Azure Bot Serviceとは?AIを活用したチャットボットの作成

Azure Bot Serviceとは?AIを活用したチャットボットの作成

AIを搭載したチャットボット(chatbot)が、コンタクトセンターの問い合わせ対応を中心に、企業のカスタマーサポートサービスに浸透しています。

Azure Bot Serviceは、2016年11月に世界で初めてパブリッククラウドによるボット開発ツールとして登場しました。AzureBot Frameworkを基盤として、サーバーレスのボット構築サービスを提供しています。テンプレートを活用して、短期間でチャットボットを開発可能なソリューションです。先端的なAI機能のAzure Cognitive Servicesと連携させることによって、さらにインテリジェンスな機能を拡充できます。

ここではチャットボットとは何かという一般的な基礎知識から、Azure Bot Serviceの機能の概要を解説します。また、企業でチャットボットを活用する追加コンポーネントについても触れます。

Azure Bot Serviceとは?AIを活用したチャットボットの作成

Azure Bot Serviceを理解するための基礎知識

企業のカスタマーサポートやコンタクトセンターでは、電話やメールのほかチャットなど複数のコミュニケーションチャネルで対応しています。FAQ(問い合わせと回答)をデータベース化して効率化を図っていますが、優秀なオペレーターの育成には時間がかかり、さらに過酷な環境のため業務には負荷がかかります。

このようなときに、問い合わせの自動応答として使われるようになったのがチャットボットです。とはいえ、すべてチャットボットの自動的な応答に任せているわけではありません。多くの企業では、よくある質問をFAQのデータベースから自動的に応答させるようにして、クレームなど繊細な対応が必要になる場合には、人間のオペレーターが親身な対応をする業務の振り分けが配慮されています。

ところで、チャットボットという言葉を使いましたが、あらためてチャットボットとは何か?という基本知識を整理します。

チャットボットは、その名前の通り、チャット(chatbot)とボット(Bot)という言葉で構成されています。

第一にチャットとは、語源としてはロボットの略語で、インターネットを介してリアルタイムで対話型のコミュニケーションを行えるようにしたツールです。一般的にテキストによる短い対話ですが、ビデオチャットとして、映像でコミュニケーションができるようになりました。リアルタイムでパソコンの操作画面を共有したり、ファイルを送信したりできます。SNSの多くがチャット機能を搭載していますが、SlackやChatWorkなどのツールもよく使われます。

第二にボットとは、一定の処理を行うプログラムやアプリケーションです。セキュリティ分野では標的型攻撃やDDoSに使われるなど、悪意によるプログラムもあります。しかし、エンターテイメント分野で利用され、iPhoneのSiriもプログラムにしたがって応答する意味ではチャットボットといえます。また、Microsoftの女子高生AIりんなも基本的には同様です。

したがって、チャットボットは、あたかも人間と変わらないような対話ができるプログラムを呼びます。人工知能と同等の意味で使われることがありますが、現状では、あくまでもルールベースによるプログラムです。

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自然言語処理や深層学習の進化により、チャットボットの対話の精度が高まりました。しかしながら、特定のサポート業務などの内容を回答させるようにチューニングしたものが主で、自律的に思考したり判断したりしているわけではありません。

ボットは、ファイルの読み取りと書き込み、データベースと連動した応答やAPI の利用、一般的な計算処理などを実行できます。 ただし、多くの場合人間との対話型インターフェースを用いて、擬似的に人間的なコミュニケーションを行う目的に使われます。

Azure Bot Service の概要

チャットボットの本質は完全な人工知能というより高度化した自動化プログラムですが、企業のコンタクトセンターで頻度が高く難易度の低い問い合わせに対応する場合は、オペレーターの負荷を軽減するツールとして非常に役立ちます。

Azure Bot Serviceは、チャットボット開発をサポートするAzure Bot FrameworkのSDKとツール群、開発環境を基盤としています。現在、ボットを実装するためのライブラリとしてMicrosoft Bot Framework v4 SDKが提供され、Node.js、.NET、Pythonがサポートされています。

Azure Bot Serviceは、Bot BuilderをはじめとするSDKならびにツール類、Bot Connector、ホスト先のコンポーネントやサンプルドキュメントなどにより構成されます。

