
AWSの導入を検討する際、「料金体系が複雑で、実際にどれくらいのコストがかかるのか分からない」と悩んでいませんか。正確な費用を把握できないままでは、予算計画も立てられず、導入に踏み切るのは難しいでしょう。そんな課題を解決するのが、AWSが公式に提供する無料の見積もりツール「AWS Pricing Calculator」です。このツールを使えば、誰でも簡単にAWSの利用料金をシミュレーションできます。
この記事で分かること
- AWS Pricing Calculatorの概要と利用するメリット
- アカウント不要で始められる基本的な使い方と操作手順
- EC2やS3など主要サービス別の具体的な見積もり方法
- 旧ツールとの違いや日本語対応などのよくある質問
- 見積もり結果を保存・共有する方法
本記事では、AWS Pricing Calculatorの基本的な使い方から、主要サービスごとの具体的な見積もり手順、見積もり結果の共有方法まで、画像を交えて分かりやすく解説します。この記事を最後まで読めば、AWSの複雑な料金計算に悩むことなく、ご自身の利用ケースに合わせた正確なコストを算出し、安心してAWSの導入計画を進められるようになります。
AWS Pricing Calculatorとは AWS利用料金を算出する公式ツール
AWS Pricing Calculatorは、Amazon Web Services(AWS)が公式に提供している、AWSサービスの利用料金を無料で見積もることができるシミュレーションツールです。 これからAWSの導入を検討している方や、既に利用中のサービス構成でコストがどの程度かかるかを事前に把握したい場合に非常に役立ちます。利用したいサービスを選択し、インスタンスタイプやストレージ容量、データ転送量といった条件を入力するだけで、月額や年間の予測コストを算出できます。 AWSアカウントがなくても誰でも利用できるため、企画段階や予算策定のフェーズで気軽にコスト感を把握するための強力なツールとなります。
複雑なAWS料金体系の課題を解決する
AWSの料金体系は、基本的に「従量課金制」を採用しており、利用した分だけ料金が発生する柔軟な仕組みです。 しかし、サービスの種類は240以上にのぼり(2024年1月時点)、それぞれに異なる課金要素(例:コンピューティング時間、ストレージ容量、データ転送量など)が設定されています。 さらに、インスタンスタイプ、リージョン(利用地域)、支払いオプション(オンデマンド、リザーブドインスタンスなど)といった多数の選択肢が組み合わさるため、手動で正確な料金を算出するのは非常に困難です。 AWS Pricing Calculatorは、これらの複雑な要素を網羅的に考慮し、利用シナリオに基づいた正確な見積もりを作成することで、予算計画の精度を高め、意図しないコスト発生のリスクを低減させるという課題を解決します。
旧ツールSimple Monthly Calculatorとの違い
AWS Pricing Calculatorが登場する以前は、「Simple Monthly Calculator」という見積もりツールが提供されていました。 AWS Pricing Calculatorはその後継ツールとして開発され、機能面や使いやすさが大幅に向上しています。 現在、Simple Monthly Calculatorはサービスを終了しており、AWS Pricing Calculatorの利用が公式に推奨されています。
主な違いは以下の通りです。
| 機能 | AWS Pricing Calculator | Simple Monthly Calculator(旧ツール) |
|---|---|---|
| 対応サービス | AWSの幅広いサービスに対応し、常に最新の状態に更新される | 対応サービスが限定的だった |
| UI(使いやすさ) | 直感的で分かりやすいインターフェース | 入力項目が分かりにくい部分があった |
| 見積もりの整理 | 「グループ」機能で見積もりを階層的に整理・管理できる | 基本的な見積もりのみ |
| 共有と保存 | 生成された一意のリンクで見積もりを簡単に共有・保存できる | 基本的な共有機能のみ |
| 透明性 | 計算の背後にあるロジックや単価が明示され、価格の透明性が高い | 詳細な計算根拠の確認がしづらかった |
AWS Pricing Calculatorを利用する3つのメリット
AWS Pricing Calculatorは、AWSの利用を検討しているすべての人にとって非常に強力なツールです。そのメリットを理解することで、より効果的にコスト管理を行うことができます。ここでは、AWS Pricing Calculatorを利用する主な3つのメリットについて詳しく解説します。
①無料で誰でもAWSの見積もりが可能
