クラウド移行(インフラ・DB)

バックアップサーバーをクラウド移行する際の課題と解決方法とは

バックアップは企業の情報資産を守る方法として普及しています。オンプレミスで行われることが多かったバックアップは、クラウドへの移行が進んでいます。その背景には、日々増え続けるデータや、オンプレミス+仮想マシンでの運用負荷軽減といった事情があるようです。ここでは、バックアップサーバーの目的やクラウド移行のメリット、その方法などを解説します。

バックアップサーバーをクラウド移行する際の課題と解決方法とは

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バックアップサーバーはなぜ必要か

まず、バックアップサーバーを運用する目的について整理しておきましょう。

一般的にバックアップサーバーは、2つの大きな役割を持っています。

1つ目は「有事の際の保険」という役割です。つまり、DR(Disaster Recovery=災害復旧)やBCP(Business Continuity Plan=事業継続計画)などの観点から、それまで積み上げてきた情報資産を本番環境から切り離して保護するという役割です。保険としてのバックアップサーバーが稼働することで、万が一本番環境がダメージを受けたとしても、バックアップサーバーからデータを復旧させることができます。

2つ目は、「証跡・証拠保持」としての役割です。改ざんや情報漏洩といったセキュリティインシデントの原因究明には、バックアップサーバーに保存されたデータが欠かせません。また、近年ではビッグデータ活用の源泉や個人情報保護対策、ランサムウェアからの保護など、企業活動の攻守全般にかかわる施策としてバックアップが活用されています。

バックアップサーバーの運用で得られること

バックアップサーバーの運用で得られるメリットとしては、以下2点が挙げられます。

有事のダメージを最小化する

本番環境がダウンした場合でも、バックアップサーバーからデータを復旧することでダウンタイムを短縮し、事業へのダメージを最小化することができます。また、誤ったデータの投入・更新などの理由で本番環境のデータに修正が必要とされる場合でも、バックアップサーバーを起点として最小単位のロールバックを行うことで、修正作業の手間が小さくなります。このことから、DR・BCP強化の一環として有効な施策だと考えられています。

信用力の向上

企業の信用力を高める方法は複数ありますが、そのひとつとしてバックアップサーバーの強化が挙げられます。たとえば、データ保護を積極的に進めていること、データの正確性や長期間にわたる確実な保管に配慮していることなどをアピールし、対外的な信用力を高めていくといった施策が考えられます。

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バックアップサーバー運用の種類

次に、バックアップサーバー運用の種類について解説します。一般的にバックアップサーバーは、「システムバックアップ」と「データバックアップ」という2つの方法で運用されることが多いです。また、データバックアップはさらに3つの種類に分類されます。

システムバックアップ(イメージバックアップ)

システムバックアップとは、OSを含むシステムのデータを包括的にバックアップする方式です。具体的には、OS・アプリケーションデータ、トランザクションデータに加え、ネットワークやストレージの設定、データベースソフトウェア、バックアップ時点までに適用された修正パッチなどを丸ごとイメージファイルとして保存します。

データバックアップ

データバックアップは、純粋にデータ部分のみをバックアップする方式で、主に3つの種類があります。

フルバックアップ

バックアップ実行時点で対象とされるデータのすべてを保存します。前回のフルバックアップからの増えた分も対象となるため、繰り返すごとに容量が大きくなることが特徴です。一般的には、バックアップサーバーの負荷を抑えるために週1回や月1回など、低頻度で行われることが多いでしょう。

差分バックアップ

差分バックアップでは「前回のフルバックアップ時点から増えた分」を保存します。フルバックアップよりは容量を節約できるものの、こちらも日を追うごとにデータが大きくなります。

増分バックアップ

増分バックアップは、「前回バックアップ時」から「増えた分」のみを保存する方法です。フルバックアップを起点とせず、純粋に前回からの増加分のみを対象とする点で差分バックアップと異なります。フルバックアップや差分バックアップに比べると保存データ量が一定で肥大化しにくく、なおかつ短時間で完了するという特徴を持っています。日次バックアップなど、高頻度のバックアップでは増分バックアップを行うことが多いようです。

