人工知能の歴史について、第1次AIムーブメントから現代まで

人工知能の歴史について、第1次AIムーブメントから現代まで

かつて人類が描いた近未来は、AI(人工知能)技術の躍進によって徐々に現実のものとなっています。ビジネスでの活用も拡大しており、AIが搭載された業務システムにより、高度に事業を運営している企業も少なくありません。本記事でご紹介するのは、AIが現在に至るまでにどのような変遷を辿ってきたのか?その歴史を解説します。

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AIの概念を築いて「第1次AIムーブメント」

AIとは「Artificial Intelligence(人工的な知能)」の略です。この言葉が初めて使われたのは、今から60年以上前、1956年に米東部の都市であるダートマスで開催されたイベント「ダートマス会議」でした。これは、当時ダートマス大学に在学していたジョン・マッカーシーが主催し、その会議の提案書においてAIという言葉が初めて使われたとされています。

ジョン・マッカーシーは後のAIの第一人者として知られ、1990年にはアメリカ国家科学賞を受賞しています。ちなみに、ジョン・マッカーシーはAIに関する基本的事項について、「What is AI?」というウェブページで次のように説明しています。

It is the science and engineering of making intelligent machines, especially intelligent computer programs. It is related to the similar task of using computers to understand human intelligence, but AI does not have to confine itself to methods that are biologically observable.

知的な機械、特に、知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術です。人の知能を理解するためにコンピュータを使うことと関係がありますが、自然界の生物が行っている知的手段だけに研究対象を限定することはありません。

推論と探求

AIの第1次ムーブメントでは、AIは実現可能な概念であるという楽観的展望から、推論と探求が繰り返された時代です。推論とは人間の思考工程を、記号を使って表現する試みです。探求は解き方をパターン分けし、目的となる条件を探すためのプロセスのことです。

例えば、迷路を解くときには指やペン、目視によって道筋を辿り、行き止まりを避けてゴールを目指します。一方、コンピュータは分かれ道があったら、右へ曲がったら、行き止まりがあったら、といった具合にパターン分けを行い、この単純作業を延々と繰り返して正解となる答えを導きます。この作業により、AIは人間には不可能なレベルでのパターン分けを瞬時に行い、難しい迷路を人間よりも早く解くことが可能になります。

AIの限界

1960年代に実用化を進めようとしたAIは、迷路やパズルなどの難しい問題を、コンピュータを使って解けるようになります。ところが、これらの問題は予めルールが決められた中で次の一手を探すものであり、人間が日頃直面するような問題の解決には使えません。

コンピュータを用いて難しい問題(数学的な)を解いたり、チェスや将棋で人間に勝利したりするといった作業は案外簡単なものでした。しかし、現実世界で問題を解決することは難しいという事実が露呈し、AIへの失望感が増していったことも事実です。

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AI研究が息を吹き返す「第2次AIムーブメント」

失望感が増していたAIも1980年代に入ると徐々に息を吹き返していきます。そこで盛んに行われたのが、「コンピュータに知識を入れる」という研究です。そこで注目されたのが「エキスパートシステム」と呼ばれるコンピュータです。

これは専門分野の知識を大量に取り込み、第一次AIムーブメントで誕生した推論を行うことで、コンピュータが専門家のように振る舞うようになるプログラムのことです。コンピュータに大量の専門情報を採り入れ、「もしも~なら」という条件により特定の答えを返すようなプログラムを作ります。そうした条件式を無数に作ることで、コンピュータに質問を与えると答えが返ってくるといった専門的なコンピュータが実現します。

エキスパートシステムは金融・生産・会計・人事・医療などさまざまな分野で活用され、1980年代には米国大企業の大半が何らかの形で日常業務にこのプログラムを使用していたといいます。

AI研究は再度下火に

エキスパートシステムの開発・運用が進むたびに、情報量が膨大になり、ルールが数千数万と重なることで矛盾が起きたり一貫性にかけたりするような現象が起き始めます。また、医療現場で例えると「体がだるい」「熱っぽい」といった曖昧な症状に対して判断を下すことが難しく、人間の常識レベルの知識をコンピュータに採り入れることが、意外と難しいことが判明します。

一部では人間の持つすべての一般常識をコンピュータに搭載しようというプロジェクトが開始しました。例えば、「東京は日本の首都」といった一般常識をひたすら入力し、コンピュータを賢くしようとする取り組みです。そのうち、30年以上経過した今でもプロジェクトが続いているところもあり、人間が持つ知識をすべてコンピュータに取り込むことの難しさが露呈します。そしてAI研究は、再び冬の時代を迎えたのです。

現代のAI活用に続く「第3次AIムーブメント」

AI研究が3度目の復活を遂げるきっかけになったのが、「機械学習(Machine Learning:マシン・ラーニング)」です。学習とはいわば「分ける処理」のことです。膨大なデータも上手く分けて理解できれば、適切な行動へ移すことができます。目の前にある物体は何なのか?その投資先は正しいのか?など、こうした判断は上手く分けることで正解となる答えを導き出せます。

機械学習はコンピュータが大量のデータを処理しながら、上手い分け方を学習するAIを指します。過去のデータを分析すれば、未来の判断や予測が可能になります。

また、現代社会のAIムーブメントを引き起こしたのが「深層学習(Deep Learning:ディープ・ラーニング)」です。これは機械学習の一種ですが、AI研究が賢いコンピュータを作るのではなく、コンピュータ自身が独自に賢くなっていくことでより高度な知能を持ったAIが誕生します。

この深層学習を使って開発されたAIが、猫の写真を見て自ら「これは猫だ」と判断したことが過去に話題になりました。また、深層学習の登場により10年以上はかかるとされていた囲碁AIの勝利はすでに達成されました。

現代社会においてAIの肥料となるIoTなどのデータが膨大に増え続けたり、ビッグデータ処理技術の発展であったり、ネットワークの進化であったり、画像処理技術の発展であったりとあらゆるテクノロジーの発展が重なり現代社会においてのAIが成り立っているのです。

今後のAI研究に注目

AIは今もなお、研究が盛んに行われています。我々のビジネスにも私生活にも、AIは広く浸透しています。今後のAI研究がどうなっていくのか?その点に着目した上で自社ビジネスにどう採り入れるかをぜひ検討してみてください。

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