AWS Pricing Calculatorの最大のメリットの一つは、誰でも無料で利用できる点です。 AWSの導入を検討している段階で、まだAWSアカウントを持っていないユーザーでも、公式サイトにアクセスするだけで簡単に見積もりを開始できます。
これにより、エンジニアだけでなく、営業担当者やプロジェクトマネージャー、決裁者など、ITの専門知識が深くない人でも、必要なサービスのコスト感を直感的に把握することが可能です。システム構成の初期段階における予算策定や、複数の構成案を比較検討する際に、迅速かつ手軽に料金をシミュレーションできるため、意思決定のスピード向上に大きく貢献します。
②正確性の高いコストシミュレーションができる
AWSの料金体系は、サービスの組み合わせや利用するリージョン(地域)、データ転送量、支払いオプション(オンデマンド、リザーブドインスタンスなど)によって変動するため、非常に複雑です。 AWS Pricing Calculatorは、これらの詳細な条件を細かく設定できるため、非常に正確性の高いコストシミュレーションが可能です。
例えば、Amazon EC2(仮想サーバー)の見積もりでは、以下のような項目を具体的に設定できます。
- インスタンスタイプ(vCPU、メモリ)
- OS(Linux, Windowsなど)
- インスタンス数
- 支払いオプション(Savings Plans, リザーブドインスタンスなど)
- ストレージ(Amazon EBS)の容量やタイプ
これらのパラメータを自社の要件に合わせて入力することで、実際の請求額に近い見積もりを得ることができます。 これにより、予期せぬコストの発生を防ぎ、より現実的な予算計画を立てることが可能になります。
③見積もり結果の保存や共有が簡単
作成した見積もりは、その場限りで終わるわけではありません。AWS Pricing Calculatorには、見積もり結果を簡単に保存し、関係者と共有するための便利な機能が備わっています。
具体的な共有方法としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 共有リンクの発行
作成した見積もりごとに一意のURLが生成されます。 このリンクをチームメンバーや顧客に送るだけで、誰でも同じ見積もり内容を閲覧・確認できます。 - CSV形式でのエクスポート
見積もり結果をCSVファイルとしてダウンロードできます。 表計算ソフトで開いてさらに詳細な分析を加えたり、社内資料にデータを転記したりする際に便利です。 - PDF形式でのエクスポート
見積もり内容をPDFファイルとして保存できます。 稟議書や提案書への添付資料として、そのまま利用するのに適しています。
これらの機能を活用することで、社内での承認プロセスの円滑化や、顧客へのスピーディーな提案が可能となり、ビジネスチャンスを逃しません。
AWS Pricing Calculatorの基本的な使い方と手順
AWS Pricing Calculatorは、AWSが公式に提供する無料の見積もりツールです。 専門的な知識がなくても、画面の指示に従って操作するだけで、AWS利用料金のシミュレーションができます。ここでは、基本的な使い方を4つのステップに分けて解説します。
①見積もりの作成を開始する
まず、AWS Pricing Calculatorの公式サイトにアクセスし、見積もり作成の準備を始めます。
- AWS Pricing Calculatorの公式サイトにアクセスします。
- 画面右上の言語設定を「日本語」に変更します。
- 「見積もりの作成」ボタンをクリックして、新しい見積もりを開始します。
- 最初に見積もりの対象となるAWSリージョン(サービスの提供地域)を選択します。リージョンによって料金が異なるため、実際にシステムを構築する予定のリージョンを選ぶことが正確な見積もりのための重要なポイントです。
②AWSサービスを検索し設定する
次に見積もりたいAWSサービスを追加し、利用条件を設定していきます。
- 「サービスを検索」の検索ボックスに見積もりたいサービス名(例: Amazon EC2)を入力します。
- 検索結果に表示されたサービスの「設定」ボタンをクリックします。
- 各サービスの設定画面が表示されます。ここでは、利用したいスペックや容量、数量などを具体的に入力していきます。例えば、Amazon EC2の場合はOSの種類、インスタンスの数、vCPUやメモリの最小要件などを指定します。
- すべての設定が完了したら、「サービスを保存して追加」をクリックすると、見積もりに内容が反映されます。
③見積もり結果を確認する
サービスを追加すると、「マイ見積もり」の画面で自動的にコストが計算され、結果を確認できます。 ここでは、初期費用や月額費用など、費用の内訳が分かりやすく表示されます。
