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AWSパートナーとは?ティアの違いと失敗しない選び方を導入事例つきで解説

AWSパートナーとは?ティアの違いと失敗しない選び方を導入事例つきで解説

この記事で分かること

  • AWSパートナーとは何か、どんな役割を担うのか
  • セレクト・アドバンスト・プレミアの3ティアの違い
  • コンピテンシーやMSPなど、ティア以外で確認したい認定
  • 課題別のAWSパートナー活用事例
  • AWSパートナー選定を進める5つのSTEP

AWSパートナーとは、AWSが技術力と顧客実績を確認して認定した、AWSの導入・移行・運用を支援する企業のことです。選ぶ際は、ティアの高さだけでなく、コンピテンシーやMSPなどの認定、そして自社の課題に近い導入事例があるかを確認することが重要です。この記事では、AWSパートナーの種類、ティアの違い、失敗しない選び方を、国内の導入事例とあわせて整理します。

AWSパートナーとは?AWSが認定する外部の専門企業

AWSパートナーとは、AWSの導入・移行・運用・開発を支援する企業のうち、AWSが技術力や顧客実績を確認して認定した企業です。AWSの公式パートナー制度であるAWS Partner Network(APN)に参加し、要件を満たした企業が該当します。

自社だけでAWSの設計や運用を進めるのが難しいとき、パートナーは不足する知見や工数を補う選択肢になります。一方で、認定企業は数多く、得意分野もそれぞれ異なります。だからこそ、選び方の基準を先に持っておくことが欠かせません。

提供内容で分かれるパートナーパス(サービス・ソフトウェア・ハードウェア)

パートナーは提供内容に応じて「パス」に分類され、構築や運用を依頼する場合に確認するのはサービスパスです。AWS公式のコンピテンシープログラムのページでは、主なパスが次のように整理されています。

パス 対象 確認する場面
サービスパス AWSを活用してコンサルティング、プロフェッショナル、マネージド、リセールサービスを提供する組織 設計・構築・移行・運用を依頼するとき
ソフトウェアパス AWS上で動く、またはAWSと統合されるソフトウェアを開発する組織 AWS上で動く製品を探すとき
ハードウェアパス AWSと連携するハードウェアデバイスを開発する組織 連携デバイスを探すとき

パスの区分は見直されることがあるため、最新の内容はAWS公式サイトで確認してください。

AWSパートナーに依頼する4つのメリット

AWSパートナーに依頼すると、設計・セキュリティ・運用・人材育成の4領域で、社内に不足する専門性を補えます。

  • 設計と構築:AWS Well-Architected Frameworkに沿ったレビューやアーキテクチャ設計を任せられる
  • セキュリティとガバナンス:マルチアカウント管理や統制ルールの整備を支援してもらえる
  • 運用の負荷軽減:夜間・休日を含む監視や運用代行を任せられる
  • 内製化と人材育成:トレーニングや伴走支援で社内にノウハウを残せる

AWSパートナーのティア(セレクト・アドバンスト・プレミア)の違い

AWSサービスパートナーの認定ティアは、セレクト、アドバンスト、プレミアの3段階で、プレミアが最上位です。AWS公式では、技術的な専門知識とカスタマーエクスペリエンスを示した組織を認知する仕組みとして、この3ティアを用意しています。

ティア AWS公式の位置づけ 選定時の見方(目安)
セレクト トレーニングと認証を受けた人員とともに、カスタマーエクスペリエンスを提供するパートナー 小規模〜中規模の案件で、担当者との距離感を重視する場合の候補
アドバンスト 認証を受けた技術者の強力なチームを抱え、カスタマーエクスペリエンスの実績もあるパートナー 一定の実績と技術力を確認したい案件の候補
プレミア 最上位。第三者の解説では、複数のコンピテンシー取得や大規模な支援実績が求められるとされる 大規模・長期・高い要件の案件で有力な候補

認定に必要な資格者数や実績の基準は改定されることがあります。具体的な数値は、AWS公式のパートナーサービスティアのページで最新情報を確認してください。

プレミアティアなら必ず安心、とは言い切れない理由

ティアはパートナーの信頼性を測る有力な目安ですが、自社の案件との相性まで保証するものではありません。大手企業の大規模な移行ではプレミアティアが有力な候補になる一方、中小規模の案件では、担当者との距離が近く柔軟に動ける中規模パートナーが合うケースもあります。案件の規模と支援範囲に合わせて、ティアを絞り込みの入口として使うのが現実的です。

