
AWSを導入すればセキュリティは万全だと思っていませんか?実は、AWSのセキュリティは利用者にも責任があり、設定ミスによって情報漏洩や不正アクセスを招く危険性があります。この記事では、AWSセキュリティの基本から運用するうえでの具体的な対策を分かりやすく解説します。
なぜAWSクラウドセキュリティが重要なのか?
AWSクラウドセキュリティは、スタートアップから大企業まで多くの組織で利用されている、今やクラウド運用に欠かせない仕組みです。データ漏洩や不正アクセス、システム停止といったサイバー攻撃のリスクから企業を守るため、またビジネスの継続性と信頼性を確保するためには必須です。
AWSでは「責任共有モデル」という考え方が採用されており、AWSが責任を持つのはデータセンターの物理的なセキュリティやネットワークインフラなどに限定されます。一方で、OSより上のレイヤー、例えばデータそのものの管理やアクセス権限の設定、ファイアウォールの設定といったクラウド内のセキュリティは、すべて利用者自身の責任となります。
実際に、過去に発生した重大な情報漏洩事故の多くは、AWSの脆弱性が原因ではなく、利用者側の単純な設定ミスから引き起こされています。アクセス権限の誤設定や、本来非公開にすべきストレージが全世界に公開されていた、といったケースは他人事ではありません。
このような事態を防ぐためには、AWSクラウドセキュリティは正しい理解のもとで活用することが大切です。
AWSセキュリティの基本|責任共有モデルについて
AWSを利用する上で理解しなければならないのが「責任共有モデル」という考え方です。これは、クラウドのセキュリティに関する責任を、AWSと利用者(ユーザー)とで分担するという、AWSセキュリティの根幹をなすコンセプトです。「どこまでがAWSの責任で、どこからが自分たちの責任なのか」を正しく理解しないままAWSを運用することは、意図せずセキュリティホールを生み出す原因となり、非常に危険です。
AWSでは、この責任分担を「クラウドのセキュリティ(Security of the Cloud)」と「クラウド内のセキュリティ(Security in the Cloud)」という言葉で明確に区別しています。これから、それぞれの責任範囲について具体的に見ていきましょう。
AWSが責任を持つ範囲
AWSが責任を持つのは「クラウドのセキュリティ」です。これは、AWSが提供するクラウドサービスそのものの基盤(インフラストラクチャ)を守る責任を指します。利用者はこの部分をAWSに任せることができるため、自社で物理的なデータセンターを運用する場合に比べて、セキュリティ管理の負担を大幅に軽減できます。
具体的にAWSが責任を持つ範囲は、以下の通りです。
| カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| 物理・環境 |
データセンターへの物理的なアクセス管理、監視カメラ、電源・空調の管理、自然災害からの保護など |
| ハードウェア | サーバー、ストレージ、ネットワーク機器といった物理的なインフラストラクチャの管理・保守 |
| ソフトウェア | コンピューティング、ストレージ、データベース、ネットワークといったAWSサービスを稼働させるための基本的なソフトウェアの管理 |
| ネットワーク | AWSのグローバルネットワークインフラ(リージョン、アベイラビリティーゾーン、エッジロケーション)の保護 |
これらの要素は、世界トップクラスの専門家によって24時間365日体制で管理・監視されており、利用者はその堅牢なインフラの上でサービスを構築することに集中できます。
ユーザーが責任を持つ範囲
一方で、利用者が責任を持つのは「クラウド内のセキュリティ」です。これは、AWSという土台の上で、利用者が構築・設定するものや、配置するデータなどを守る責任を指します。AWSはあくまで安全な「土地」を提供してくれるだけであり、その土地にどのような「家」を建て、どのように「戸締まり」をするかは、利用者自身の責任となるのです。
利用者が責任を持つ範囲は、利用するサービスによって異なりますが、主に以下のようなものが挙げられます。
| カテゴリ | 具体的な内容 |
|---|---|
| データ | 保存するデータの分類、暗号化(サーバーサイド、クライアントサイド)の実施、適切なアクセス権の設定 |
| アプリケーション | 開発したアプリケーションの脆弱性対策、設定ミスからの保護 |
| プラットフォーム・ID管理 | IAMユーザー・ロール・ポリシーによる権限管理、パスワードポリシーの設定、多要素認証(MFA)の適用 |
| OS・ネットワーク・ファイアウォール | EC2インスタンスなどのゲストOSのパッチ適用・管理、セキュリティグループやネットワークACLによる通信制御 |
例えば、EC2インスタンスを利用する場合、OSのセキュリティアップデートを適用したり、セキュリティグループで不要なポートを閉じたりするのは、すべて利用者の責任です。AWSが自動でOSの脆弱性を修正してくれるわけではない点を、明確に認識しておく必要があります。この責任共有モデルの詳細は、AWSの公式サイトでも確認することができます。
責任共有モデル:https://aws.amazon.com/jp/compliance/shared-responsibility-model/
AWSセキュリティ対策の5つの段階