- 初期費用: リザーブドインスタンスの前払い料金など、最初に一度だけ発生するコストです。
- 月額費用: 毎月継続的に発生するランニングコストです。
- 12か月の合計: 年間の総費用です。
- サービスごとの内訳: 追加した各サービスにどれくらいの費用がかかるかを詳細に確認できます。
この画面で各サービスの設定を自由に変更し、要件の違いによってコストがどのように変動するかをリアルタイムでシミュレーションすることが可能です。
④見積もりを保存しエクスポートする
作成した見積もりは、後から見返したり、チームメンバーや顧客に共有したりするために保存・出力できます。
画面上部にある「保存して共有」ボタンをクリックすると、見積もり内容が保存され、一意の公開リンクが生成されます。 このリンクを知っている人であれば誰でも見積もり内容を閲覧できるため、情報共有がスムーズに行えます。
また、見積もり内容はファイルとしてエクスポートすることも可能です。 これにより、提案資料への添付やオフラインでの検討が容易になります。
| エクスポート形式 | 主な用途 |
|---|---|
| CSV | 表計算ソフトで開き、データの加工や詳細な分析を行いたい場合に適しています。 |
| 印刷やメールでの共有など、レイアウトを崩さずに配布したい場合に便利です。 PDFには見積もりへの共有リンクも含まれます。 |
【AWS 主要サービス別】 AWS Pricing Calculatorの使い方
AWS Pricing Calculatorは非常に多くのAWSサービスの見積もりに対応していますが、全てを一度に理解するのは困難です。そこで、本章では特に利用頻度が高い主要な3つのサービス、Amazon EC2、Amazon S3、Amazon RDSに絞って、具体的な見積もり手順と入力項目のポイントを解説します。これらのサービスの見積もり方法をマスターすれば、他のサービスにも応用が利くようになります。
Amazon EC2の見積もり方法
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、AWSが提供する仮想サーバーサービスです。Webサイトのホスティングやアプリケーションの実行環境として、AWS利用の基本となります。EC2の見積もりでは、サーバーのスペックや料金プランの選択が重要なポイントです。
まず、サービス検索画面で「EC2」と入力し、表示された「Amazon EC2」の「設定」ボタンをクリックします。 見積もり設定画面では、主に以下の項目を入力していきます。
- 説明とリージョンの設定
最初に見積もりの内容がわかるように「Webサーバー」といった説明を入力します。 次に、「リージョン」を選択します。リージョンによって利用料金が異なるため、実際にサービスを利用する地域を選択することが非常に重要です。 日本国内での利用を想定している場合は「アジアパシフィック (東京)」を選択しましょう。 - EC2インスタンスの仕様
次に、仮想サーバーの具体的なスペックを決定します。主な入力項目は以下の通りです。
項目 説明 入力のポイント オペレーティングシステム (OS) インスタンスで実行するOSを選択します。 LinuxやWindows Serverなどから選択します。Windows Serverはライセンス料が含まれるため、Linuxよりも高額になる傾向があります。 インスタンスタイプ CPU、メモリ、ストレージなどの性能を定義したものです。 「インスタンスタイプを検索」から、vCPUやメモリの最小要件を入力して最適なタイプを検索できます。 構成が決まっている場合は、直接インスタンス名(例: t3.micro, m5.large)を入力します。 数量 必要なインスタンスの台数を指定します。 WebサーバーとAPサーバーで分ける場合など、複数台必要な場合はその台数を入力します。 - 支払いオプションの選択
EC2の料金を大きく左右するのが支払いオプションです。ユースケースに合わせて最適なものを選択しましょう。- オンデマンド: 初期費用なしで、利用した時間分だけ支払う最も基本的なプランです。 短期的な利用や、需要が不確定な場合に適しています。
- Savings Plans: 1年または3年の契約で、特定の使用量(例: $10/時間)をコミットすることで、オンデマンド料金から大幅な割引が適用されます。柔軟性が高く、現在の主流な割引プランです。
- リザーブドインスタンス (RI): 1年または3年の契約で、特定のインスタンスタイプを予約することで割引を受けられます。Savings Plansよりも特定の用途に特化した場合に選択します。
- ストレージ (Amazon EBS) の設定
