイティブアプリにはない強みです。

また、モバイルサイトでは表示速度が検索エンジンの評価につながる場合もあるため、PWAの導入そのものがSEO対策になる可能性もあります。

ユーザーにとってのメリット

では、ユーザー側にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。主なものとしては以下の2つが挙げられます。

  • ネイティブアプリと変わらない使い勝手のよさ
    スマートフォンの画面はただでさえ小さいため、Webサイトを表示すると文字やボタンが見にくく、使い勝手があまりよくありません。PWAを使ったWebサイトなら、フルスクリーンモードで表示できるうえ、ホーム画面のアイコンから直接アクセスも可能など、ネイティブアプリと遜色ない使い勝手で利用できます。登録や注文、決済などの行程もスムーズで、手軽に使えるのが魅力です。
  • 閲覧時のストレスが少ない
    一般的なWebサイトの表示速度は、インターネットの接続環境に左右されます。接続が不安定な場所だと、レスポンスに時間がかかり、ユーザーはストレスを感じてしまいます。その点PWAなら、一度閲覧するとキャッシュが作られるため、ネット環境に頼ることなく高速でページが表示されます。オフライン環境でもページの閲覧や登録情報の記入といった簡単な作業を行えるため、ユーザーのストレスは格段に少なくなります。

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まとめ

PWAはネイティブアプリとWebサイト両方のメリットを併せ持つ技術で、企業側・ユーザー側双方に大きなメリットをもたらします。しかし、発表からまだ間もない技術ゆえ、導入しているところはあまり多くありません。モバイルサイトへのアクセスを増やしたい企業担当者の方は、この機会にぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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