AWSのセキュリティ対策は、個別の設定やサービスを点で捉えるのではなく、全体を体系的に理解することです。その際に有効なのが、「特定・防御・検出・対応・復旧」という5つの段階です。
この5段階は、NIST(米国国立標準技術研究所)が策定したNISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)で示されている、一般的かつ実践的なセキュリティの基本原則です。クラウドに限らず、オンプレミスやハイブリッド環境でも広く用いられている代表的なセキュリティの考え方です。
まず「特定」は、自社のAWS環境にどのようなリソースがあり、どこに重要なデータが存在し、どの部分がリスクになり得るのかを把握する段階です。アカウント構成やネットワーク、利用しているサービスを可視化しなければ、適切な対策は講じられません。
次に「防御」では、IAMによる権限管理やネットワーク制御、暗号化などを通じて、攻撃を未然に防ぐ仕組みを整えます。多くの企業がこの防御に注力しがちですが、防御だけでは万全とは言えません。
「検出」は、不正アクセスや異常な挙動を早期に察知する段階です。どれだけ防御を固めても、すべての攻撃を防ぎ切ることはできません。そのため、ログや監視を通じて「何かおかしい」兆候をいち早く検知する仕組みが不可欠です。
インシデントが発生した場合に求められるのが「対応」です。検出した事象に対して、被害拡大を防ぐための初動対応や原因調査を迅速に行う体制が整っていなければ、影響は長期化します。
最後の「復旧」は、サービスや業務を通常の状態に戻し、再発防止策を講じる段階です。バックアップや構成の見直しを通じて、次に同様の事態が起きても被害を最小限に抑えられる状態を作ります。
このように特定から復旧までを一連の流れとして捉え、AWSの各種セキュリティサービスをどの段階で活用するのかを整理することで、属人性に依存しない再現性のあるセキュリティ対策が可能になります。
AWSのセキュリティにおいては「多層防御」が必須
AWSセキュリティを考えるうえで、もうひとつ欠かせない重要な考え方が「多層防御」です。多層防御とは、単一の対策に依存するのではなく、複数の異なるセキュリティ対策を重ねることで、万が一どこかが突破されても被害を最小限に抑えるという考え方を指します。
サイバー攻撃には「これさえやっておけば安全」という万能な対策は存在しません。攻撃手法は日々進化しており、新たな脆弱性や手口が次々と生まれています。そのため、ひとつの防御策だけに頼ると、その弱点を突かれた瞬間に深刻な被害へと直結してしまいます。AWS環境においては、ネットワーク、ID管理、ログ監視、構成管理など、複数のレイヤーで対策を講じることが前提となります。
多層防御の考え方を理解するうえでよく用いられるのが、「スイスチーズモデル」です。各セキュリティ対策を穴の空いたスイスチーズに例え、1枚だけでは穴が貫通してしまうものの、複数枚を重ねることで事故が発生する確率を大きく下げられる、という考え方です。AWSにおいては、IAM、ネットワーク制御、監査ログ、脅威検出といった対策を組み合わせることで、単独では防げないリスクをカバーできます。
また、近年はリモートワークやクラウドサービスの利用拡大により、アクセス元や利用者の多様化が進んでいます。社内ネットワークの内外を明確に分ける従来型の境界防御だけでは、こうした環境変化に対応しきれません。IDや端末、通信、操作ログといった複数の観点から防御を行うことが、AWSセキュリティでは特に重要になります。
AWSの主要なセキュリティサービス6選
AWSには多数のセキュリティ関連サービスが用意されていますが、それらを最初からすべて導入・運用するのは現実的ではありません。サービスごとに役割や目的が異なり、適切な設計や運用体制が伴っていなければ、十分な効果を発揮できないためです。
つまり、AWSセキュリティ対策ではまず優先度の高いサービスから段階的に導入することが大切です。特に、環境全体の可視化や不正検知、ガバナンスの確立といった基盤となる領域は、早い段階で整備しておくべきポイントです。
ここでは、AWS環境のセキュリティを強化するうえで、導入を検討したい主要な6つのセキュリティサービスを紹介します。
AWS CloudTrail
AWS CloudTrailは、AWS上で行われた操作を記録する監査サービスです。「いつ、誰が、何をしたのか」をAPI操作単位で追跡できるため、AWSセキュリティ対策の土台となります。
CloudTrailを有効化することで、設定変更や不正な操作が発生した際に、原因や実行者を特定しやすくなります。インシデント対応や内部監査、コンプライアンス対応においても欠かせません。
また、ログをS3に保存することで長期間の保管が可能となり、他のセキュリティサービスと連携することで監視や自動対応にも活用できます。
AWS Config
AWS Configは、構成の変更履歴を把握し、セキュリティポリシー違反を監視するサービスです。AWS上のリソースが、あらかじめ定めたルールに沿って設定されているかを自動で確認・評価します。
例えば、本来公開すべきでないリソースが外部公開されていた場合や、セキュリティポリシーに反する設定変更が行われた場合でも、AWS Configを有効にしていれば早期に検知できます。構成変更の履歴も記録されるため、誰がどのような変更を行ったのかを後から確認することも可能です。
