クラウド移行(インフラ・DB)

AKS(Azure Kubernetes Service)とは?導入メリットや料金をわかりやすく解説

現代ではテクノロジー技術が急速に発展し、アプリケーションの動作環境を仮想的に構築できるコンテナは必要不可欠となりつつあります。しかし、Azureの利用において「もっと効率的にコンテナを運用管理する方法はないのか?」と悩みを抱えている企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、AKSの概要や導入することのメリット、料金などを詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

AKS(Azure Kubernetes Service)とは?導入メリットや料金をわかりやすく解説

クラウド移行 まるわかりガイド

AKS(Azure Kubernetes Service)とは?

AKSとは、Azure上でKubernetesが利用できるサービスのことを指します。Kubernetesとは、コンテナをデプロイや管理、スケーリングするためのオープンソフトウェアのことです。なお、コンテナは依存関係と構成がパッケージ化されたマイクロサービスのことを意味します。

また、デプロイはアプリケーションをサーバー上に展開・配置できること、スケーリングはシステムの性能・処理能力などを調整できることだと認識しておくとよいでしょう。AKSを利用することで、システムの管理やスケーリングなどのインフラ要素を考慮する必要がなくなります。

AKSを活用して、システムにかかる負荷や余分に消費される処理時間を削減することで、効率的なコンテナ運用を進められるのです。

Azureの概要については、下記の記事で解説しています。ぜひ本記事と併せてご覧ください。
Microsoft Azureとは|何ができる?入門内容からわかりやすく解説

AKSの機能

AKSの機能は大きく分けて3つあり、それぞれの内容を詳しく解説していきます。

サーバーを管理することなくAzure上でコンテナを簡単に実行できる

AKSではサーバーを管理する必要がないので、アプリケーションの開発と設計にリソースを割くことが可能です。通常であれば、情報システムを稼働・運用するために機材や設備、通信回線、ネットワーク、ソフトウェアなどを考慮する必要があります。しかしAKSの機能によって、インフラ要素を考慮する必要がないのは大きな魅力だといえるでしょう。

Azure DevOpsなどを利用した高速開発も可能

Azure DevOpsには実績のあるアジャイルツールを利用して、迅速なユーザーへの価値提供、作業の計画、追跡、相談ができる「Azure Boards」があります。また、さまざまな言語やプラットフォーム、クラウドに対応しているCI/CDを利用することで、テストやデプロイができる「Azure Pipelines」も用意されています。

その他にも、パッケージを共有できる「Azure Artifacts」やテスト時に利用できる「Azure Test Plans」なども搭載されているので、アプリケーションの高速開発が期待できるでしょう。

Azure Active Directoryを利用したセキュリティ機能も利用できる

AKSでは、Azure Active Directoryを利用したセキュリティ機能も利用できるため、ユーザーとデータの保護に役立つでしょう。主に、クラウド型とオンプレミス型のどちらでも利用できる「統合ID管理」や承認されたユーザーのみがすべてのデータにアクセスできる「IDガバナンス」などがあります。

AKSの導入メリット

AKSを導入することで、どのようなメリットを享受できるのでしょうか。特に知っておきたい3つのメリットを下記でご紹介していきます。

アプリケーション開発の高速化

AKSを導入することで、アプリケーション開発を迅速に進めることが可能です。AKSの機能を用いて、アプリケーションを自動的にコンテナ化すれば、市場に投入するまでの期間を短縮できます。市場に投入するまでの時間が短ければ、素早く自社のサービスを展開できることから、機会損失の回避につながるでしょう。

またKubernetesリソースビューやコントロールプレーンテレメトリ、ログ集計、コンテナの正常性を使用して、環境を可視化できるのも抑えておきたいポイントです。Kubernetesは便利なツールですが、実際に運用していくとなると高度な知識が必要です。

このような問題をAKSの簡略化によって克服できるため、アプリケーション開発の高速化が期待できます。

運用管理の効率化

AKSでは、管理や構築といったさまざまな機能が自動化されています。そのため、システムのメンテナンスやアップグレード、自己修復、監視、スケーリング、クラスタの作成などを行う必要がありません。

AKSによる運用管理の効率化ができる具体例を下記で5つご紹介していきます。

  • スマートな規定値を使用して開始することで、少ない数のクリックでクラスタ構成の作成できる
  • Prometheusベースの監視機能を利用することで、クラスタを容易にプロビジョニングができる
  • Azure Spotで割引された容量を使用することによって、コストを削減できる
  • サーバーレスKubernetesの使用することで、計算能力を数秒で解決できる
  • 可用性ゾーンを使用することで、可能性を向上させ、データセンターの障害からアプリケーションを保護できる

上記のようなAKSの機能を活用することで、自社にあるコンテナを効率的に運用管理できるでしょう。

セキュリティの強化

AKSを活用することで、自社のセキュリティレベルを強化できるといったメリットもあります。

AKSでは、下記のようなセキュリティ基盤を構築できます。

  • Azure Active DirectoryによるIDとアクセスのきめ細かな制御
  • Azure Policyでポットレベルのセキュリティを実現
  • 強化されたオペレーティングシステムによるシステムイメージや自動更新プログラムで、優れたセキュリティの実現
  • Azure Security Centerによる脅威の検出と修復の自動化
  • Azure Private Linkによる通信の保護
  • コンフィデンシャル コンピューティングの使用によるデータの保護

現代ではテクノロジー技術が急速に発展しているのと同時に、さまざまなウイルスが登場していたり、サイバー攻撃の手口も変化したりしています。そのため、企業はセキュリティ体制を強化しておくことが重要だといえるでしょう。

AKSの利用料金

AKSの料金体系については「仮想マシン」および関連するストレージとネットワークリソースを利用した分だけお金がかかる「従量課金制」となっています。AKSでコストが発生する場合は、下記の通りです。

ノード

まずは「オペレーティングシステム」「カテゴリ」「インスタンス」などといったノードのスペックを選択します。スペックや稼働時間に応じて料金が決定されます。

管理OSのディスク

次に、管理OSディスクの「レベル」「ディスクサイズ」を選択します。レベルであればHDDかSSD、ディスクサイズであれば枚数によって料金が決まります。

SLAで保障される稼働率

続いて、クラスタの稼働率を決定します。料金は1クラスタ、1時間あたり$0.10となっています。なお、Kubernetes APIサーバーの99.95%のアップタイムを保証し、Azureの可用性ゾーンを利用しないクラスタに対しては99.9%のアップタイムが保証されます。

サポート

サポートでは「Developer」「Standard」「Professional Direct」から選択できます。料金は、Developer<standard</standard

課金プロファイル

AKSを契約する際には「Microsoft Customer Agreement(MCA)」のライセンスプログラムの取得が必要となります。

なお、一定期間の契約によるコスト削減のオプションもあるので、契約する期間も合わせて検討するとよいでしょう。

まとめ

AKSを導入することで、アプリケーション開発の高速化が実現でき、運用管理の効率化も期待できます。また、AKSの料金についても仮想マシンと、ストレージやネットワークリソースを利用した分だけとなるので、費用対効果の高いサービスだといえるでしょう。
自社内で「もっと効率的にコンテナを運用していきたい」と考えていれば、Microsoft社が提供している「AKS」の導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。

  • fb-button
  • line-button
  • linkedin-button

無料メルマガ

RELATED SITES

関連サイト

CONTACT

サイト掲載の
お問い合わせ

TOP