EC2インスタンスにアタッチするストレージ(Amazon Elastic Block Store)の容量とタイプを設定します。汎用的な「gp3」や高性能な「io2」などがあり、要件に応じて選択します。最低でもOSをインストールするルートボリュームが必要です。
すべての項目を入力後、「サービスを保存して追加」をクリックするとEC2の見積もりが完了します。
Amazon S3の見積もり方法
Amazon S3(Simple Storage Service)は、高い耐久性とスケーラビリティを誇るオブジェクトストレージサービスです。ウェブサイトの画像や動画の配信、バックアップデータの保存など、多岐にわたる用途で利用されます。
サービス検索画面で「S3」と入力し、「Amazon S3」の「設定」をクリックします。S3の見積もりで重要なのは、ストレージクラスとデータ転送量です。
| 項目 | 説明 | 入力のポイント |
|---|---|---|
| ストレージクラス | データのアクセス頻度や保存期間に応じて最適化された複数のストレージタイプです。 | 頻繁にアクセスするデータは「S3 Standard」、アクセス頻度が低いが即時アクセスが必要なデータは「S3 Standard-IA」、アクセスパターンが不明な場合は自動で最適化してくれる「S3 Intelligent-Tiering」などを選択します。 |
| ストレージ量 | 月間に保存するデータのおおよその総量をGB単位で入力します。 | 例えば、毎月100GBのデータを追加し、1年間保存し続ける場合、12ヶ月後には1200GB分のストレージ料金がかかります。 |
| リクエストとデータ取り出し | S3へのデータの保存(PUT)や読み出し(GET)といったリクエスト回数を入力します。 | Webサイトの画像置き場として利用する場合、アクセス数に応じたGETリクエスト数を想定して入力します。 |
| データ転送 | S3からインターネットへのデータ送信量(下り)を入力します。AWS内からS3へのデータ受信(上り)は無料です。 | 動画配信などで大量のデータがダウンロードされる場合は、この項目がコストに大きく影響します。 |
これらの情報を入力し、「サービスを保存して追加」をクリックすれば、S3の見積もりが完了します。
Amazon RDSの見積もり方法
Amazon RDS(Relational Database Service)は、MySQLやPostgreSQLなどのリレーショナルデータベースを簡単にセットアップ、運用、スケールできるマネージドサービスです。データベースの管理負荷を軽減したい場合に利用されます。
サービス検索画面で「RDS」と入力し、利用したいデータベースエンジン(例: Amazon RDS for MySQL)を選択して「設定」をクリックします。
- データベースエンジンの選択とデプロイオプション
MySQL, PostgreSQL, MariaDB, Oracle, SQL Serverなどから利用するエンジンを選択します。次に、可用性の要件に応じてデプロイオプションを選択します。 - シングルAZ配置: 1つのアベイラビリティーゾーンにDBインスタンスを配置します。開発環境やテスト環境に適しています。
- マルチAZ配置: 複数のアベイラビリティーゾーンにDBインスタンスを配置し、冗長化します。本番環境など高い可用性が求められる場合に推奨されます。
- DBインスタンスの仕様
EC2と同様に、データベースサーバーのスペックを「DBインスタンスクラス」から選択します。また、必要なインスタンスの台数を入力します。 - ストレージの設定
データベースが使用するストレージのタイプ(汎用SSDなど)と、割り当てるストレージ容量をGB単位で入力します。 - 支払いオプション
EC2と同様に、オンデマンドインスタンスとリザーブドインスタンスから選択できます。長期間の利用が見込まれる本番環境では、リザーブドインスタンスを選択することでコストを大幅に削減できます。
これらの設定を入力し、「サービスを保存して追加」をクリックすると、RDSの見積もりは完了です。 これで、主要な3サービスの料金見積もりが作成できました。次の章では、これらの見積もり結果の確認方法や共有手順について解説します。
AWS Pricing Calculatorに関するよくある質問
AWS Pricing Calculatorは日本語に対応していますか?
はい、AWS Pricing Calculatorは日本語に対応しています。 画面右上の言語設定メニューから「日本語」を選択することで、インターフェース全体が日本語表示に切り替わります。 これにより、AWSの各サービスの詳細な設定項目も日本語で確認しながら、スムーズに見積もり作業を進めることが可能です。
見積もりにAWSアカウントは必要ですか?