また、AWS Configは後述するAWS Security Hub CSPMを有効にするためにも必要なサービスです。AWS環境の設定状況を継続的に可視化・評価する基盤として、早い段階で導入しておくことが大切です。
Amazon GuardDuty
Amazon GuardDutyは、機械学習を活用してAWS環境内の脅威や異常を自動的に検出するサービスです。VPCフローログやCloudTrail、DNSログなどを分析し、不正なアクセスや通常とは異なる振る舞いを検知します。
例えば、不正ログインの試行やマルウェア感染、仮想通貨マイニングといった不審な挙動を検出し、アラートとして通知します。これにより、担当者は早い段階で問題に気づき、被害拡大を防ぐための対応を取ることが可能です。
GuardDutyは検出にとどまらず、他のAWSサービスと連携することで自動化された対応にもつなげられます。常時監視を人手だけで行うのが難しいAWS環境において、セキュリティレベルを効率的に高めるため、優先的に導入したいサービスです。
AWS Security Hub CSPM
AWS Security Hub CSPMは、AWS環境におけるセキュリティアラートや設定評価を一元的に管理できるCSPM(クラウドセキュリティポスチャ管理)サービスです。AWSの各セキュリティサービスから検出された情報を集約し、対応すべきセキュリティ課題を整理・可視化できます。
GuardDutyやInspectorなど、複数のサービスを個別に確認していると、重要なアラートを見落としたり、対応の優先順位をわかりにくくしたりする可能性があります。そうしたセキュリティ問題を管理し、優先度の高いものから対応することが可能になります。
また、AWSのベストプラクティスや業界標準に基づいて、リソース設定が適切かどうかを自動で評価し、スコアとして確認できる点も特長です。なお、AWS Security Hub CSPMを有効にするためにはAWS Configの導入が必須となるため、両者をセットで導入・運用することが前提となります。
AWS Organizations
AWS Organizationsは、複数のAWSアカウントをグループ化し、一元的に管理・統制するためのサービスです。
複数のAWSアカウントを個別に管理すると設定方針がばらつき、セキュリティレベルに差が生じ、権限付与やサービス利用が意図せずに発生するなど、リスクの把握も困難になります。
AWS Organizationsを活用すれば、アカウントを組織単位で管理し、共通のポリシーを適用できます。特にサービスコントロールポリシー(SCP)を利用することで、組織全体としてAWSサービスや操作を制限でき、セキュリティとガバナンスの運用が可能になります。
マルチアカウント戦略では、AWS Organizationsが管理・統制の中核となります。複数アカウントを前提としたAWSセキュリティ対策を進めるうえで、欠かせない基盤サービスです。
AWS Control Tower
AWS Control Towerは、安全でマルチアカウントに対応したAWS環境を迅速にセットアップ・管理するためのサービスです。AWS Organizationsによってアカウントの一元管理は可能になりますが、アカウントごとの初期設定やセキュリティポリシーの適用を個別に行うのは大きな負担になります。
AWS Control Towerを利用すると、あらかじめ定義された設定に基づき、標準化されたAWSアカウントを自動で構築できます。これにより、手作業による設定ミスを防ぎつつ、統制の取れたマルチアカウント環境を効率的に展開できます。
また、AWS Control Towerでは、セキュリティ上の問題を防止・検出するためのガードレールが提供されます。これらのガードレールにより、意図しない操作やルール逸脱を自動的に検出し、場合によっては修復することも可能です。
マルチアカウント戦略を本格的に運用する場合、AWS OrganizationsとAWS Control Towerを組み合わせることで、管理負荷を抑えながら、セキュリティとガバナンスを両立したAWS環境を構築できます。
【放置は危険】AWSセキュリティでよくある5つの落とし穴
AWSはセキュアなクラウド環境を提供していますが、ユーザー側の設定不備や認識不足によって、重大なセキュリティインシデントに繋がるケースが後を絶ちません。これらは「クラウドの設定ミス」として知られ、多くの場合、人為的なミスが原因です。この章では、特に発生しがちで危険性の高い5つのセキュリティの落とし穴について、その原因とリスクを具体的に解説します。落とし穴1 IAMユーザーのアクセスキー漏洩
AWSをプログラム経由で操作するために必要な「アクセスキー」と「シークレットアクセスキー」が外部に漏洩するインシデントです。これはAWSのセキュリティリスクの中でも特に深刻な被害に繋がりやすい落とし穴の一つです。
なぜ漏洩するのか?
アクセスキーが漏洩する主な原因は、開発者の不注意によるものです。例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- ソースコード内にアクセスキーを直接書き込み、GitHubなどの公開リポジトリにアップロードしてしまう。
- アクセスキーを含む設定ファイルを、誤って社内チャットやメールで共有してしまう。
- マルウェアに感染したPCからキー情報が窃取される。
漏洩するとどうなる?
