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AWSのコストを最適化するには?コスト削減の方法と最適化のために必要なこと

AWSのコストを最適化するには?コスト削減の方法と最適化のために必要なこと

クラウドサービスの利用が拡大するなかで、AWSの運用コストが想定以上に膨らんでいると感じている企業は少なくありません。特に複数のサービスを併用している環境では、どこにコストがかかっているのかが見えにくく、対策の優先順位がつけづらいという課題があります。
AWSのコスト最適化は、単なるコストカットではなく、ビジネスの成長に合わせてクラウド投資の効果を最大化する取り組みです。近年注目されている「FinOps」の考え方では、エンジニアリング・財務・ビジネスの各部門が連携し、データドリブンでクラウド支出を管理することが推奨されています。
本記事では、AWSのコストを削減するための具体的なアクションから、最適化を継続的に進めるうえで必要なプロセス、そして自社管理における課題と解決策までを解説します。

AWSのコストを削減するための5つのアクション

AWSの利用料金を抑えるためには、まず即効性のある施策から着手することが重要です。

未使用リソースを徹底的に削除する

コスト最適化の第一歩は、使われていないリソースの特定と削除です。クラウド環境では、検証用に作成したリソースがそのまま残り続け、課金が発生しているケースが多く見られます。
たとえば、Amazon SageMaker StudioのJupyterLabインスタンスは、開発・検証が終了した後も削除されずに残っていることがあります。このようなインスタンスに紐づく不要なAmazon EBSボリュームも、あわせて削除することでストレージコストの削減が可能です。
また、Amazon CloudWatch Logsに蓄積された不要なログデータも見落としがちなコスト要因です。保持期間の設定を見直し、不要なロググループを削除することで、ログストレージにかかる費用を抑えることができます。さらに、Amazon EBSの未アタッチのボリューム(どのインスタンスにも接続されていないボリューム)は定期的に棚卸しを行い、不要であれば削除しましょう。
こうした未使用リソースの削除は地道な作業ですが、積み重ねることで大きなコスト削減効果が期待できます。

開発・検証環境のEC2インスタンスを夜間や休日に自動停止する

開発環境や検証環境のEC2インスタンスは、業務時間外には使用されていないことがほとんどです。こうしたインスタンスを夜間や休日に自動停止し、必要なタイミングで起動する運用に切り替えることで、大幅なコスト削減が見込めます。
具体的には、AWS CloudShellを利用してEC2インスタンスの自動停止・起動スクリプトを作成する方法があります。たとえば、平日の業務時間帯のみ起動するスケジュールを設定すれば、夜間・休日分の稼働コストを削減できます。対象インスタンスの数が多いほど、削減効果は大きくなります。

インスタンスタイプを最新化する

AWSは定期的に新しい世代のインスタンスタイプをリリースしており、新世代のインスタンスは同じ価格帯でより高いパフォーマンスを提供する傾向があります。つまり、古いインスタンスタイプを使い続けることは、コスト効率の面で不利になる可能性があります。
また、古い世代のインスタンスタイプはサポートが終了するリスクもあるため、安定運用の観点からも最新世代への移行を検討することが大切です。移行の際は、ワークロードの互換性を確認しつつ、AWS Compute Optimizerなどのツールを活用して適切なインスタンスサイズを選定するとよいでしょう。

ストレージサービスの見直しと最適なストレージ階層の選択

ストレージコストを削減するうえで重要なのが、用途に合ったストレージサービスの選択です。AWSには複数のストレージサービスがあり、それぞれ適した利用シーンが異なります。Amazon EBSはEC2インスタンスにアタッチして使うブロックストレージで、高いI/Oパフォーマンスが求められるワークロードに適しています。Amazon EFSは複数のインスタンスから同時にアクセスできるフルマネージドなファイルストレージで、共有ファイルシステムが必要な用途に向いています。Amazon FSxはWindowsファイルサーバーやLustreなど、特定のファイルシステムが必要な場合に活用できます。Amazon S3はオブジェクトストレージとして幅広い用途に利用されており、データのアクセス頻度に応じたストレージクラスの選択が重要です。
特に、アクセスパターンの変化が予測しにくいデータに対しては、S3 Intelligent-Tieringの適用が有効です。このストレージクラスは、アクセス頻度に応じてデータを自動的に最適な層へ移動させるため、運用負荷を増やすことなくストレージコストを削減できます。

