Azureを用いたAI活用事例 3社のダイジェスト版を業種・目的・AIで整理

Azureを用いたAI活用事例 3社のダイジェスト版を業種・目的・AIで整理

MicrosoftのWebサイトでは、さまざまな最新のAzure活用事例を掲載しています。キーワードを自由に入力し、業種や地域で絞り込んで事例を検索可能です。その中から2019年8月から2020年までのAI活用事例に焦点をあて、3社のダイジェスト版を紹介します。

ピックアップした活用事例はAzureのAIサービスとしては、それぞれAzure Machine Learning、Azure Databricks、Azure Cognitive Servicesです。複数のソリューションを組み合わせたAI活用事例もあります。

どのような業種か、AI活用の目的とAIサービスとして何を活用したのか、「業種」「目的」「AI」で整理します。

Azureを用いたAI活用事例 3社のダイジェスト版を業種・目的・AIで整理

AI活用事例1:株式会社電通国際情報サービス

1975 年に株式会社電通とゼネラル・エレクトリック・カンパニーのジョイントベンチャーとして創業したシステムインテグレーターです。「TexAIntelligence(テクサインテリジェンス)」、「DiCA」のソリューションでAzureのサービスを採用したほか、DevOpsと自動化を目的としてAzure Machine Learningを利用したAIプラットフォーム「OpTApf on Azure」を開発しました。

【業種】システムインテグレーター

金融業界と製造業界、基幹業務の支援、コミュニケーションITをドメインとするシステムインテグレーターで、2015 年頃からAI によるソリューション開発や支援を開始、以降100以上のプロジェクトを手掛けています。

2020年2月「AIトランスフォーメーションセンター」を設立。AI 製品の企画と開発を行うため、4つの事業部単位に分散していたデータサイエンティストを集結させ、全社を横断する組織体制を整備しています。

【目的】AIソリューションの効率的な開発

「AIファースト」の理念のもとに2020年5 月、社内で検証した成果の高いプロジェクトから3つの自社開発AIソリューションをリリースしました。このように自社のソリューションとしてAzureのAIサービスを組み込むとともに、社内の開発環境のプラットフォームにAIを採用してソリューション開発を効率的にすることが目的です。

【AI】Azure Machine Learningほか複数

製造業の品質保証や新商品開発を支援するTexAIntelligenceは、Azure Machine Learningのほか複数のAzureのサービスで構築されました。2次元図面を検証するDiCAは、Azure Virtual MachinesとAzure Data Science Virtual Machineを採用しています。

さらに社内のソリューション開発の負荷を軽減し、AIモデルの開発と運用を自動化するためにAIプラットフォームOpTApf on Azureを開発しました。この基盤となるのがAzure Machine Learningです。Azure Machine Learningのうち、Automated Machine Learningによってモデル開発の自動化、Azure DevOpsとともにMLOpsによって運用の自動化を行っています。

モデル作成とデータ追加による再学習、学習精度の要因分析、以前に作成したモデルとの比較、バージョンの管理、デプロイなどを自動化することによって、担当チームは売上予測や欠品予測をもとにした企画、サービスの提供などの業務に集中できるようになりました。

Microsoft Azure製品カタログ
Microsoft AI 事例大全

AI活用事例2:一般社団法人リテールAI研究会

小売業におけるAI情報の共有と実践を目的として、2017 年に発足。AIを活用できる実践的な人材育成を中心に活動しています。加盟企業は200 社を超えます。

【業種】小売業

リテールAI研究会には、さまざまな企業が加盟しています。

創業120年になる酒類と食品の総合卸、伊藤忠食品株式会社は、「デジタルテクノロジーによる売場活性化」を重視しています。取引先は全国で1,000企業になり、すべての取引先の売場に足を運んで調査をすることは困難です。これまでの分析手法では現場の課題に対応できないことがありました。

生活者をサポートするベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア商品を手掛けるユニ・チャーム株式会社は、2017 年4 月にショッパーマーケティング統括部を立ち上げました。従来のブランディングだけでなく、ショッパーの購買行動に主眼を置いたマーケティング活動に注力しています。

【目的】ビッグデータからトレンドを探ること

伊藤忠食品株式会社は、新たな手法で新しいトレンドを発掘する目的からAIサービスを採用しました。

ユニ・チャーム株式会社は ポイントカードの購買情報に個人を紐づけたID-POSによる「顧客軸での商品の絞り込み」の試みに挑戦しています。小売のデータを借りたマーケティング活動では、競合他社も同じデータを使うため、差別化として分析力が重要になります。マーケティングデータ分析の競争力強化が目的です。