漏洩したアクセスキーが悪意のある第三者の手に渡ると、そのキーに紐づくIAMユーザーの権限範囲でAWSアカウントが不正に操作されてしまいます。具体的な被害としては、以下のようなものが報告されています。
- 高額請求:大量の高性能なEC2インスタンスを勝手に起動され、暗号資産(仮想通貨)のマイニングなどに悪用されることで、数百万から数千万円単位の想定外の高額請求が発生する可能性があります。
- 情報漏洩:S3バケットに保存されている顧客情報や機密データが窃取されたり、RDSのデータがバックアップから不正に取得されたりする危険性があります。
- システムの破壊・改ざん:サーバー内のデータを削除されたり、Webサイトを改ざんされたりする可能性があります。
落とし穴2 S3バケットの公開設定ミス
Amazon S3は高い耐久性とスケーラビリティを誇るストレージサービスですが、バケットのアクセスポリシー設定を誤ると、意図せず全世界にファイルが公開状態となり、情報漏洩に直結します。過去には国内外の多くの企業がこの設定ミスにより、顧客情報や機密情報を漏洩させるインシデントを起こしています。
なぜ設定ミスが起こるのか?
S3の公開設定ミスは、主に以下のようなヒューマンエラーが原因で発生します。
- 「ブロックパブリックアクセス」機能を無効にしてしまう。
- バケットポリシーやアクセスコントロールリスト(ACL)で、必要以上に広範なアクセス許可を与えてしまう。
- 一時的なファイル共有のつもりが、設定を元に戻し忘れて公開状態のまま放置してしまう。
これらの設定ミスにより、本来はアクセスを許可していない第三者からのデータ読み取りや、最悪の場合、データの書き込み・削除まで可能になってしまう危険性があります。
落とし穴3 セキュリティグループのポート全開放
セキュリティグループは、EC2インスタンスへの通信を制御する仮想ファイアウォールです。ここで特定のポートを「フルオープン(`0.0.0.0/0`)」、つまり送信元IPアドレスを制限せずに誰でもアクセスできる状態にしてしまうと、インスタンスは深刻な脅威に晒されます。
なぜポートを開放してしまうのか?
開発や検証の段階で、「一時的に接続確認をしたい」「設定が面倒」といった理由から安易にポートを全開放し、そのまま本番環境でも放置してしまうケースが多く見られます。
全開放のリスクが高いポートの例
特に以下のポートを全開放することは非常に危険です。| ポート番号 | プロトコル | 主な用途 | 全開放した場合のリスク |
|---|---|---|---|
| 22 | SSH | サーバーへのリモートログイン(Linux) | パスワードの総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)を受け、サーバーを乗っ取られる危険性が極めて高い。 |
| 3389 | RDP | サーバーへのリモートログイン(Windows) | |
| 3306 | MySQL | データベース接続 | データベースに不正アクセスされ、情報が窃取・改ざん・削除される。 |
これらの管理用ポートは、原則として特定のIPアドレスからのみアクセスを許可するように厳しく制限する必要があります。
落とし穴4 OSやミドルウェアの脆弱性放置
AWSの責任共有モデルにおいて、EC2インスタンス上で稼働するOS(Windows, Linuxなど)や、その上にインストールされたミドルウェア(Apache, WordPressなど)、アプリケーションのセキュリティパッチ適用は、ユーザーの責任範囲です。これらの脆弱性を放置すると、攻撃者にシステムの制御を奪われる可能性があります。
なぜ脆弱性が放置されるのか?
日々の運用に追われ、OSやソフトウェアのアップデートが後回しにされたり、そもそも脆弱性に関する情報を収集する体制が整っていなかったりすることが原因です。また、アップデートによる既存システムへの影響を懸念して、適用をためらうケースもあります。
脆弱性を放置するリスク
脆弱性を放置すると、既知の攻撃手法を用いて容易に侵入を許してしまいます。具体的には、以下のような被害が想定されます。
- サーバーを乗っ取られ、マルウェアを仕込まれる。
- DDoS攻撃の踏み台として悪用される。
- Webサイトが改ざんされたり、サーバー内のデータが外部に流出したりする。
Amazon Inspectorなどのサービスを活用し、定期的に脆弱性診断を行い、計画的にセキュリティパッチを適用することが不可欠です。
落とし穴5 ログの監視不足によるインシデント発見の遅れ
AWSでは、AWS CloudTrail やVPCフローログなど、操作履歴や通信記録を詳細に記録する仕組みが提供されています。しかし、これらのログをただ取得しているだけで満足し、監視や分析を怠っていると、セキュリティインシデントの発生に気づくことができません。
なぜ監視が不足するのか?