ティア以外に確認したいAWSパートナーの認定プログラム

ティアに加えて、コンピテンシー、MSP、サービスデリバリー、サービスレディの4つを見ると、パートナーの得意分野がより具体的にわかります。

認定プログラム 何を示すか 確認する場面
コンピテンシー 特定の分野や業界における専門性と顧客実績をAWSが認める認定 移行やセキュリティ、生成AIなど、得意分野を確かめたいとき
MSP(マネージドサービスプロバイダー) 計画・設計、構築・移行、運用・サポート、自動化・最適化まで、エンドツーエンドで提供できるパートナー。第三者による監査を含む 構築後の運用まで任せたいとき
サービスデリバリー 特定のAWSサービスの導入・提供実績を認める認定(※廃止予定。下記の注記を参照) 特定のAWSサービスを使う案件のとき
サービスレディ 特定のAWSサービスと連携するパートナー製品を検証する認定(※廃止予定。下記の注記を参照) AWSと連携する製品を選ぶとき

【重要】AWS公式の発表により、「AWSサービスデリバリー」および「AWSサービスレディ」の両プログラムは2027年6月1日をもって廃止され、新規申請の受け付けはすでに終了しています。既存の認定を保有するパートナーの表示は移行期間中続く見込みですが、これから認定状況で選ぶ際は、コンピテンシーやMSPなど、引き続き新規取得できる認定を中心に確認することをおすすめします。最新の状況はAWS公式サイトでご確認ください。

たとえば運用まで含めて依頼したい場合は、MSP認定の有無が確認ポイントになります。

失敗しないAWSパートナーの選び方5つのチェックポイント

AWSパートナーを選ぶときは、導入事例、認定、支援範囲、内製化への姿勢、コストの見通しの5点を確認します。

1. 自社の課題に近い導入事例があるか

同じ課題を解決した事例があるパートナーは、進め方の見通しが立てやすくなります。たとえば、株式会社サーバーワークスが手がけた事例では、次のようなケースがあります。

  • 株式会社ヤナセ:データセンターの契約満了を機に、20カ月間で約70台のサーバーをAWSへ移行
  • 株式会社サザビーリーグIRIS:グループ約600店舗を支えるVPN基盤を、AWS上の仮想ルーターへ移行。同社の記載では、初期費用を半減し、運用コストを約3分の1に削減

物理機器のサポート終了やデータセンター契約の満了は、情報システム部門が直面しやすい課題です。自社と似た事例があるかを最初に確認しましょう。

2. 認定と資格の裏付けがあるか

AWS認定資格者の人数やティア、各種認定プログラムは、技術力を客観的に確かめる材料です。国内の例として、株式会社サーバーワークスの資料には、AWS最上位パートナーであるAWSプレミアティアサービスパートナーへの12年継続の認定が記載されています。あわせて、AWS Managed Service Provider Partner、AWS Migration Services Competency Partner、AWS生成AIコンピテンシーの取得も掲載されています。ここで見たいのは、認定の数そのものよりも、自社の課題領域と認定が重なっているかです。

3. 構築後の運用とセキュリティまで任せられるか

構築して終わりではなく、運用やセキュリティまで支援できるかで、稼働後の負荷は大きく変わります。次のような例があります。

  • 株式会社琉球銀行:AWS特化型のマネージドセキュリティサービスで、24時間365日の監視体制を実現
  • 株式会社リザーブリンク:自社監視と夜間・休日の運用代行を組み合わせたハイブリッド体制で、オブザーバビリティを向上

4. 内製化を支援してくれるか

将来的に自社で運用したい場合は、任せきりにせず自走を支援してくれるパートナーが向いています。株式会社ヤオコーの事例では、自分たちでできることは内製で行うという方針を尊重し、自走を支援してくれる点が評価されています。トレーニングや伴走支援のメニューがあるかも、あわせて確認しましょう。

5. コストの見通しと最適化の提案があるか

移行後のコスト最適化まで踏み込めるパートナーは、長期的な費用の抑制につながります。実際に、次のような成果が報告されています(いずれも各社の記載による)。

  • アムニモ株式会社:改善提案により、コストを60%削減
  • スターフェスティバル株式会社:AWS運用のトータルコストを約30%削減
  • HENNGE株式会社:分析にもとづく最適化で、当初より30%のコスト削減

課題別に見るAWSパートナー活用の導入事例

AWSパートナーの活用は、移行、ガバナンス強化、運用・セキュリティ、人材育成、生成AI活用の課題で成果が出ています。ここでは、株式会社サーバーワークスが公開している事例をもとに、課題別の活用パターンを紹介します。

オンプレミスからAWSへの移行

移行では、期限や既存構成を踏まえた計画づくりが成否を分けます。

  • TOTO株式会社:2018年から2021年の約3年間で、大部分の業務システムをAWSへ移行。障害の発生頻度が大幅に減少
  • 学校法人東北学院 東北学院大学:総合情報基盤システムをオンプレミスからAWSへ全面移行し、マルチアカウント環境も構築

