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【2022版】開発環境のクラウド化をするメリット・デメリット!開発環境はクラウド化すべき?

開発環境のクラウド化には、多くの企業が目を向けています。クラウドサービスの普及に伴い、ビジネスにおいてクラウド移行を進める企業は多く、その利便性は業務効率化やコスト削減を考えるうえで見過ごせないものです。

しかし、いざクラウド化を進めるとなっても、クラウドとオンプレミスの違いや比較すべきポイントなどがわからなければ、環境構築に失敗してしまう可能性があります。

そこで今回は、開発環境をクラウド化するメリットとデメリットを解説していきます。

【2022版】開発環境のクラウド化をするメリット・デメリット!開発環境はクラウド化すべき?

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開発環境のクラウドとオンプレミスの違い

近年、クラウド環境の普及に伴い、ソフトウェアやシステムの開発環境もクラウド化が著しく進んでいます。そのため、従来のオンプレミスタイプを採用する多くの開発現場では、「クラウド化を本格的に検討すべきか」といった協議が積極的に行われています。

そこでまず整理しておきたいのは、開発環境の観点から見た場合のクラウドとオンプレミスの違いです。簡単に両者の違いをまとめると、以下の表のようになります。

  クラウド オンプレミス
イニシャルコスト 安いor無料 高い
ランニングコスト 月額料金などの利用料が必要 メンテナンス費用・電気代などが必要
拡張性 自由度はオンプレミスの方が上だが気軽に拡張可能 自由度は高いものの拡張に手間と費用がかかる
カスタマイズ性 ある程度限界がある コストをかければ自由にカスタマイズ可能
冗長性 高く、耐障害性に優れる 比較的低く、障害時の対策が必要
障害発生時 提供会社が対応するため自社での対応は基本不要 自社で対応
セキュリティ性 高い オンプレミスに比べると劣る

このようにクラウドとオンプレミスでは、環境の性質にさまざまな違いがあるのが特徴です。上の比較表もチェックしつつ、クラウドとオンプレミスのそれぞれの特徴やメリット、注意点の詳細を解説します。

クラウド:コスト面や拡張性などで優位

開発環境をクラウド化して整備する場合、コストはイニシャルコスト(初期費用)、ランニングコスト、どちらにおいても比較的安価に済む場合が多いです。特にイニシャルコストを大幅に抑えられるのは、クラウドの利点でしょう。運用を始める前の整備はクラウドの提供会社が担当するため、自社でその手間と費用を負担する必要はありません。

ランニングコストは、クラウドサービスの料金体系やプランによって変わってきますが、近年は、気軽に利用できる安価な月額料金のプラットフォームが多いのも確かです。

また、拡張性や冗長性の高さなどの面でも、クラウドにはオンプレミスと比べると優れている点は多いと言えます。障害発生時に対処を任せられるのも、運用におけるさまざまな手間や費用をカットするうえで利点があると考えられます。

オンプレミス:企業としての資産となる

オンプレミスの場合、やはり魅力的なのは、カスタマイズ性に優れていることやセキュリティ性が比較的高いことが挙げられるでしょう。自社にマッチする開発環境をオリジナルで整備したい場合は、やはり必要に応じて自由にカスタムができるオンプレミスにメリットがあると言えます。

また、そういった独自のシステムや環境を築くことは、企業にとって資産形成の一つになります。構築したオリジナルのシステムなどは、企業にとっては重要なIT資産になり、今後の経営活動に活かしていけるものと考えられます。

しかし、その分初期費用や維持費などは大きくかさむことも珍しくありません。保守・メンテナンスをメーカーに依存できないため、自社で人員を割く必要が出てくるのもオンプレミスにおける難点の一つになります。

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開発環境をクラウド化する5つのメリット

製品やサービスを開発するにあたって、その業務環境をクラウド移行すれば、次のようなメリットが生まれると考えられます。

    1. コストの削減につながる
    2. 開発がスムーズに行える
    3. 環境開発のレベルの差を受けない
    4. 拡張性に優れている
    5. 開発場所を選ばない

このようなメリットに目を向けながら、開発環境クラウド化の検討を進めていきましょう。では、メリットについての詳細を見ていきましょう。

1.コストの削減につながる

開発環境をクラウドベースにすれば、導入・維持両方の面でコストダウンが図れます。そのため従来の開発環境よりもコスト削減につながる可能性は高いです。

開発には多くの費用がかかります。試行錯誤を重ねる必要があれば、さらにコストはかさむものです。適切な環境を維持するためのコストを必要最小限に抑えられれば、システムやソフトウェアの開発も、はかどりやすくなるでしょう。また、導入・維持のコストを抑えられる分、開発費用により重きを置いてコストをかけられるのが利点です。

2.開発がスムーズに行える

開発環境をクラウド化すれば、開発における進捗が良くなることがメリットとして考えられるでしょう。クラウドでは、環境を構築するのに自社でその作業を負担する必要はありません。

