クラウド移行(インフラ・DB)

クラウドネイティブのメリット・デメリットとは?直面する課題の解決策

クラウドネイティブという概念は、クラウド運用が増加してきた現代において頻繁に耳にするようになってきています。そのため「クラウドネイティブとは?」と気になっている人も多いでしょう。
クラウドのメリットを活用して、ビジネス環境をより効率的なものにしていくことは今後不可欠と言えますが、クラウド環境にはやはりデメリットや課題も指摘されています。
そこで今回は、クラウドネイティブの特徴を整理したうえで、メリットやデメリット、課題解決のためのアプローチ方法を紹介していきます。

クラウドネイティブのメリット・デメリットとは?直面する課題の解決策

クラウド移行 まるわかりガイド

クラウドネイティブとは

最初に見ておきたいのは、クラウドネイティブという概念の特徴です。これはクラウドコンピューティングの柔軟性を活かしたかたちの最新のアプローチのことを示します。

アプリケーションを構築する際には、従来のかたちでは「オンプレミスにするか、クラウドにするか」という選択のもと設計がなされてきました。しかしクラウドが普及した現代では、クラウドで運用していく前提での開発がなされるようになってきています。

クラウドには強いスケーラビリティがあることが、注目されている理由と言えます。機能を変更したり拡張したりすることに柔軟性があるため、クラウドは、今後のビジネス環境での活用において非常に大きな可能性を持っていると考えられます。

クラウドネイティブでは、そういったクラウドの特性を最大化するかたちで、ビジネスなどの場において活かしていくアプローチのことを指します。
クラウドネイティブの考え方ではありとあらゆるシステム・アプリケーションがクラウド利用されるため、業務効率化や生産性アップ、コスト削減などを実現でき、経営の可能性を広げてくれます。

クラウドネイティブのメリット

ここからは、まずクラウドネイティブによって感じられる利点に触れていきます。

モダン的なアプローチであることが大きな特徴として挙げられますが、クラウドネイティブでは、オンプレミス環境が主流だった、もしくはオンプレミスまたはクラウドを選択して導入する従来型エンタープライズアプリケーションとは大きく異なります。

では具体的にどういった点に違いが見られ、メリットとなっているのかをチェックしていきましょう。

言語

クラウドネイティブで開発されたアプリケーションは、はじめに、扱われる言語についてメリットがあると考えられます。ネットに接続した状態で運用するという性質から下記のような言語が使用される傾向が強いです。

  • HTML
  • CSS
  • Java
  • JavaScript
  • .NET
  • PHP
  • Python
  • Ruby

つまり主に「Web系」として知られる言語が使用されます。

これらの言語はより現代的な言語としてカテゴライズされるため、技術力に大きく期待できるエンジニアを雇ううえではメリットがあると言えるでしょう。現代的でこれからの時代を作っていくような言語は、エンジニアのモチベーションを高めてくれるのです。

更新のしやすさ

2つ目のメリットとしては、更新にかかわる柔軟性・自由度が高いという点が挙げられます。

これまでに見られた多くのアプリケーションは、オンプレミス環境で運用することが一般的だったため、スピーディーな開発・更新はどうしても難しい傾向にありました。
しかしこれに対してクラウドネイティブの場合は、もともと頻繁に更新したり仕様を変更したりすることを前提として開発しているのが特徴です。そのためこの利点を活かせば、クラウドネイティブのアプリケーションは、次々に最新の機能を搭載するかたちで顧客へ提供することが可能となります。

伸縮性

利点の一つとして挙げられる伸縮性とは、顧客の需要や要望に合わせて規模を調整できる性質を持っていることを指します。

クラウドネイティブで開発されたアプリケーションの場合は、クラウドが本来持つこの伸縮性を最大限活かしていると言えるでしょう。いわゆる従量課金的な使い方ができるため、費用をできる限り最小限に抑えられます。

クラウドネイティブのデメリット・課題

あらゆるメリットがあり、より現代的として注目されるクラウドネイティブですが、このアプローチには課題も少なからず指摘されています。このようなポイントは、デメリット・注意点としても認識が必要になってきます。