膨大な量のログから異常な兆候を人手で発見するのは困難です。また、「インシデントは起きていないだろう」という正常性バイアスから、ログの定期的な棚卸しや監視体制の構築が後回しにされがちです。
発見が遅れることのリスク
ログ監視の不備は、インシデントの発見を大幅に遅らせ、被害を甚大なものにします。
- 不正アクセスやデータ窃取が発覚したときには、すでに長期間にわたって情報が盗まれ続けていた、という事態になりかねません。
- インシデント発生後の原因究明や影響範囲の特定が困難になり、復旧作業や顧客への説明に支障をきたします。
ログはインシデント発生後に見るものではなく、インシデントの予兆を早期に発見し、被害を未然に防ぐために活用するものです。Amazon GuardDutyのような脅威検出サービスを導入し、ログの監視を自動化することが重要です。
今すぐできるAWSセキュリティ対策13選
AWSのセキュリティは「落とし穴」を避けるだけでなく、積極的に強化していくことが重要です。ここでは、AWSアカウントを作成したらすぐに着手すべき基本的な対策から、より高度なセキュリティを実現するためのサービス活用法まで、具体的な13個の対策を解説します。
対策1 ルートアカウントは使わずIAMユーザーで運用する
AWSアカウント作成時に最初に作られる「ルートアカウント」は、すべてのサービスへの完全なアクセス権を持つ最も強力なアカウントです。そのため、日常的な作業でルートアカウントを使用することは、誤操作やアカウント乗っ取りが発生した際に被害が甚大になるリスクを伴います。
セキュリティのベストプラクティスとして、ルートアカウントは初期設定や請求情報の管理など、特別な作業にのみ使用を限定し、普段の操作は「IAM(Identity and Access Management)」で作成したIAMユーザーで行うことが強く推奨されています。IAMユーザーには、業務に必要な権限のみを付与する「最小権限の原則」を適用し、万が一の際の影響範囲を限定しましょう。
- ルートアカウント:初回ログイン、IAMユーザー作成、請求関連の操作など、限定的な用途にのみ使用。
- IAMユーザー:開発、運用、監視など、日常的なすべてのAWS操作で使用。ユーザーごと、役割ごとに必要な権限のみを付与。
対策2 IAMユーザーには多要素認証(MFA)を強制する
IDとパスワードだけの認証では、情報が漏洩した場合に第三者が簡単になりすましてログインできてしまいます。これを防ぐために非常に有効なのが「多要素認証(MFA)」です。MFAを設定すると、パスワードに加えて、スマートフォンアプリなどで生成される一度きりの確認コードの入力が求められ、不正アクセスのリスクを劇的に低減できます。
特に管理者権限を持つIAMユーザーや、ルートアカウントには必ずMFAを設定しましょう。さらに、IAMポリシーを利用して、MFAを有効にしていないユーザーの操作を制限することで、組織全体のセキュリティレベルを強制的に引き上げることが可能です。
対策3 パスワードポリシーを強化する
推測されやすい単純なパスワードは、セキュリティ上の大きな弱点となります。IAMでは、ユーザーが設定するパスワードの強度を強制する「パスワードポリシー」を定義できます。
最低文字数、大文字・小文字・数字・記号の使用強制、パスワードの有効期限と再利用の禁止などを設定し、推測されにくく、かつ定期的に変更される運用を徹底しましょう。これにより、総当たり攻撃(ブルートフォースアタック)などによるパスワード突破のリスクを軽減できます。
| 設定項目 | 推奨設定内容 |
|---|---|
| 最小パスワード長 | 8文字以上(14文字以上が望ましい) |
| パスワードの強度 | 大文字、小文字、数字、英数字以外の文字(記号)をそれぞれ1つ以上含むように要求する |
| パスワードの有効期限 | 90日ごとにパスワードのローテーションを要求する |
| パスワードの再利用禁止 | 過去24回分のパスワードの再利用を禁止する |
対策4 S3ブロックパブリックアクセスを有効化する
Amazon S3は便利なストレージサービスですが、設定ミスにより意図せずバケット内のデータがインターネット上に公開されてしまう事故が後を絶ちません。これを防ぐ最も効果的な機能が「S3ブロックパブリックアクセス」です。
この設定を有効にすると、個別のバケットポリシーやオブジェクトACLの設定にかかわらず、バケットとオブジェクトへのパブリックアクセスを一括でブロックしてくれます。特別な理由がない限り、AWSアカウントレベルでこの設定を有効化し、意図しない情報漏洩のリスクを根本から断つことが重要です。
対策5 セキュリティグループでインバウンド通信を最小限に絞る
セキュリティグループは、EC2インスタンスなどのリソースに適用される仮想ファイアウォールです。よくある設定ミスが、SSH(22番ポート)やRDP(3389番ポート)といった管理用ポートを「すべてのIPアドレス(0.0.0.0/0)」に対して開放してしまうことです。これは、悪意のある攻撃者に侵入の糸口を与えてしまう非常に危険な状態です。
通信を許可する際は、「最小権限の原則」に従い、本当に必要なポート(例:Webサーバーなら80番、443番)を、本当に必要な送信元(例:特定のIPアドレス、他のセキュリティグループ)からのみ許可するように設定を絞り込みましょう。
対策6 EC2インスタンスにはIAMロールを割り当てる
EC2インスタンス上で動作するアプリケーションが、S3やDynamoDBなどの他のAWSサービスにアクセスする必要がある場合、その認証情報をEC2インスタンス内に保存するのは避けるべきです。アクセスキーをソースコードにハードコーディングしたり、設定ファイルに平文で保存したりすると、漏洩のリスクが非常に高まります。
代わりに「IAMロール」を使用しましょう。IAMロールをEC2インスタンスに割り当てると、アプリケーションは一時的なセキュリティ認証情報を自動的に取得できます。これにより、長期的な認証情報であるアクセスキーをインスタンス内に保持する必要がなくなり、セキュリティが大幅に向上します。
