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異常検知をシステム化する! AIによる解決方法を紹介

近年、AIやIoTなどの技術革新が目覚ましい速度で進歩しており、機械学習を用いた「異常検知」が大きな注目を集めています。そこで本記事では、異常検知の概要や機械学習との関係について解説するとともに、具体的な活用事例をご紹介します。生産体制に異常検知の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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異常検知とは何か?

「異常検知」とは、定義されたデータに準拠しないデータパターンを識別する技術です。異常という概念にはさまざまな意味合いが含まれますが、ここでいう異常は「正常とは異なる振る舞いをするデータ」を指します。たとえば、定義されたデータセットの構造や性質に通常ではあり得ない振る舞いが生じた場合、異常値として検出します。

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異常検知と機械学習の関係

従来の異常検知は、取得されたデータを人間が判断するというプロセスで実行されていました。しかし、近年ではAI技術による機械学習を用いた異常検知が普及しつつあります。ここでは、異常検知と機械学習の関係について見ていきましょう。

機械学習の概要を説明

「機械学習(英語表記:Machine Learning)」は、AIに内包される要素のひとつで、定義されたデータの傾向やパターンを学習し、アルゴリズムに基づいて情報を分析する技術です。AIはいわゆる「人工知能」を指す技術であり、言語理解や問題の解決、推論など、人間のもつ知能をコンピュータによる情報処理で実現することを目的とします。

そして、人間の学習能力や予測能力をコンピュータによる情報処理で実現する手法のひとつが機械学習です。機械学習にはさまざまなアルゴリズムがあり、そのひとつに、人間の脳神経系のニューロンを数理モデル化した「ニューラルネットワーク」が挙げられます。簡単にいえば、ニューラルネットワークは人間の脳の働きをコンピュータ上で再現する技術です。

このニューラルネットワークを高度化したものが、近年AI分野で大きな注目を集めている「深層学習(英語表記:Deep Learning)」です。ディープラーニングはニューラルネットワークを多層化し、より複雑かつ高度な情報処理を可能とします。つまり、「AI」を実現する計算機科学上の方法論として「機械学習」があり、その数学的モデルに「ニューラルネットワーク」や「深層学習」が内包されているといえるでしょう。

機械学習による異常検知とは

機械学習を用いた異常検知は、製造分野の不良品検知やベアリング診断、または金融機関における不正検知といった領域で活用されている技術です。たとえば、振動センサーや超音波センサーが生産設備の稼働状況を常時監視し、AIが機械学習のアルゴリズムを用いて異常値を検知します。金融機関では、金融取引データの異常値を検知することで、クレジットカードの不正利用を防止する、といった用途で機械学習が活用されています。

異常検知にAIを導入するメリット

加速する少子高齢化や生産年齢人口の減少によって、さまざまな産業で深刻化しているのが「人材不足」です。とくに製造分野の人材不足は非常に深刻で、「2020年版ものづくり白書」によると、製造業を営む中小企業の42.2%が、人手不足が重要な経営課題であると回答しています。さらに若年者の入職者数が減少傾向にあるため、人材不足と同時に熟練工のもつ技術を次世代に継承するのも困難となりつつあります。

AIを異常検知の領域に活用すれば、生産設備の保全業務や製品の検品業務などを効率化・省人化できます。また、AIは不良品検知や画像認証などの高い精度を求められる領域を得意としており、人間の目視とは比較にならないほど高精度な検品・検査が実現します。つまり、AIの機械学習を導入することで生産体制の省人化と標準化に寄与し、人材不足や技術継承問題を解消する一助にもなるでしょう。

異常検知の手法を紹介

ここでは、異常検知における具体的な手法について見ていきましょう。異常検知にはさまざまな手法が存在しますが、代表的なものとして挙げられるのが「ホテリング理論」と「k近傍法」の2つです。

手法①ホテリング手法(統計を用いる)

ホテリング理論は、統計モデルに基づく分析手法です。正規分布を通常のデータセットに設定し、そこから外れ値を異常値として検出します。客観的に異常値を検知できるというメリットがありますが、正規分布値が時系列によって変化するような場合は、正しい判断ができません。

手法②k近傍法(データを用いる)

k近傍法は、時系列データに対する距離を定め、その距離から異常値を判断する手法です。ホテリング理論では異常値を取り除けないケースにも対応できますが、情報量の多さに比例して計算と評価に時間を要するため、データ量を制限される可能性があります。

異常検知の活用事例を紹介

ここからは、AI技術を用いた異常検知の活用事例について見ていきましょう。製造業における不良品検知と設備保全、そして金融システムの不正防止に異常検知を活用している企業事例をご紹介します。

事例①製造業での不良品検知で属人化を排除

食品製造業を営むK社は、ダイスポテトの選別作業にAI技術を活用し、不良品検知の精度向上を実現した企業です。製造業は、提供する製品の品質が企業価値を左右するといっても過言ではなく、高度な品質管理体制が求められます。そして、優れた製品の生産とともに利益率を向上させるためには、いかにして歩留まり率を改善し、直行率を高めるかが重要な課題です。

K社のダイスポテトは主に幼児食に使われており、品質を担保するために熟練の作業員が不良品を省いていました。そこで同社は、100万個以上の良品データを機械学習によって定義し、その外れ値を不良品として検知するシステムを構築しました。その結果、熟練の作業員への属人化が解消され、いつ不良品が出るかといったプレッシャーからも解放されたといいます。

事例②機械故障のトラブルを予防し業務効率化

ネットワーク通信会社のA社は、AIを用いた異常検知によって、設備保全の効率化を実現した企業です。ネットワーク通信事業を展開する同社にとって、ITインフラの恒常的かつ安定的な稼働は非常に重要な経営課題といえます。そのため、同社ではサーバー機器やネットワーク機器の保守・運用管理に多大なリソースを割いていました。

こうした管理体制を効率化すべく選択したのが、故障予兆検知システムの導入です。故障予兆検知システムの導入により、機器の故障や異常の予兆をAIが読み取り、トラブルやインシデントを未然に防止する「予知保全」が可能になります。その結果A社は、それまでITインフラの保守・運用管理に投入していたリソースをコア業務に割けるようになり、経営基盤の総合的な強化を実現しました。

事例③金融システム内の異常を検知して不正防止

近年、デジタル化の浸透による負の側面として、金融取引における不正が増加傾向にあります。なかでもクレジットカードの不正利用による被害は年々増加しており、一般社団法人 日本クレジット協会が2021年3月に発表したデータによると、2020年通年の不正利用被害額は251億円となっています。このような状況を改善すべく推進されているのが、AI技術の活用による異常検知です。

たとえば、機械学習アルゴリズムに金融取引のパターンを学習させることで、通常とは異なる振る舞いを異常値として検知し、不正を防止します。また、取引形態や顧客属性などに合わせた検知モデルを作成し、インターネット取引や内部不正を検知する、といった活用も可能です。金融機関は他の業界よりも堅牢なセキュリティが求められるため、今後ますますAIの活用が普及していくと予測されます。

まとめ

異常検知は、定義されたデータと異なる振る舞いを識別する技術です。機械学習は、人間を遥かに凌駕する高精度な異常検知を可能とするため、人材不足が深刻な製造分野では欠かせない技術といえるでしょう。機械学習の活用を推進する際は、Microsoft社の「Azure Machine Learning」の導入をぜひご検討ください。

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