ここからは、クラウドネイティブにおいて想定される課題を解説していきます。

アーキテクチャの変更

デメリットや課題としてチェックしておきたいのは、まずアーキテクチャの問題です。アーキテクチャをそのままにした状態で、オンプレミス環境で運用してきたアプリケーションをクラウドネイティブに移行すると、失敗につながるパターンは少なくありません。

では単純に「クラウドに適したかたちにアーキテクチャを変えればよいのか」という問題かと言えば、実際のところそこまで単純なものではありません。特に人材や技術力などをはじめ、あらゆる背景を考慮すると、課題解決は容易ではないことがわかってきます。

人材・スキル不足

クラウド環境は、そもそも可変性がある事前提で開発されるという特性上、変化が著しいのが大きな特徴となります。そのため対応するエンジニアは、より柔軟な考え方で変化に適用していくことが不可欠と言えます。

この環境下でモチベーションを高く持ち、適用していけるエンジニアを十分に確保できれば問題ないかもしれませんが、現実的には課題が山積みなのは明らかでしょう。育成に向けて企業側が適切にマネージメントする必要も出てきます。

しかしクラウド活用が大前提となる時代が来ているのは、紛れもない事実です。開発工程や体制を柔軟に変更し、より現代的な開発環境になじんでいける組織風土を作ることは、今の多くの企業に求められていることと言えます。

クラウドネイティブ課題のアプローチ方法

クラウド環境を考えるうえで、セキュリティのあり方をどうするかというポイントは、切っても切り離せない重要な課題です。

ここからは、クラウドネイティブのセキュリティ課題へのアプローチ方法として、代表的な3つの方法を紹介していきます。

CIS Benchmarks

セキュリティ課題と向き合うためには、わかりやすい対策のポイントを参照できることはとても重要です。そんなときCIS Benchmarksは導入しやすい一つのアプローチになり得ます。

これはサイバーセキュリティについてのベストプラクティスで、あらゆるタイプのクラウド環境のセキュリティ対策に対応しています。対策として最低限、実施すべきことが確認できるため、社内での定期的なチェックに大きく役立ちます。

IaC

代表的なアプローチの一つとしては、IaC (Infrastructure as Code)も挙げられます。これは、望ましいかたちのセキュリティ設定をひな形にすることで、セキュリティ統制を画一化し担保するアプローチ方法にあたります。

ただ、代表的なものとしてチェックしておくべきではあるものの、導入にあたってはある程度高い水準の技術力が必要になります。

CSPM(Cloud Security Posture Management)

最後に見ておきたいのは、CSPM(Cloud Security Posture Management)です。これは、あらかじめ設定したセキュリティ設定の評価をオートで行い、より適した設定を支援する検知サービスのことです。

どのサービスを利用するかによって検知可能なものは変わってきますが、より優秀なサービスでは幅広い分野においての検知ができます。マルウェアコードなどの危険分子を徹底的に排除することにも期待が持てるため、クラウドネイティブのセキュリティ課題解決には大きく貢献してくれることでしょう。

まとめ

クラウドネイティブは、クラウド環境の利点を最大限活かしたアプローチのことです。クラウドネイティブなアプリケーションは、よい現代的だからこそ、エンジニアのモチベーションを向上させたり、更新しやすさや伸縮性によってサービスの新しい可能性を見いだすことができたりする点においてメリットがあると言えます。
しかし一方では、クラウドネイティブには課題も指摘されています。セキュリティや人材に関する課題には目を向けたうえで、クラウドネイティブを含むより現代的な環境を作っていくことが今後は重要と言えるでしょう。

そんななかで注目しておきたいのは、セキュリティ性能がしっかりとしたクラウドサービスです。MicrosoftのAzureは優秀なセキュリティ性能を誇るクラウドとなっており、クラウドネイティブな基盤構築をサポートします。導入についてはぜひ積極的に検討していきましょう。

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