対策7 AWS CloudTrailでAPI操作ログを記録し監視する
AWS環境で「いつ、誰が、何を、どこから行ったか」をすべて記録するのがAWS CloudTrailです。 CloudTrailのログは、セキュリティインシデント発生時の原因調査や、不正な操作の追跡に不可欠な証跡となります。
AWSアカウントを作成したら、すべてのリージョンを対象とする証跡を作成し、ログをS3バケットに永続的に保存する設定を必ず行いましょう。さらに、Amazon CloudWatch Logsと連携させることで、特定のAPIコール(例:セキュリティグループの変更、IAMユーザーの作成)をトリガーとしたアラートを発報させるなど、プロアクティブな監視体制を構築できます。
対策8 AWS Trusted Advisorでベストプラクティスをチェックする
AWS Trusted Advisorは、AWS環境がセキュリティ、耐障害性、パフォーマンス、コスト最適化のベストプラクティスに従っているかを自動でチェックし、改善点を提案してくれるサービスです。
セキュリティカテゴリでは、MFAが有効になっていないルートアカウント、全世界に公開されているセキュリティグループのポート、公開アクセスが許可されているS3バケットなど、基本的ながら見落としがちな設定ミスを指摘してくれます。定期的にTrusted Advisorのチェック結果を確認し、指摘事項に対応するだけで、AWS環境のセキュリティレベルを手軽に向上させることができます。
対策9 Amazon GuardDutyで脅威を自動検出する
Amazon GuardDutyは、AWS環境に対する悪意のあるアクティビティや不正な振る舞いを継続的にモニタリングする、インテリジェントな脅威検出サービスです。
VPCフローログ、CloudTrailログ、DNSログなどを機械学習で分析し、マルウェアに感染したEC2インスタンスや、偵察行為、通常とは異なるAPIコールなどを自動で検出します。数クリックで有効化でき、既存のワークロードに影響を与えることなく、高度な脅威検出を実現できるため、AWSを利用するすべてのアカウントで有効にすることが推奨されます。
対策10 AWS Security Hubでセキュリティ状況を一元管理する
AWS環境の規模が大きくなるにつれ、複数のAWSセキュリティサービス(GuardDuty, Inspectorなど)やサードパーティ製品からのアラートを個別に管理するのは煩雑になります。AWS Security Hubは、これらのセキュリティ検出結果を集約し、優先順位付けを行い、単一のダッシュボードで可視化するサービスです。
さらに、「AWS基礎セキュリティのベストプラクティス」や「CIS AWS Foundations Benchmark」といった業界標準のコンプライアンスチェックを自動で実行し、準拠状況をスコアで表示します。Security Hubを活用することで、セキュリティ体制の全体像を把握し、最も重要な課題から効率的に対処することが可能になります。
対策11 AWS Configでコンプライアンス違反を監視
AWS Configを活用することで、知らないうちにセキュリティルールに反したリソースが存在しているといったリスクを低減しやすくなります。AWS環境は日々変更が加わるため、手動でのチェックだけでは設定逸脱を見逃してしまう可能性があります。
AWS Configでは、あらかじめ定義したルールに基づいてリソース構成を継続的に評価し、コンプライアンス違反が発生した場合にすぐに把握できます。これにより、意図せず公開設定が変更されたり、セキュリティ基準を満たさない状態が放置されたりする事態を防げます。
また、違反が検出された際に自動修復を行う仕組みを構築することも可能です。設定ミスに気づくまでの時間を短縮し、被害が拡大する前に対処できる点は、AWSセキュリティ対策において大きなメリットです。
対策12 AWS Organizationsで複数のAWSアカウントを一元管理
AWSの利用が進むにつれて、開発環境・本番環境・部門別などでAWSアカウントが増えていくと、個別管理では運用やセキュリティ統制が難しくなります。アカウントごとに設定方針が異なり、セキュリティレベルにばらつきが生じるケースも少なくありません。
AWS Organizationsを利用することで、複数のAWSアカウントを一元的に管理し、組織全体として統一したセキュリティポリシーを適用できます。特に、サービスコントロールポリシー(SCP)を活用すれば、利用可能なAWSサービスや操作を組織単位で制御でき、不要なサービス利用や誤操作のリスクを抑えられます。
マルチアカウント環境では、各アカウントを独立したセキュリティ境界として扱える点も大きな利点です。AWS Organizationsによる一元管理は、セキュリティとガバナンスを両立させるための重要な対策となります。
対策13 AWS Control TowerでAWS 環境を迅速にセットアップ・管理
AWS Organizationsを利用することで複数のAWSアカウントを一元管理できますが、アカウントごとの初期設定やセキュリティポリシーの適用には個別対応が必要となり、運用負荷が高くなりがちです。そこで有効なのがAWS Control Towerです。
AWS Control Towerは、あらかじめ定義された設定に基づき、マルチアカウント環境を自動でセットアップ・管理できるサービスです。新しいAWSアカウントを作成する際も、標準化された設定が自動的に適用されるため、手作業による設定ミスを防ぎながら、統制の取れた環境を迅速に構築できます。
また、AWS Control Towerでは、セキュリティルールの逸脱を防止・検出するためのガードレールが用意されています。これにより、意図しない操作や不適切な構成変更を検知し、AWS環境全体のガバナンスを継続的に維持できます。
AWSセキュリティをさらに強化するためには?