【AI】Azure Databricks

Apache Sparkは優れた分析環境を提供しますが、知識ゼロから構築することはかなりハードルが高くなります。しかしAzure Databricks であればGUI による機械学習が可能になるため、初心者にもすぐに使いこなせるツールのメリットから採用に至りました。

伊藤忠食品株式会社が実施したのは、協調フィルタリングによる地域別棚割の検証です。協調フィルタリングはユーザーのデータから嗜好の類似によって推論を行います。その結果、九州地方の海産乾物の売上のビッグデータ分析により、小売の機会と課題を発見することができました。

人気がある商品カテゴリは、北九州は「わかめ・ひじき」、西九州は「昆布」、南九州は「かつお節」という地域性が判明。さらに、「購入の見込みが高いにも関わらず買われなかった商品」の存在も浮き彫りになりました。

ユニ・チャーム株式会社では、さまざまな実証実験から、クラスタリングによる商品の絞り込みを実現したことがAI活用の成果です。クラスタリングでは、類似したものをグループに分類して分析します。2018年7月、生理用品の棚で97から75に商品の種類を絞り込む実証実験を行いました。結果として、売上と利益は同等以上を維持しつつ、購入時間において4割削減、欠品率を2.3% から0.35% に減少させています。

今後はAIカメラやタブレットカードによって店舗から得られる情報を活用し、ユースケースの増加をねらいます。

AI活用事例3:株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

NTT傘下の情報通信システムインテグレーターで、グローバルなビジネスを展開し、デジタルトランスフォーメーションの加速とグループ全体の世界規模の連携に取り組んでいます。

【業種】システムインテグレーター

NTTデータグループは、2018年5月に創立30周年を迎え、「Trusted Global Innovator」というビジョンを掲げています。これまでの信頼と実績を基盤として、デジタルフォーメーションによる新たな市場創出と、質の高いサービスの提供、技術革新をめざしています。

AIは注力する事業のひとつであり、現実的な成果を出すこと、多要素技術のブレークダウンと組み立てにポイントを置き、ビジネスのAI活用を支援します。活用の領域としては、IoT、コネクテッドカー、デジタルマーケティング、ライフサイエンスの分野です。ニーズとギャップを埋めるトータルなインテグレーションを提供しています。

【目的】AIを活用した会議支援システムの構築

グローバルに事業展開しているNTTデータグループでは、海外拠点とのテレカンファレンスが毎日のように開かれます。会議は英語で行われますが、同じ英語でも国籍によって発音や表現が異なり、うまくコミュニケーションできない場合があります。

そこで音声会議支援システムを構築するために、AzureのAIサービスを採用しました。

【AI】Azure Cognitive Services

NTTデータが開発した音声会議システムでは、音声認識技術によってアプリから入力された音声をテキスト化し、結果をリアルタイムで表示、テキストを多言語に翻訳できます。入力はIP 電話や会議アプリなどが設定可能で、会話から書き起こしたテキストは利用者のPCやチャットのアプリケーション上にもリアルタイムで表示できます。

短期間で実用可能な会議システムを構築するために、さまざまな技術を比較と評価した上でCognitive Services を採用しました。高精度な学習済みモデルが用意され、Speech to Textによって簡単に音声のテキスト化が可能なことが採用のポイントです。しかし、社内会議では独自の用語が頻出します。したがって、用語を登録するだけで専用の音声認識モデルを構築可能なCustom Speech Serviceを採用して、短期間の実用化を実現しました。

Cognitive ServicesはMicrosoft TeamsやOffice 365 とシームレスに連携可能です。働き方改革としてMicrosoft Teamsなどを活用していたため、実用までの時間を短縮化できました。

今後はテレカンファレンスに限らず、会話によるすべての意思決定を迅速化するためにAIサービスの活用を考えています。

まとめ

AI活用というと未来的な印象がありますが、実はビジネス領域ではAI活用が着々と進展しています。ここで取り上げた、開発プラットフォーム、マーケティング、会議システムなどはもちろん、異常検知やカスタマーサポートなどAI活用シーンは拡がっています。最新の活用事例をぜひチェックしておきましょう。

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