仮想デスクトップ

仮想デスクトップ運用の課題!DaaSでよくある性能劣化を防ぐ方法とは?

仮想デスクトップは、リモートワークが一般化した昨今において非常に重宝されるシステムの1つです。一方で、レスポンスの遅延や柔軟性の低さなど、対処すべき課題がいくつかあることも事実と言えます。そこで本記事では、仮想デスクトップの運用課題と、それに対する改善策について解説します。

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仮想デスクトップ(VDI)運用の課題

最初に仮想デスクトップ(VDI)運用における課題について解説します。主な課題としては、レスポンスの低下や柔軟性の低さ、障害発生時の対応が挙げられます。ここでは、それぞれの課題について詳しく解説していきましょう。

レスポンスの低下

仮想デスクトップ運用の1つ目の課題として、「レスポンスの低下」が挙げられます。仮想デスクトップを導入することで最も多く発生するトラブルが、レスポンスの低下です。特に、社員が一斉にPCを立ち上げる朝の始業時や、多くのメンバーで特定の作業を同時に行うときなどには、レスポンス低下が生じることも多くなるでしょう。
ただ朝の始業時にだけレスポンスが下がるケースなら、サーバーやストレージの許容量が足りていないからかもしれません。このケースなら、どの程度システムが使用されているのかを調べ、それに対応するサーバーやストレージを補充すればよいので、比較的簡単にトラブルを解決できます。

加えて、「特定の端末だけレスポンスが下がる」という現象も起こり得ます。このケースは、特定のアプリケーションやデータ処理に問題が生じている場合が多く、仮想デスクトップ導入前に十分な動作チェックが行われていないことが原因です。十分なスペックを有する端末をそろえるなどの対策が考えられます。

柔軟性の低さ

仮想デスクトップ運用の課題として、「柔軟性の低さ」も挙げられます。ユーザーが行う業務は日々変化していき、年単位で見れば作業負担の多い業務を行う可能性も考えられます。しかし仮想デスクトップ導入後からサーバーの性能は徐々に劣化していき、ユーザーのアップデートやアプリの追加に対応できなくなる恐れもあるのです。
ユーザーの利用状況を日々把握し、「どの程度の負荷がかかっているのか」「ユーザー数は初期と比べて増えているのか・減っているのか」ということを常時把握しておきましょう。これを怠ると、肝心なときにスペック不足で仮想デスクトップを利用できないといったトラブルになりかねません。

仮想デスクトップ(VDI)は初期のサーバーへの投資額が大きいため、更新までの保守期間を活かしきりたいと考えがちです。しかし安定した運用には、各種変更や更新に対応できるような柔軟な対応が求められます。長い目で運用状況を管理し、大きなトラブルを未然に防ぎましょう。

障害発生時の対応

仮想デスクトップ運用の課題の3つ目として、「障害発生時の対応」が挙げられます。あらゆるリソースを効率的に共有できることは、仮想デスクトップの大きなメリットです。しかしサーバー障害などが生じると、リソースを共有している仮想マシンすべてが悪影響を被ってしまうというデメリットへも直結しています。
一般に、サーバーなどで障害が発生した場合は、迅速に原因を特定し解消することが重要です。しかし仮想デスクトップを運用する場合、1つのサーバーに複数台の仮想マシンが割り当てられているため、「1人のユーザーの障害なのか」「サーバーやネットワーク全体としての障害なのか」すら、迅速には判断できないのです。
そのため、サーバーそれぞれのパフォーマンスを監視するだけでなく、ユーザーのセッションごとのパフォーマンス把握は不可欠と言えるでしょう。トラブルの原因が迅速に発見できないと、問題が長期化してしまう可能性があるため、注意が必要です。

仮想デスクトップ運用に必要なこと

では上記で挙げた課題を解決するために、具体的にどのような運用が求められるのでしょうか。そこで本項では、仮想デスクトップ運用に際し必要であるとされる性能情報と分析、およびトレンド分析についてそれぞれ解説します。