AWSのセキュリティ対策は、各種サービスを導入して終わりではありません。IAMやログ管理、脅威検知、マルチアカウント戦略などを整備しても、それらが正しく機能し続けているかを維持・改善していく運用が伴わなければ、十分な効果は得られません。
ここでは、AWSセキュリティをより高いレベルで維持するために不可欠な運用面でのポイントを紹介します。
継続的な運用保守
AWSセキュリティ対策で大切なのが、継続的な運用保守です。サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化しており、一度対策を実施しただけでは、安全な状態を維持し続けることはできません。
AWSのセキュリティサービスを導入しても、アラートへの対応や設定の見直し、新たな脅威への追従といった運用が伴わなければ、セキュリティ対策は形骸化してしまいます。ログや検知結果を定期的に確認し、問題があれば速やかに対処する体制を整えることが不可欠です。
一方で、これらの対応をすべて社内リソースだけで継続するのは負荷が大きく、専門的な知識や経験も必要です。そのため、自社での運用が難しい場合は、外部の専門サービスを活用するのも有効な選択肢となります。自社の体制やリソースにあわせて、無理のない運用方法を検討することが大切です。
専門家への相談
AWSセキュリティ対策を進める中で、どのサービスから導入すべきか分からない、自社環境に合った設計・運用ができているか不安に感じるケースも少なくありません。AWSは選択肢が多く、組み合わせや運用方法を誤ると、十分な効果が得られないことがあります。
こうした場合には、AWSに精通した専門家へ相談することも有効な手段です。専門家の視点を取り入れることで、自社の環境や体制にあわせて、優先すべきセキュリティ対策や導入すべきサービスを整理しやすくなります。また、運用面まで含めた現実的なアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。
AWSセキュリティは、単にツールを導入すれば完結するものではありません。設計・実装・運用を通じて継続的に改善していく必要があるからこそ、必要に応じて専門家の知見を活用しながら、自社に最適なセキュリティ体制を構築していくことが大切です。
AWSセキュリティに関するよくある質問(FAQ)
ここでは、AWSのセキュリティに関して多く寄せられる質問とその回答をご紹介します。AWSを利用する上での疑問や不安を解消するためにお役立てください。
無料でできるAWSセキュリティ対策はありますか?
はい、あります。AWSでは追加料金なしで利用できる基本的なセキュリティ機能やサービスが数多く提供されています。これらを活用するだけでも、セキュリティレベルを大幅に向上させることが可能です。
- IAM(Identity and Access Management)の利用: ルートアカウントの無効化、IAMユーザーやロールの作成、多要素認証(MFA)の設定、パスワードポリシーの強化など、基本的なアクセス管理機能はすべて無料で利用できます。
- セキュリティグループとネットワークACL: VPC(Virtual Private Cloud)内で、EC2インスタンスなどへのインバウンド・アウトバウンド通信を制御するファイアウォール機能も標準で提供されています。
- AWS Trusted Advisorの基本チェック: セキュリティグループのポート設定やMFAの設定状況など、基本的な4つの項目に関するベストプラクティスチェックを無料で利用できます。
- AWS Security Hubの無料利用枠: AWS Security Hubは有料サービスですが、30日間の無料トライアルが提供されています。 これにより、AWS環境のセキュリティ状況を評価し、どの程度のコストがかかるかを試算することが可能です。
- Amazon GuardDutyの無料利用枠: 脅威検出サービスであるAmazon GuardDutyにも30日間の無料トライアルがあります。
これらの無料サービスを組み合わせることで、まずは基本的なセキュリティ対策を、コストをかけずに実施することが重要です。
AWSのセキュリティ診断はどのように行えばよいですか?