オンプレミス環境での仮想マシンをバックアップ

また、近年は仮想マシン環境特有のバックアップもあります。オンプレミスで運用している仮想マシンをバックアップとして保存し、いつでも再現できるようにするというものです。ただし、この方法は仮想マシンソフトウェアのバージョンや仮想化ソフトウェアの管理など、バックアップとは別の作業が必要になります。

バックアップサーバーをクラウドへ移行するメリットと課題

近年は、バックアップサーバーをクラウド移行する事例が徐々に増えています。そこで、バックアップサーバーをクラウドへ移行することのメリットを紹介します。

保険としての役割が強化される

クラウド上へバックアップサーバーを設けることで、バックアップに関する場所の制限が無くなります。つまり、分散化やリモート化が進み、DR・BCPが強化されるのです。バックアップサーバーに期待される2つの役割のうち「保険」の意味合いがより強くなると言えます。

イニシャルコストが小さい

クラウドの特性から、ハードウェアやネットワーク構築の費用がほとんど必要なくなるため、オンプレミスに比べてイニシャルコストを小さくできます。また、税制面で言えば、ハードウェアを保持する必要がないため固定資産の計上が不要になり、固定資産税の節約につながる可能性もあるでしょう。

サイジングが容易

バップアップサーバー運用には、常に容量計算がつきまとうという課題がありました。特にオンプレミスの場合は、ハードウェアの調達が伴うことから厳密なサイジングが必要であり、この手間が運用負荷を大きくする原因となっています。一方、クラウドではオプション変更や契約変更でサーバー容量を気軽に変更できるため、オンプレミスに比べると簡易なサイジング計算で済むという利点があります。

バックアップサーバークラウド化の課題

ただし、バックアップサーバーのクラウド化にも課題はあります。特に以下3つは、クラウド化を妨げる要因になりやすいようです。

  • OSごとに整合性確認の方法が異なるなど、移行手続きが煩雑になりがち
  • 複数の仮想マシンソフト、DBなどに対応するソリューションが少ない
  • オンプレミスと同等以上のセキュリティ強度を維持できない場合がある

バックアップサーバークラウド化の課題は「Azure backup」で解決

これらバックアップサーバーのクラウド化に関する課題を解決する方法としては、クラウドプラットフォームから提供されるバックアップツールの活用が挙げられます。Azureでも、バックアップサーバーのクラウド化を支援する「Azure backup」を提供しています。

Azure backupの強み

Azure backupは、Azureが提供する統合バックアップソリューションです。Backup Centerによる管理の一元化をはじめとした複数の機能で、バックアップサーバーのクラウド化を支援します。

複数OSに対応した整合性確認処理

Windows ならばボリューム シャドウ コピー サービス (VSS) を、Linux ならば前後処理のスクリプトを使用して、アプリケーションの整合性を保ちつつ仮想マシンからのバックアップと復元を行います。

主要なDBに対応

Azure Virtual Machines のSQL Server や SAP HANAといった主要なDBに対応しているため、環境の制限が少ない点も特長です。

強固なセキュリティ

ロールベースのアクセス制御 (RBAC)によって、個々のユーザーの操作権限を厳密に管理することができます。また、論理削除に対しては最大14日間のバックアップを保持し、ミスによるデータ損失リスクを低下させます。さらに256ビットのAESによる暗号化など、不正アクセス対策も万全です。

バックアップレポートを活用したサイジング

バックアップサーバーのクラウド移行では、柔軟かつ動的にサイジングを行うことでコストの削減が可能です。Azure Backupでも、バックアップレポートをもとにパターン分析を行い、最適なバックアップサーバーのサイズとコストを算出できます。

まとめ

ここではバックアップサーバーの役割やバックアップの種類、クラウド移行時の課題について解説しました。バックアップサーバーは、時間の経過とともに運用コストやセキュリティリスクが増大する傾向にあります。これらを社内のリソースのみで解決できない場合は、クラウドプラットフォームが提供するバックアップサービスの活用がおすすめです。

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