リザーブドインスタンス(RI)やSavings Plans(SP)でベースコストを削減する

安定的に稼働するワークロードに対しては、リザーブドインスタンスやSavings Plansを活用することで、オンデマンド料金と比較して大幅な割引を受けることができます。
リザーブドインスタンスは、特定のインスタンスタイプやリージョンを1年または3年の期間で予約する仕組みです。対象のインスタンス属性(インスタンスタイプ、OS、リージョンなど)を指定する必要があるため、利用計画が明確な場合に適しています。
一方、Savings Plansは、一定期間に特定のコンピューティング使用量(金額ベース)を約束することで割引を受ける仕組みです。リザーブドインスタンスのうちコンバーティブルRIはインスタンスタイプの変更に対応していますが、Savings PlansはさらにEC2以外のサービスにも柔軟に適用できる点が特徴です。Savings Plansには、EC2・Lambda・Fargateに適用可能なCompute Savings Plans、EC2専用のEC2 Instance Savings Plans、Amazon SageMaker専用のSageMaker Savings Plans、そしてAmazon RDSなどデータベース関連サービスに適用できるDatabase Savings Plansがあり、利用するサービスの範囲に応じて選択できます。なお、Database Savings Plansは比較的新しくリリースされたプランで、データベース関連のコスト削減手段として注目されています。

AWSのコスト最適化のために必要なこと

コスト削減の施策を一度実行するだけでは、継続的な最適化は実現できません。FinOpsの考え方に基づき、コストの可視化から購入計画の管理、そして組織的な改善文化の醸成まで、仕組みとして定着させることが重要です。

AWSの利用状況とコストを可視化

コスト最適化の基盤となるのが、利用状況とコストの可視化です。AWSとの直接契約の場合、AWS Cost Explorerを使用することで、過去のコストデータの分析や将来のコスト予測を行うことができます。
AWS Budgetsを併用すれば、コストや利用状況に対して予算を設定し、閾値を超えた場合にアラートを受け取ることも可能です。さらに、コスト配分タグを適切に設計してリソースに付与することで、プロジェクト別やチーム別のコスト追跡が実現します。
ただし、パートナーを介したリセール契約ではAWS Cost Explorerが利用できない場合もあります。自社の契約形態に応じて、適切なコスト管理ツールを選定することが必要です。

リザーブドインスタンス(RI)やSavings Plans(SP)などの使用率の監視

リザーブドインスタンスやSavings Plansは、購入しただけでは最適化が完了しません。使用率が低い場合、割引効果が十分に発揮されず、結果的にコストが無駄になる可能性があります。
Datadogなどのモニタリングツールを活用すると、リザーブドインスタンスやSavings Plansの使用率を継続的に監視できます。使用率が低い場合には、インスタンスタイプの変更やプランの見直しなど、早期に対応策を講じることが大切です。

継続的な改善文化の醸成

コスト最適化は一度きりの取り組みではなく、定期的なコストレビューを通じて無駄を見つけ、改善を積み重ねていくプロセスです。AWSのWell-Architected Frameworkでも、クラウド財務管理における組織文化の重要性が強調されています。
具体的には、月次や四半期ごとのコストレビュー会議を設定し、各チームがコスト意識を持てる体制を構築することが有効です。コスト最適化に関する知識やベストプラクティスをチーム内で共有し、AWSの最新サービスや料金体系の変更にもキャッチアップできるようにしておきましょう。

AWSを自社で管理しコストを最適化する際の課題

ここまでご紹介したコスト最適化の施策を自社だけで実践しようとすると、いくつかの課題に直面することがあります。

マルチアカウント管理におけるコスト配賦・集計が複雑

AWSをマルチアカウント構成で運用している場合、コスト構造が複雑化しやすく、気づかないうちに利用料金が上昇しているケースがあります。部門やプロジェクトごとにアカウントを分離している環境では、各アカウントのコストを正確に配賦・集計する作業が煩雑になりがちです。
特に、事前にコストを正確に予測することが難しいクラウド環境では、配賦ルールの設計や集計の自動化が進んでいないと、月末の請求書を見て初めてコスト超過に気づくという事態にもなりかねません。

リザーブドインスタンス(RI)やSavings Plans(SP)の購入計画と予実管理の難易度が高い

リザーブドインスタンスやSavings Plansは、将来の利用量を予測して購入するため、需要変動が大きい場合には最適な購入量の判断が困難です。過剰に購入すれば余剰コストが発生し、不足すればオンデマンド料金が適用されて割引効果を享受できません。
さらに、購入後の予実管理も継続的に行う必要があり、ワークロードの変化に合わせて柔軟に調整する運用体制が求められます。