マルチアカウント管理とガバナンス強化

アカウントが増えると管理が属人化しやすく、統合管理基盤とガイドラインの整備が有効です。

  • ティーエイアンドシー株式会社:AWS Organizationsでマルチアカウント基盤を構築し、管理工数を約3割削減
  • 東宝株式会社:AWS Well-Architected Frameworkに基づくアセスメントを行い、AWSガイドラインを策定
  • 八千代エンジニヤリング株式会社:AWS Control Towerによる統合管理基盤を構築し、属人的だったアカウント管理を解消

人材育成と内製化

パートナーのトレーニングで、社内のスキルを底上げした事例もあります。

  • パーソル&サーバーワークス株式会社:最大7カ月の実践的なトレーニングで、常駐型のAWSエンジニアを育成
  • AGC株式会社:情報システム部の約4分の1のメンバーがAWS認定技術者資格を取得

生成AI・RAGの活用

AWS上での生成AI活用でも、パートナーの伴走で短期間の開発に至った事例があります。

  • 株式会社東日本計算センター:AWSの生成AIサービスを使った社内文書検索アプリを3カ月で開発
  • 三菱電機エンジニアリング株式会社:AWS初心者のメンバーが、伴走支援を受けてRAGシステムを3カ月で開発

AWSパートナー選定を進める5つのSTEP

AWSパートナー選定は、目的の整理から契約前の確認まで、5つのSTEPで進めると比較しやすくなります。

STEP1:目的と範囲を整理する

まず、移行・構築・運用・内製化のうち、何を依頼したいのかを言葉にします。期限、予算感、対象システムも書き出しておくと、候補の比較がぶれません。

STEP2:候補を絞り込む

ティアと認定プログラム、対応領域をもとに、候補を絞ります。目安としては、比較しやすい3社前後です。

STEP3:導入事例を確認する

自社と業種や課題が近い事例があるかを確認します。事例の課題、対応内容、成果が具体的に書かれているかも見ましょう。

STEP4:ヒアリングとPoCで相性を見る

提案内容と担当者の技術力を確かめます。サザビーリーグIRISの事例では、パートナーが移行プランとPoCを提案し、実現性を確認しながら進めています。

STEP5:運用体制と費用を契約前に確認する

契約前に、障害時の対応範囲、問い合わせの窓口、費用の内訳を確認します。稼働後の運用まで見据えて判断しましょう。

よくある質問(FAQ)

AWSパートナーとは何ですか?

AWSパートナーとは、AWSが技術力や顧客実績を確認して認定した、AWSの導入・移行・運用・開発を支援する企業です。AWS Partner Network(APN)に参加し、要件を満たした企業が該当します。

AWSパートナーのティアはどれを選べばよいですか?

案件の規模と要件によって異なります。大規模・長期の案件では最上位のプレミアティアが有力な候補になり、小規模〜中規模の案件ではセレクトやアドバンストの企業も選択肢になります。ティアは目安として使い、導入事例と認定もあわせて確認しましょう。

AWSパートナーに依頼する費用はどのくらいですか?

費用は、案件の内容、規模、支援範囲によって大きく変わり、一律の料金はありません。複数のパートナーに同じ要件を伝えて見積もりを取り、内訳を比較することをおすすめします。

AWSパートナー企業はどこで探せますか?

AWS公式サイトのパートナー検索(AWS Partner Solutions Finder)で、地域、業種、ティア、コンピテンシーなどの条件から探せます。検索後は、各社の導入事例や認定内容も確認しましょう。

AWSパートナーに運用まで任せられますか?

任せられます。運用や監視、セキュリティ対応まで担うパートナーがあり、MSP認定の有無が確認の目安になります。夜間・休日の運用代行や24時間365日の監視体制を導入した事例もあります。

AWSパートナーは認定と事例で見極めよう

この記事のポイントは、次のとおりです。

  • AWSパートナーは、AWSが技術力と実績を確認して認定した外部の専門企業
  • ティアはセレクト・アドバンスト・プレミアの3段階で、目安として活用する
  • コンピテンシーやMSPなど、ティア以外の認定で得意分野を確かめる(サービスデリバリー/サービスレディは2027年6月1日に廃止予定で、新規申請はすでに終了)
  • 導入事例、認定、運用支援、内製化、コストの5点で比較する
  • 目的の整理からヒアリング、契約前の確認まで、5つのSTEPで進める

パートナー選びで迷ったときは、自社と近い課題を解決した事例を探すのが近道です。まずは自社が抱える課題を整理したうえで、AWS Partner Solutions Finderなどで候補を数社に絞り込み、それぞれの導入事例や認定状況を見比べてみましょう。目的がはっきりしていれば比較の軸がぶれにくく、社内での検討もスムーズに進みます。

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