Azure Bot ServiceとMicrosoft Bot Framework v4 SDKによって、ボット開発のBot Framework SDK、エンドツーエンドの開発ワークフローに対応したBot Frameworkツール、ボットとチャネルの間の送受信を行うBot Framework Service、Azureにおけるボットの展開とチャネルの構成などの機能が提供されます。

Azure Bot Serviceの特長

Azure Bot Serviceの大きな特徴は、SDKやサンプルのテンプレートなどを使って、迅速なチャットボットの開発が可能であることです。拡張が可能であり、たとえばコンタクトセンターで基本的なボットを作成して問い合わせを削減し、利用が増加したところで、高度かつ本格的なボットに進化させることができます。

Azureの人工知能に関連したサービスAzure Cognitive Servicesを活用して、自然言語処理や音声認識と音声合成などを使ったインテリジェントなアプリケーションの開発が可能です。LUIS(Language Understanding Intelligent Service)を使うことによってチャットボットに高度な言語解析を行い、人間に近いエクスペリエンスを実現します。

Webアプリケーションに限らず、メッセンジャーなど複数のコミュニケーションチャネルで動作するチャットボットを同じコードで開発できます。複数の開発言語がサポートされているため、柔軟な実行環境が選べます。

Azureで提供されていることから、Azure Storage、Azure Cosmos DB、Azure Application Insightなどのクラウドソリューションを連携させることが可能です。PaaSとしてAzureの柔軟なスケーリング、セキュリティを含むさまざまな管理機能などを統合された環境が用意されています。

Bot Connector

Bot ConnectorのAPIによってMicrosoftのTeamsやコルタナ、Facebookなどと連携することが可能です。Azure Bot Service のサービスの一部、Bot Framework SDK で使用するライブラリとして使えます。ボットや関連サービスやコミュニケーションチャンネルの登録と管理、クライアントとサーバーAPIの提供、ポータル機能として利用状況の分析などの機能が備わっています。

Azure Bot Servicesの追加コンポーネント

Azure Bot Service およびBot Framework のコンポーネントのひとつとしてBot Framework Serviceを利用できます。ボットの開発はAzure portalで始めることができますが、C#、JavaScript、Pythonのテンプレートを使用してローカルで開発することが可能であることから利便性に優れます。

追加コンポーネントによって、チャットボットに以下のような機能を拡充できます。

LUIS (Language Understanding )

クラウドベースの自然言語処理のAPIによって、ボットによる自然言語の解釈、スペルチェック、音声の使用、ユーザーによる意図の認識を追加し、より人間に近いエクスペリエンスを提供します。

QnA Maker

FAQのナレッジベースに基づいた質疑応答の機能を追加します。ボットからQnA Makerを呼び出し、回答を受け取って、解析および解釈を必要とせずにユーザーからの質問に自動応答を行います。マルチターンプロンプトを採用しているため、質問に対して複数の対話を続けて対応可能です。また、ナレッジベースは学習によって改善できます。

ディスパッチツール

複数のLUIS とQnA Maker のナレッジベースを利用しているチャットボットで、最適なLUIS のモデルもしくはQnA Makerのナレッジベースを判断するコンポーネントです。正しいモデルを制御するためにLUIS アプリを作成します。

カードボタン

チャットボットの対話に、イメージ、ビデオ、オーディオ、ファイルなどの添付ファイルを追加します。ヒーローカードやアダプティブカードといった、高度なカードを追加することも可能です。

まとめ

チャットツールの利用が浸透することにより、カスタマーサポートの分野でチャットボットの導入が進展しました。過酷な業務のコンタクトセンターのオペレーターの負荷を軽減する目的として意義があります。しかしながら、チャットのコミュニケーションに不慣れなシニアがいること、人間の繊細な対応が顧客満足度を向上させる場合があるため、多くの企業ではチャットボットと人間のオペレーターを併用しています。

Azure Bot Serviceを適切に活用して自動化を行うことで、たとえばサポートの電話に問い合わせが集中することを回避できます。今後、音声対話型AI機能がチャットボットに浸透すれば、さらにスムーズなサポートが可能になるでしょう。

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