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SAP ERPの保守切れ「2025年問題」。具体的な内容は?ユーザーは何を選べば良いのか

世界シェアNo.1のERPベンダーとして知られるSAP。同社が提供するSAP ERPは、2025年にサポート期限終了というビッグイベントが迫っています。SAPユーザーにとっては、この「2025年問題」への対応が急務であり、時間をかけた対応計画と移行計画を実施していくことが大切です。

本稿では、SAPユーザーが「2025年問題」を乗り越えるために、まずはこの問題を理解すること、そして、用意されている選択肢と、対応方法についてご紹介します。

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SAP on Azure総合カタログ

SAPユーザーを待ち受ける「2025年問題」とは?

日本国内では、大手企業を含めてSAP ERPを導入している企業が2,000社ほどあります。非常に幅広い業種で採用されていることもあり、SAPユーザーからの要望で2015年に終了するはずだったサポート終了期限は1度2020年に延長されました。その後さらに2025年まで延長され田という経緯があります。この一つの節目である2025年以降のサポート継続についてのアナウンスは無く、2025年12月31日にサポート期限が終了することは、すでに決定事項だと言えます。

SAP ERPは、1992年に初期バージョンとなるSAP R/3が登場して以来、20年以上にわたってバージョンアップが繰り替えされ、大手企業や中堅企業の基幹システムを支えるERP基盤として活躍してきました。しかしその反面、度重なるバージョンアップと機能拡充により、システムのリアルタイム性が欠如したことで、近代ビジネスのニーズを満たせなくなりつつあります。これがSAP ERPのサポート期限が終了する、大きな原因と考えられています。

SAP社としては、顧客ごとの細かいビジネスニーズに対応するために、柔軟性の高いシステムを提供する必要があります。昨今のビジネスでは、基幹システムが生成するデータをリアルタイムに分析し、そこから得られた情報から経営判断を下したり、事業計画を立て直したり、業務レベルの意思決定なども行います。またインプットにおいても人が入力するだけでなく、IoTなど様々なデータを活用できる必要があります。もちろんERP領域においても人工知能機械学習は必要不可欠な状況になっているのです。

そのためには限りなくリアルタイムに近い情報活用や最先端技術の融合を実現する必要があり、それをSAP ERPの後継であるSAP S/4HANAに託しているわけです。

ちなみに、2015年12月31日にサポート期限が終了するのは、SAP Business Suite 7、つまりSAP ERP 6.0、SAP CRM 7.0、SAP SCM 7.0、SAP SRM 7.0と またSAP HANAをベースとしたSAP Business Suite powered by SAP HANA 2013です。

・SAP Business Suite 7 コアアプリケーション

  • SAP ERP 6.0
  • SAP Customer Relationship Management 7.0
  • SAP Supply Chain Management 7.0
  • SAP Supplier Relationship Management 7.0

・SAP Business Suite Powered by SAP HANA 2013

SAPユーザーに残された4つの選択肢

それでは既存のSAPを活用しているユーザーはどのような選択肢があるのでしょうか。差し迫った問題の中で、SAPユーザーに残されている選択肢は大まかに数えて4つあります。現行のSAP ERPをオンプレミスもしくはクラウドで運用するか、SAP S/4HANAもしくは他製品ERPへの移行です。

SAP S/4HANAに移行する

SAP S/4HANAは、SAPが独自開発したインメモリデータベースのSAP HANAを基盤としたERPです。システムが肥大化する原因となったSAP ERPのテーブル構成を大幅に見直し、スリム化を実現するとともに限りなくリアルタイムなデータ処理を実現することで、これからのビジネスニーズに対応します。SAP S/4HANAは、Azureなどのクラウドへの展開も可能なため現代ビジネスに即した最適解となりつつあります。この方法がSAP社の推奨です。

SAP ERPをオンプレミスで運用し続ける

SAPが提供するERPを使い続けるための一般的な選択肢はSAP S/4HANAへ移行することですが、現行のSAP ERPを2025年以降も運用し続けるという選択肢を持つ企業も中にはあります。現状として問題を感じていない場合に、サポート期限終了を理由に移行する必要はないと考えています。ただし、そのためには第三者保守サービスを提供する事業者との提携が必要であり、保守サービス形態が大きく変化します。第三者保守サービスはサービスレベルを高めながら、保守料金を下げられる可能性があるため、コスト面でのメリットも高くなっています。

SAP ERPをクラウドに移行して運用する

同じく現行のSAP ERPを運用し続ける選択肢の1つですが、オンプレミスではなくクラウドへ移行する点が違います。SAPユーザーの多くはWindows ServerとSQL Serverを組み合わせているケースが多いため、2020年1月14日にサポート期限が終了するWindows Server 2008を刷新する必要性があります。そこで、Microsoftが提供するクラウドプラットフォームであるAzureへの移行を検討する企業が多く、Azure上でSAP ERPを運用します。SAPの「2025年問題」を解決するための一つの方法としても注目されており、運用コストの適正化を図れる可能性もあります。

他製品ERPに移行する

SAP以外にもERP製品はたくさん提供されているので、それらの製品へ刷新するというのも1つの選択肢です。特に注目されているのは、クラウドベースで提供されるERP製品です。ただし、今までSAPで動いていたプロセスを新たな製品で代用するためにはそれなりの労力が必要になることがデメリットと言えます。

Azureで実現するSAP「2025年問題」の解消

以上のように、SAP「2025年問題」を乗り越えるには4つの選択肢があり、SAPユーザーとしては早急に対応計画を策定し、いずれかの選択肢に従って基幹システムの在り方について検討する必要があります。最後にご紹介するのは、SAP on Azureという選択肢です。

Microsoftは25年以上にわたったSAPとのパートナーシップを持ち、MicrosoftもSAPもAzureを使用したミッションクリティカルなSAPアプリケーションを実行している企業です。SAPユーザー企業はベストプラクティスと参照アーキテクチャを活用しAzureへの移行を問題なく成し遂げることができます。

Fortune 500企業の90%以上がAzure上で大規模な基幹システムを稼働させ、Forbes Global 2000の92%はSAP社の顧客です。MicrosoftとSAPは、大規模なパートナーネットワークを共有し、お客様のクラウド移行を強く支援しています。

SAP「2025年問題」を解決するにあたり、もっとも安全かつ時代に即したソリューションがSAP on Azureと言えるのではないでしょうか。

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