クラウドのベンダーによって環境整備が行われるため、自分たちで必要となるハードウェアやソフトウェアを選定し導入することはないのです。このことは、開発者が開発者として、システムやソフトウェアの開発に専念しやすくなることにもつながります。

3.環境開発のレベルの差を受けない

開発環境をクラウド化すれば、開発者やチームによって分かれる開発環境の差の問題も解決できます。開発を進める際に問題となるのは、開発者やチームによって環境のスペックに差があり、そのせいで動作しないこと、バグが発生することなどが挙げられます。

例えば開発者Aのデバイスでは問題なく動作するにもかかわらず、開発者BのPCではうまく動作せず不具合がよく起こる…ということがあれば、スムーズな開発に影響を及ぼします。逐一環境が違うことを考慮しながら作業を進めるため、作業効率はどうしても落ちやすいのが特徴です。

しかし、クラウド化によって特定のスペックをデフォルトにし、すべての開発者がそのクラウド上で開発を行えるようになれば、環境に差が生まれることはありません。環境構築にあたって標準化を図ることで、最終的には開発の効率アップが望めます。

4.拡張性に優れている

クラウドの良さは、開発環境に限った話ではなく、拡張性(スケーラビリティ)の高さが挙げられます。クラウドでは、よりハイスペックの環境が必要になった場合は、設定やプランを変更するだけで比較的簡単にスケールを変えられるのが特徴です。

また、逆にコスト削減のために縮小が必要な場合も、設定やプランをダウングレードするだけなので、必要に応じて変えられるのは強いメリットになります。

一方、従来のオンプレミスの場合は、スペックを変更したい場合は、オンプレミスだからこそ自由にカスタムができるとはいえ、多くの手間がかかります。もともと構築してあったスケールからスケールアップもしくはスケールダウンをするのですから、再度設計を考えたうえで、場合によってはシステムの一時中断を余儀なくされることもあるでしょう。

5.開発場所を選ばない

開発環境をクラウド化すれば、テレワークでもよりスムーズな開発作業が進むと考えられます。開発環境のクラウド化プロジェクトは、クラウド需要が高まっている時代の流れももちろん影響していますが、2020年を境に始まったコロナ禍が、大きな影響を与えて注目を集めているのは間違いないでしょう。

クラウド上で作業を進められるのであれば、ネット接続が可能な場所であればどこでも作業が可能です。自宅だけでなく、出張先、カフェ、コワーキングスペースなどでも作業が実現するため、場所を選ばないからこその作業のしやすさにつながります。

開発環境をクラウド化する3つのデメリット

開発環境のクラウド化には多くのメリットがありますが、デメリットが伴うのも忘れてはならない問題です。環境によってはクラウド化が必ずしも正義ではなく、オンプレミスを選んだ方が良い場合も十分にあり得ます。

チェックしておきたい開発環境のクラウド化が引き起こすデメリットやリスクは次のとおりです。

    1. クラウドサービスの範囲内でしかカスタマイズできない
    2. サービスが停止した場合に乗り換えが必要
    3. ネット環境がない場所では開発できない

このようにクラウドの場合だと、自社でゼロから構築した環境ではなくクラウドサービスの提供元に依存した環境になるため、場合によってはそれが不安要素になることも考えられます。

では、それぞれのデメリットについて詳細を見ていきましょう。

1.クラウドサービスの範囲内でしかカスタマイズできない

開発環境のクラウド化をすると、基本的にクラウドサービスの範囲内でしかカスタマイズができなくなります。このようにクラウドとオンプレミスで比較した際に、クラウドはオンプレミスよりもカスタマイズ性の面で劣っていることは、よく指摘されるポイントです。

したがってスケールアップなどを考えたい場合でも、もしクラウドサービスがそのカスタマイズに対応していなければ、対応は難しくなります。これに対してオンプレミスの場合は、カスタマイズにある程度時間と手間はかかるものの、自分たちの好きなように変更が可能です。

ただ、実際のところ、クラウドはさまざまな変更に対応していることが多く、外部サービスとの連携もスムーズに行えることは珍しくありません。このため、クラウドのカスタマイズ性の低さも、できることをできる限り増やすことで解消してきていると考えられます。

2.サービスが停止した場合に乗り換えが必要

クラウド上で開発を進める際には、クラウドサービスの停止・提供終了などの万が一のパターンなども考えなければなりません。自社システムやサーバーと違い、クラウドの場合はクラウドサービスに依存しているため、もし停止や終了を迎えれば乗り換えを考える必要が出てきます。

このようなケースに困らないためには、クラウドサービスは母体の大きい大手サービスを利用するのが望ましいと考えられます。ただし、いずれにしても万が一の際に乗り換えの手間が生まれることはデメリットの一つと言えるでしょう。

3.ネット環境がない場所では開発できない

クラウド化の場合、基本的にネット環境がなければ作業を進めることはできません。したがってネット接続ができない場所にいる場合や、何らかの問題でネット接続に障害などが生じた場合は、開発作業は難しくなります。