性能情報と分析

仮想デスクトップ運用に必要なこととして、「性能情報と分析」が挙げられます。仮想デスクトップのレスポンス遅延の原因として、サーバーやストレージの許容量が超えている点を前項で述べました。
これを解決するためには、サーバーとソフトウェアそれぞれの性能について正確に把握し、分析する必要があります。「性能の劣化状況・CPU使用率やメモリ使用率・ネットワーク帯域」について調査しましょう。あるいはOSやアプリに問題があることもあります。これらについて慎重に調べ、原因を迅速に特定し、適切に対処することが重要です。

トレンド分析

仮想デスクトップ運用に必要なことの2つ目に、「トレンド分析」が挙げられます。さまざまな新たなツール導入や、各種アップデートによって、サーバーに求められる性能が当初の予定よりも上がることもあります。各種OSや業務用アプリについて、アップデートや設定変更は頻繁に求められることでしょう。
また近年はZoomやTeams、Chatworkなどを通じてのオンライン会議が活発に利用されています。そのため同時接続数も一時的に急増するなど、サーバーに求められる性能が臨時的に上昇する機会が増えているのです。

これらに対応するためには、担当者が日々必要な情報を収集し、トレンドをキャッチしている必要があります。そしてつかんだトレンドを分析し、今後の性能の上下を予測する必要があるのです。性能問題が発生する前に一定の予測が確立していることで、迅速に対応することができるでしょう。

DaaS性能可視化オプション「性能見える化・性能レポート」

サーバーの利用状況を把握したり、予測したりすることは重要ですが、これらをすべて担当者が行うことが困難なケースも有るでしょう。担当者がほかの業務を抱えている可能性もありますし、利用状況の監視には一定の時間が必要です。

そこでおすすめなのが、日鉄ソリューションズ株式会社(NSSOL)の「DaaS」サービスです。
本記事ではVDI方式の仮想デスクトップを説明してきました。基本的にこのVDIでは、仮想デスクトップ環境を展開するためのサーバーを自社で用意します。
それと異なり、DaaSではサーバーは自社では設置しません。提供会社によって、クラウド上に仮想デスクトップ環境が構築されているのです。つまりDaaSでは、サーバーを自前で用意することなしに、クラウド上で仮想デスクトップを使用することができるようになります。そのため、VDIに比べ初期投資を大幅に抑えられるというメリットがあります。

そのDaaSの中でも特にNSSOLのサービスをおすすめする理由は、性能可視化オプション「性能見える化・性能レポート」の存在です。これにより、全仮想デスクトップにSysTrack(性能分析ツール)を導入し、原因調査などの支援をすることが可能となるのです。そのほか、月1回のリソース状況のレポート化や、ユーザーリソース・プロセス分析などの豊富な支援機能も備えています。
これらを活用することで担当者の業務負担をさらに減らし、かつ正確な分析が可能となるでしょう。以下ではこうしたNSSOLのサポートによって実現するDaaSの有用性として、代表的な例を紹介します。

「性能見える化・性能レポート」の活用事例

有効な活用例としては、性能負荷を予測することにより、性能劣化を事前に対処可能となることがまず挙げられます。性能レポートのプロセス分析により、「新規アプリを展開すると基盤リソースを超過することが予想される」と予測し、展開前にリソースを追加することで性能劣化によるトラブルを未然に防ぐことへつながります。

2つ目は、電源管理設定の最適化です。仮想デスクトップのタイプによっては、起動時間に応じて課金される従量課金制のものがあります。性能レポートのユーザー数推移を活用することで、ユーザーの利用状況に合わせた電源管理を行うことが可能となるのです。これにより利用状況に即した電源管理プランを選択すれば、クラウド利用料を削減することにも成功するでしょう。

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まとめ

仮想デスクトップは、自宅でも会社にあるPCを動かせる画期的なシステムですが、性能劣化や許容量を超過するなど、いくつかの課題があります。難点を対処しなければ、大きなトラブルになる可能性もあります。本記事で解説した運用方法を試して、効果的に活用していくことが重要であると言えるでしょう。

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