クラウド移行(インフラ・DB)

Azure Filesとは?利用シーンやメリットを紹介!

時代とともにクラウドファーストの流れが加速しており、多くの企業がファイルサーバーのクラウド化を進めています。そんななかで注目を集めているのが、ファイル共有サービスの「Azure Files」です。本記事では、Azure Filesの概要について解説するとともに、具体的な利用シーンやメリットを紹介します。

Azure Filesとは?利用シーンやメリットを紹介!

クラウド移行 まるわかりガイド

Azure Filesとは

「Azure Files」とは、Microsoftによって提供されているPaaS型プラットフォーム「Microsoft Azure(以下Azure)」上で稼働する、ファイル共有サービスです。
より厳密に説明すると、現在Microsoftからは「Azure Storage」と呼ばれる、Azure用のクラウドストレージが提供されています。このストレージサービスの一環として内包されている、ファイルサーバーの役割を果たすソリューションが、このAzure Filesです。基本的には、「データの保管場所として使用していける機能やサービス」と考えて差し支えありません。しかしながら大きなメリットとして、「完全運用保守管理代行」とも呼ばれるフルマネージド型の利用形態を持っています。
一般に、ファイルサーバーの保守・管理においては、担当スタッフや従業員たちにとても大きな業務負荷がかかると考えられています。この完全運用保守管理代行サービスによって、そうした負荷を大幅に軽減していけると、見込めるのです。もちろん、このほかにも多くの利点・特徴がありますので、以下で具体的に見ていくことにしましょう。

Azure Filesの利用シーン

まずAzure Filesは、実践的にはどういった状況で活かされているのでしょうか。ここからは、Azure Filesがうまく活用される、代表的なシーンについて解説します。

クラウド開発の簡略化

Azure Filesは、組織内の円滑な情報共有を可能にするだけでなく、Azure上でのシステム開発へも貢献するソリューションです。
AzureはPaaS型のサービスです。つまり、OSやストレージだけでなく、システム開発に必要なミドルウェアやランタイムなどのプラットフォームまでを、そのままクラウド上に構築します。そしてさまざまなサービスも搭載しており、これらによって、アプリケーションの拡張をはじめ、テストやデプロイの実行などを、能率的に行っていけるのです。総じて、「システム開発の支援」に長けたソリューションです。

上記のような業務には欠かせない、ファイル共有ディレクトリや、ユーティリティツールの保存場所として、このソリューションを存分に役立てることで、Azureにおける効率的な開発環境が自然と整備されるでしょう。例えばAzureで業務に取り組むとき、必要なユーティリティツールやファイルをその都度用意することは、非効率と言わざるを得ません。Azure Filesによってそれらを管理しておくことで、Azureにおける業務遂行全体をスムーズ化していけるでしょう。

オンプレミスファイルサーバーの置換

Azure Filesのもっとも代表的な活用方法と言えるのが、クラウド環境におけるファイルサーバーとしての利用です。近年、クラウドファーストの流れが加速しており、多くの企業が自社のシステム環境をクラウドへと移行しています。これまでパッケージ販売されていたソフトウェアのSaaS化が進んでおり、時代の潮流はクラウドへとシフトしています。

Azure Filesの大きな特徴は、「NASデバイスやオンプレミス環境で保管していたデータを、クラウドへと簡単に移行できる」という点です。そのため、比較的簡単にファイルサーバーをクラウド環境へと置き換えられます。また、シングルサインオンや多要素認証を搭載するクラウド認証システム「Azure AD」と連携させることで、セキュアな共有環境も実現されます。

オンプレミス環境を導入・運用していくためには、サーバーやネットワーク機器の導入と、それらを設置する管理施設が必要になるため、莫大な導入費用や管理コストがかかる点が大きなデメリットです。Azure Filesを活用してクラウド上にファイルサーバーを構築できれば、大規模なサーバーや管理施設が不要になり、さらに情報システム部門の業務負担の軽減と人件費削減につながります。これはクラウド全般に対して共通しているメリットです。

アプリケーションのクラウド移行

先述したように、システム環境における時代の潮流はクラウドへと流れています。しかし、クラウド環境への移行にあたっては、データ破損リスクやガバナンスの整備など多くの課題が存在します。とくに重要となるのが、オンプレミス環境で利用しているITツールやアプリケーションの正常稼働です。クラウド環境へとマイグレーションする際に何らかのトラブルが発生し、アプリケーションが正常に作動しない事例は少なくありません。

こうした課題に対処すべく注目を集めているのが、「リフト&シフト」という手法です。リフト&シフトとは、オンプレミス環境で稼働しているファイルをそのままクラウド環境に移行し、徐々にクラウドネイティブな仕組みへと適応させていく手法のことです。ゼロからクラウドベースの環境を構築するよりも効率的で、なおかつコストも抑えられる点が大きなメリットです。

Azure上にファイルを保存・共有可能なAzure Filesであれば、簡単にリフト&シフトを実行できます。さらに、アプリケーションのデータはAzure Filesに移行し、アプリケーションそのものはオンプレミス環境で稼働する、といったハイブリッドクラウドの構築も可能です。Azure Filesを活用して、リフト&シフトによりクラウド環境へと移行することで、マイグレーションに伴うリスクを最小限に抑えられるのです。

Azure Files利用のメリットとは?

冒頭で述べたようにAzure Filesは、クラウド上にファイル共有環境を構築できるフルマネージド型のソリューションです。さらにWindowsやmacOS、Linuxなどの主要OSから同時にマウントできるため、OSやデバイスに限定されないアクセスが可能という特徴も備えています。これにより、組織内の部門を横断した情報共有や業務連携が可能になることが、Azure Filesを利用する大きなメリットです。

またAzure Filesは、オンプレミス環境におけるデプロイ用のファイルサーバーとしても活用できます。Azureに搭載されているさまざまなサービスと連携することで、バックアップの定期取得や認証システムを取り入れることも可能です。このような特徴からAzure Filesは、企業規模や事業形態に合わせた柔軟なファイル共有環境の構築に欠かせないソリューションと言えるでしょう。

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まとめ

Azure Filesは優れたファイル共有サービスであり、組織間の情報共有と円滑な業務連携に貢献します。とくに、ファイルサーバーのクラウド化を検討中の企業であれば、導入すべきソリューションの1つと言えるでしょう。自社システムのクラウド化を図るなら、ぜひAzure Filesの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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