データ分析、データベース

Azure Data Studioとは?最新のデータ分析ツール

データ活用はビジネスと引き離すことのできない重要な要素です。企業にとって、資産となるデータを適切に管理・運用することは、ビジネスを成長させるために必須といえるでしょう。データ管理の施策として、Microsoftが開発したリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)であるSQL Serverを導入している企業は多いです。SQL Serverの管理ツールといえば、SQL Server Management Studio(以下、SSMS)が高い認知度を誇りますが、新たにリリースされたAzure Data Studioは、SSMSよりもさらに広範に使用できるクロスプラットフォームデータ分析ツールです。本記事では、Azure Data Studioの概要や特徴・SSMSとの使い分けについて解説します。

Azure Data Studioとは?最新のデータ分析ツール

データ分析の工程と関連ツールを紹介

Azure Data Studioとは

Azure Data Studioは、Windows・MacOS・Linux上で動作するクロスプラットフォームのデータ分析ツールです。オンプレミスおよびクラウド上のSQL Serverと接続し、データベースの開発や監視・トラブルシューティングを効率化できます。個人利用・商用利用ともに無料で、データベースの開発・管理、システム管理者向けに設計されています。

Azure Data Studioをインストールするには、公式サイトからそれぞれのプラットフォームに合わせたインストーラーを入手します。また、 SSMSのバージョン18.7以降は、SSMSをインストールすると自動的にAzure Data Studioもインストールされます。

Azure Data Studioをインストール後、接続するSQL Serverのアクセス権を付与します。Azure Data Studioを起動して、SQL Serverの情報を入力すれば、簡単に接続可能です。

Azure Data Studioの特徴

Azure Data Studioの特徴について解説します。

クロスプラットフォームのデータベース管理ツール

Azure Data Studioの最大の特徴は、今までWindows環境でしかできなかったSQL Serverの管理がMacOS・Linux環境でも可能となることです。クラウド化が進む近年では、企業のリソースはオンプレミス・クラウド環境に分散していることも多いでしょう。Azure Data Studioはオンプレミス・クラウドを問わず、データがどこに存在していても接続して管理ができます。

最新のエディター

Azure Data Studioでは、最新のSQLコードエディターが提供されます。Visual Studio Codeがベースとなって構築されており、キーボードに重点を置いたテキスト入力が基本です。日々の作業を容易にするための複数のタブウィンドウ・IntelliSense(入力支援機能)・キーワード補完・コードスニペット・コードナビゲーション・ソース管理などの組み込み機能が充実しています。SQLクエリの実行結果をテキスト・JSON・Excel形式で保存することも可能です。

軽量で動作が速い

Azure Data Studioは、より高機能なSSMSと比較して軽量なため、起動や操作中の動作が非常に速く快適なことも特徴です。小さいクエリを少しだけ試したい場合などにも向いています。

Azureでのバックアップおよび復元

Azure Data StudioはSQL ServerをAzureと連携することにより、Azure上でデータベースのバックアップおよび復元が可能となります。障害発生時には、セカンダリデータベースへ、迅速にフェールオーバーします。また、選択したデータベースが常に監視および管理状態に置かれるため、リスクの軽減や問題の早期解決につながります。

Azureの概要については、下記の記事で解説しています。ぜひ本記事と併せてご覧ください。
Microsoft Azureとは|何ができる?入門内容からわかりやすく解説

拡張機能が豊富

Azure Data Studioは基本的に軽量でシンプルな構成ですが、拡張機能が豊富に用意されており、必要に応じて機能をカスタマイズできます。具体的にはバックアップ・復元・エージェントジョブ管理・サーバープロファイリングなどの管理機能を拡張できます。Visual Studio Codeの拡張機能を、Azure Data Studioで使用することも可能です。ただし、VS Codeのバージョンによって互換性のないものもあります。

SSMSとの使い分け

Azure Data StudioとSSMSのそれぞれがどのような作業に適しているかについて解説します。

Azure Data Studioが適している場合

主にクエリの編集・実行を行う

Azure Data Studioは、ユーザーがSSMSの使用においてもっとも時間を費やしているクエリの編集作業に重点を置いて設計されています。VS Codeベースの最新エディターでクエリの編集・実行がシンプルかつ効率的に行なえます。

クエリ結果をグラフ化する

Azure Data Studioには、グラフビューアーという機能があります。これはSSMSにはない機能で、クエリ結果を数種類のグラフフォーマットを使用してグラフ化します。BIツールを使わなくても、その場ですぐにグラフ化し、可視化することが可能です。

統合ターミナルからsqlcmdまたはPowerShellを使用して、管理タスクを実行する

Azure Data Studioには統合ターミナルがあり、簡単なコマンドラインタスクを実行するのにウインドウを切り替えたり、既存のターミナルの状態を変更したりする必要がありません。ターミナルは追加することもでき、複数のターミナルの管理も可能です。

MacOSまたはLinux上で実行する

Azure Data StudioはMacOS、Linux上でも動作します。SSMSが存在しないMacOS・Linuxで作業する必要がある場合は、必然的にAzure Data Studioを選択します。

SSMSが適している場合

SQL Serverの全機能を管理する

SQL Serverのすべての機能を利用し、複雑な構成を管理する場合にはSSMSが必要です。テキストベースのAzure Data Studioに対し、SSMSはGUIやウィザード形式で設定できます。

セキュリティ管理を行う

ユーザー管理や脆弱性評価・セキュリティ機能の構成などの機能はAzure Data Studioには搭載されていないため、SSMSが適しています。

データベース ダイアグラム・テーブルデザイナーを使用する

データベースの構造をグラフィカル表示するデータベースダイアグラム・データベーステーブルの設計および視覚化を行うテーブルデザイナーの機能はSSMSにしかありません。

ライブクエリ統計・クライアント統計を利用する

リアルタイムでクエリの進行情報を確認できるライブクエリ統計や、アプリケーションプロファイル・ネットワーク・実行時の統計情報などを収集するクライアント統計の機能も、SSMSにしかありません。パフォーマンスを分析するにはこれらの情報が役立ちます。

まとめ

Azure Data Studioは、クロスプラットフォームのデータ分析ツールです。作業環境を選ばないため、ハイブリッド・マルチクラウド環境に分散したデータを統合管理するには最適な選択肢となるでしょう。SQL Serverをリッチに管理するには今後もSSMSが必要ですが、Azureと連携するメリットの活用や、SSMSよりも広範なデータ分析ツールとしてAzure Data Studioを導入することは非常に有効です。

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