その点、オンプレミスの場合はオフラインでも作業ができるため、ネット接続不可・障害などによる作業中断は避けられるでしょう。

開発環境をクラウド化する前にクラウドの種類のおさらい

開発環境のクラウド化を検討する際には、どのような種類があるのかをあらためて整理しておきたいところです。クラウドには主に3つの種類があります。

  • IaaS
  • PaaS
  • SaaS

これらの種類は、クラウド上で何を提供するかで利用先が変わってくるのが特徴です。では、詳細をチェックしていきましょう。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSは、イアースもしくはアイアースと呼ばれるクラウドの種類になります。主にネットワークやサーバーなどのインフラ部分を提供するクラウドです。

IaaSによって業務環境を構築すれば、従来型のオンプレミスとは異なり、クラウド上でコンピューティングリソースが利用できます。これまでITリソースの多くは自社で管理しなければなりませんでしたが、クラウドを活用すれば、業務に必要なインフラをまとめてクラウド事業者に管理してもらいつつ運用できる仕組みです。

PaaS(Platform as a Service)

PaaSは、パースと呼ばれるクラウドの種類の一つです。IaaSはインフラを形成するのに活用されるクラウドの階層でしたが、PaaSの場合は、主にシステムやアプリケーションの開発環境を主に提供する階層です。

つまりPaaSを利用すれば、自社で開発環境を構築することなく、開発にかかわるすべてをクラウド上で完結させられます。なお、PaaSではその提供事業者によって利用できるものの内容は決まってくるため、IaaSと比較するとカスタマイズ性には少々制限が出てきます。

SaaS(Software as a Service)

SaaSは、サースもしくはサーズと呼ばれるクラウド型ソフトウェアです。SaaSは一般的にいわゆる「クラウド」として認知されている階層にあたり、さまざまなサービスやソフトウェアをクラウド上で利用する際には、それはSaaSに該当します。

インターネット経由でデータやファイルの共有を行ったり、チャットツールで連絡を取る際に使用するアプリケーションは基本的にSaaSと言えます。利用可能なサービスや範囲においてはIaaSやPaaSと比べると自由度が低くなりますが、ネット接続をしてアカウントを用意すれば簡単に利用できるのがSaaSの利点と考えられます。

開発環境をクラウド化する際の注意点

開発環境のクラウド化には、さまざまな注意点もあります。オンプレミスと比較した場合のデメリットなどにも目を向けつつ、クラウド化失敗などの結果につながらないよう、次から解説する注意点をあらかじめチェックしておきましょう。

クラウドとオンプレミスとの違いについて把握する

最も重要なのは、クラウドとオンプレミスの違いについて詳細を確認することです。クラウド化することによって何が変わるのか、オンプレミスとは違う点でどのような不都合が生じるのか、細かいポイントを知ってシミュレーションすることが重要になります。

なお、オンプレミスが向いているケースとしては、複雑なカスタマイズが必要な場合です。オンプレミスは、クラウドと比較するとネット接続を前提としない分「閉じた環境」になるため、セキュリティ性も高まります。そのため、セキュリティをとにかく重視したい場合は、オンプレミスの方が開発環境として望ましいこともあります。

一方で導入・維持にかかるコストを少しでも削減したい場合や、保守・メンテナンスを自社で負担するのになかなかリソースを割けない場合などは、開発環境のクラウド化はおすすめです。その他スケーラビリティの高さなどにも目を向けつつ、どちらが向いているのかは、特徴をよく比較しながら整理していくことが大切です。

将来的にどこへ着地するのか計画を立てる

開発環境のクラウド化を図る際には、最終的な着地点や将来的なビジョンをもって計画を進めることも重要です。

開発作業をする環境は今後の業務の進めやすさや効率、コストに大きく関わってきます。事業をどのように展開していくのか、将来的な目線をもって開発環境を整えていくことが望ましいでしょう。

開発環境をクラウド化する際のおすすめサービス

開発環境のクラウド化には、上記でも触れてきたように大手と呼ばれる規模の大きいプラットフォームを活用するのがおすすめです。規模の大きいクラウドサービスであれば、いきなりサービスが終了してしまうような心配もありませんし、セキュリティ水準もしっかりしているのがポイントです。

例えばOSのWindowsで知られるMicrosoftは、Azureというクラウドサービスを展開しています。Azureの導入企業は多く、IassS・PaaSとしてできることが豊富に揃っているのが魅力的なポイントと言えるでしょう。大規模なクラウドサービスを比較検討したうえで、自社にぴったりの開発環境を構築していきましょう。

まとめ

現在では、さまざまな業務のクラウド化が進んでいます。開発環境のクラウド化もその流れの一つであり、オンプレミスと比べると利便性の高いポイントはいくつも挙げられるものです。メリットも豊富にあります。

ただ、開発環境のクラウド化を進める際には注意しなければならない点も少なくありません。従来のオンプレミスの開発環境と比べて大幅に変わる点があるため、両者の特徴やメリット・デメリットをよく比較したうえで、自社にとって適切な開発環境のあり方を模索していきましょう。

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