AWSのセキュリティ診断は、AWSが提供するサービスを利用する方法と、専門のベンダーに依頼する方法の2つに大別されます。目的に応じて適切な方法を選択することが大切です。
AWSサービスを利用した診断
AWSには、セキュリティ状況を可視化し、脆弱性を検出するためのサービスが用意されています。
| サービス名 | 概要 |
|---|---|
| Amazon Inspector | EC2インスタンスやコンテナイメージなどに潜むソフトウェアの脆弱性や、意図しないネットワークへの露出を自動的にスキャンし評価するサービスです。 |
| Amazon GuardDuty | VPCフローログやDNSログなどを分析し、悪意のあるアクティビティや不正な動作を継続的にモニタリングする脅威検出サービスです。 |
| AWS Security Hub | AWSのセキュリティ状況を一元的に可視化し、セキュリティ標準への準拠状況を継続的にチェックするサービスです。他のAWSセキュリティサービスからの検出結果も集約できます。 |
| AWS Trusted Advisor | コスト最適化、パフォーマンス、セキュリティ、耐障害性、サービスの制限の5つの観点からAWS環境を評価し、ベストプラクティスを推奨します。 |
専門ベンダーによる診断
より専門的で客観的な視点からの診断が必要な場合は、セキュリティ専門ベンダーが提供する脆弱性診断サービスの利用を検討しましょう。これには、Webアプリケーション診断やプラットフォーム診断などがあります。なお、AWS環境に対して侵入テスト(ペネトレーションテスト)を行う場合は、事前にAWSへの申請が必要になる場合がありますのでご注意ください。
AWSセキュリティに関して、おすすめの学習方法はありますか?
AWSセキュリティの知識を深めるためには、公式ドキュメントから資格取得まで、様々な学習方法があります。ご自身のレベルや目的に合わせて組み合わせるのが効果的です。
- 公式ドキュメント・ホワイトペーパー
AWSが提供する公式の情報は、最も正確で信頼性が高い学習リソースです。特にセキュリティに関するホワイトペーパーは、設計思想やベストプラクティスを体系的に学ぶ上で非常に役立ちます。 - AWS Black Belt Online Seminar
AWSジャパンが提供する無料のオンラインセミナーです。セキュリティ関連のテーマも豊富で、各サービスについて日本語で分かりやすく解説されています。過去のセミナー資料や動画も公開されているため、いつでも学習できます。 - AWS認定資格の取得
「AWS Certified Security - Specialty」は、AWSにおけるセキュリティの専門知識を証明する資格です。この資格の取得を目指すことで、脅威検出、データ保護、インフラストラクチャのセキュリティなど、幅広い分野を網羅的に学習することができます。 - ハンズオン・トレーニング
実際にAWS環境を操作しながら学ぶハンズオンは、知識を定着させる上で非常に有効です。AWSが提供する「AWS Hands-on for Beginners」シリーズなど、無料で始められるコンテンツもあります。
AWSのセキュリティポリシーについて教えてください?
AWSにおける「セキュリティポリシー」は、主に誰がどのリソースに対して何を許可(または拒否)するかを定義するルールを指し、その中心となるのがIAMポリシーです。
IAMポリシーはJSON形式で記述され、以下のような要素で構成されます。
- Effect(効果):許可(Allow)または拒否(Deny)を指定します。
- Principal(プリンシパル):ポリシーが適用される対象(ユーザー、ロールなど)を指定します。※リソースベースのポリシーの場合
- Action(アクション):許可または拒否する操作(例: s3:GetObject)を指定します。
- Resource(リソース):操作の対象となるAWSリソース(例: 特定のS3バケット)を指定します。
- Condition(条件):ポリシーが有効になるための条件(例: 特定のIPアドレスからのみ許可)を指定できます。
このIAMポリシーをIAMユーザーやグループ、ロールにアタッチ(関連付け)することで、AWSリソースへのアクセス制御を実現します。また、S3バケットポリシーのように、リソース側に直接アタッチする「リソースベースのポリシー」もあります。AWSのセキュリティを確保するためには、これらのポリシーを理解し、「最小権限の原則」に従って適切に設定することが不可欠です。
まとめ
AWSセキュリティ対策では、責任共有モデルを正しく理解したうえで、特定・防御・検出・対応・復旧の流れを意識し、多層防御を前提に設計・運用することが重要です。
CloudTrailやAWS Config、GuardDuty、Security Hubといった主要なセキュリティサービスに加え、AWS OrganizationsやAWS Control Towerを活用したマルチアカウント戦略を組み合わせることで、セキュリティとガバナンスを両立しやすくなります。
一方で、AWSセキュリティは導入して終わりではなく、継続的な運用が不可欠です。運用負荷や専門性が課題となる場合は、サーバーワークスが提供するマネージドセキュリティサービス「サバソック」のような外部サービスを活用することも、有効な選択肢となります。
AWS環境の特性を踏まえ、自社に適した形でセキュリティ対策を継続的に見直していくことが、安定したクラウド運用につながります。