いいえ、AWS Pricing Calculatorの利用にAWSアカウントは必要ありません。 AWSの公式サイトにアクセスすれば、誰でも無料で利用を開始できます。 そのため、AWSの導入検討段階で、まだアカウントをお持ちでない方でも、気軽にコストのシミュレーションを行うことができます。
見積もりの結果はどのくらい正確ですか?
AWS Pricing Calculatorが算出する金額は、入力した条件に基づく理論値であり、実際の請求額と完全に一致することを保証するものではありません。 見積もりはあくまで概算であり、実際の料金は以下のような要因で変動する可能性があります。
- 実際の使用量:見積もり時の想定を超えたリソース使用量やデータ転送量。
- 為替レートの変動:料金は米ドル建てのため、為替レートによって日本円での請求額が変わります。
- 適用される税金:見積もりには消費税などの税金が含まれていません。
- 料金改定:AWSのサービス料金が変更される可能性があります。
正確なコスト管理のためには、予算策定の参考情報として見積もりを活用し、利用開始後はAWS Cost Explorerなどの公式コスト管理ツールを併用して実際の費用を継続的に監視することが重要です。
AWS Pricing Calculatorの見積もり結果を共有する方法はありますか?
はい、作成した見積もり結果は簡単に保存し、他者と共有できます。 主に2つの方法が用意されています。
- リンクでの共有:見積もりごとに一意の公開リンクを生成できます。 このリンクを共有すれば、受け取った相手は誰でも同じ見積もり内容をブラウザで確認することが可能です。
- ファイルでのエクスポート:見積もり結果をCSV形式またはPDF形式でダウンロードできます。 これにより、オフラインでの確認や、レポート・提案書への添付資料として活用できます。
これらの機能を活用することで、チーム内での情報共有や、上長への承認プロセスを円滑に進めることができます。
AWSの無料利用枠は見積もりに反映されますか?
はい、AWSの無料利用枠を見積もりに反映させることが可能です。各サービスの設定画面に見積もりに無料利用枠を考慮するオプションがあり、それを有効にすることで、無料利用枠分の料金が差し引かれた、より実態に近いコストを算出できます。 AWSの利用開始から12ヶ月間適用される無料利用枠や、期間無制限の無料利用枠など、サービスに応じた枠が計算に含まれます。 ただし、無料利用枠の条件はサービスごとに異なるため、適用される詳細な条件については公式サイトで確認することをおすすめします。
まとめ
本記事では、AWSの利用料金を事前にシミュレーションできる公式ツール「AWS Pricing Calculator」について、その概要からメリット、具体的な使い方、主要サービス別の見積もり手順までを網羅的に解説しました。複雑で分かりにくいと感じがちなAWSの料金体系も、このツールを使えば誰でも簡単かつ正確に把握できます。
この記事の重要なポイントを以下にまとめます。
- AWS Pricing Calculatorの役割: AWSの100を超えるサービスの中から、利用したいサービスの構成に基づいた月額・年額料金を算出する無料の公式ツールです。複雑な料金体系の課題を解決し、コストの透明性を高めます。
- 主なメリット: AWSアカウントがなくても無料で利用でき、最新の料金体系に基づいた精度の高い見積もりが可能です。また、作成した見積もりはURLで簡単に共有したり、CSV形式でエクスポートしたりできます。
- 基本的な使い方: 「リージョンの選択」→「サービスの検索と設定」→「見積もり結果の確認」というシンプルな手順で、直感的に操作を進めることができます。
- 実践的な活用: Amazon EC2のインスタンスタイプやAmazon S3のストレージ容量、Amazon RDSのデータベースエンジンなど、具体的な要件に応じた詳細なコストシミュレーションが可能です。
AWS Pricing Calculatorを活用することで、AWS導入における最大の懸念点であるコストの不透明性を解消し、予算に基づいた最適なインフラ構成を計画的に検討できます。事前の正確なコスト把握は、プロジェクトの成功に不可欠な要素です。
まずは、自社で導入を検討しているシステム構成を基に、AWS Pricing Calculatorで実際に見積もりを作成してみましょう。実際に手を動かしてみることで、AWS導入への具体的な一歩を踏み出すことができます。