コスト分析・レポート作成にエンジニアの工数がかかる

AWS Cost and Usage Report(CUR)を活用すれば詳細なコストデータを取得できますが、そのデータを分析してレポートにまとめるには、専門的なスキルと相応の工数が必要です。
コスト分析やレポート作成にエンジニアの時間を割くことは、本来注力すべきコア業務(サービス開発やインフラ改善など)のリソースを圧迫します。コスト管理に関わる業務を効率化し、エンジニアの工数を本来の業務に振り向ける仕組みづくりが重要です。

FinOpsツール「Cloud illuminator」でコスト管理を自動化・最適化する

こうした課題を解決するアプローチとして注目されているのが、FinOpsの実践を支援する専用ツールの活用です。NHNテコラスが開発・提供するFinOps実践支援ツール「Cloud illuminator」は、AWSのコスト管理における課題を包括的にカバーするソリューションです。

「Cloud illuminator」とAWS標準ツールとの違い

Cloud illuminatorは、7,500件以上の支援実績を持つAWS最上位パートナーであるNHNテコラスが開発したFinOpsツールです。AWS標準のコスト管理ツールと比較して、より実務に即した分析やレポーティング機能を備えている点が特徴です。
特に、複数のAWSアカウントや複数のOrganizations環境にまたがるコスト管理を一元的に行える点は、マルチアカウント運用における大きな強みといえます。さらに、FinOps担当者の役割を代替できる機能を備えており、専任の担当者を配置しなくてもコスト最適化を推進できる可能性があります。詳細な機能比較については、サービス資料にてご確認いただけます。さらに、FinOps担当者の役割を代替できる機能を備えており、専任の担当者を配置しなくてもコスト最適化を推進できる可能性があります。
Cloud illuminatorのその他の主な特徴として、以下の点も挙げられます。
まず、画面設計がシンプルで分かりやすく、専門知識がなくても直感的に操作できる点です。次に、各機能がシームレスに連動している点で、たとえばRI・SPの有効期限切れ通知から推薦機能へと自動的につながる設計になっています。また、RI・SPの推薦機能では、リスク許容度に応じた複数の削減パターンを提示し、有効期限切れのRI・SPの買い替えもサポートします。予算管理においてはドルだけでなく円建てでの管理にも対応しており、日本企業にとって使いやすい設計です。さらに、AWSに加えてGoogle Cloudにも対応しており、マルチクラウド環境でのコスト管理を一元化できます。

「Cloud illuminator」でできること

Cloud illuminatorの主要機能は、大きく4つの領域に分かれています。

①利用状況の可視化機能
クラウドコストや使用状況を簡単に把握でき、リザーブドインスタンスやSavings Plansの管理も行えます。

②コスト最適化提案機能
使用方法や単価の観点から分析した結果をもとに、各種リザーブドインスタンスやSavings Plansの推薦、ライトサイジングや遊休リソースの通知を受け取ることができます。また、複数アカウントのコスト管理を一元的に行えるため、アカウントごとの集計や配賦にかかる手間を大幅に削減することが可能です。

③コスト異常検知機能
通常とは異なるコストの急増や異常な利用パターンを自動で検知し、アラートで通知します。検知した情報はAIによって自動的に整理・要約されて提供されるため、原因の特定と対応を迅速に行うことができます。

④継続的な改善支援機能
自動レポート作成や請求額アラート、予算作成支援機能など、コスト管理の一連のプロセスをサポートします。レポートや異常検知においては、情報をAIでまとめて提供する機能も備えており、担当者の分析工数を大幅に削減できます。

まとめ

AWSのコスト最適化は、未使用リソースの削除やインスタンスの自動停止といった即効性のある施策から、リザーブドインスタンスやSavings Plansの活用、そしてコストの可視化や継続的な改善文化の醸成まで、多角的に取り組むことが大切です。
一方で、マルチアカウント管理の複雑さや購入計画の難しさ、コスト分析にかかるエンジニアの工数など、自社だけで最適化を進めるには多くの課題が伴います。こうした課題を効率的に解決する手段として、FinOpsツールの活用は有力な選択肢です。
NHNテコラスの「Cloud illuminator」は、利用状況の可視化からコスト最適化提案、継続的な改善支援、予算作成支援まで、AWSのコスト管理を包括的にサポートします。

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