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AWS Direct Connectの料金体系を徹底解説!コストを抑える接続方法とは

AWS Direct Connectの料金体系を徹底解説!コストを抑える接続方法とは

AWSへの安定した専用線接続を実現するAWS Direct Connectは、セキュリティや通信品質に優れる反面、ポート使用料やデータ転送料といった料金体系が複雑になりがちです。導入後に想定外のコストが発生しないよう、事前に費用の内訳や計算方法を正しく理解しておくことが重要です。本記事では、接続タイプごとの料金シミュレーションや、コストを最小限に抑えるためのプラン選定基準について、具体的な事例を交えて解説します。

この記事で分かること

  • AWS Direct Connectの料金体系と計算方法
  • ケース別の具体的な月額費用シミュレーション
  • コストを抑える最適な接続プランの選び方
  • VPN接続からの切り替えタイミングと導入手順

AWS Direct Connect導入前に知っておくべき料金の基本

AWS Direct Connect(ダイレクトコネクト)を導入する際、ネットワーク設計と同じくらい重要になるのがコストの試算です。インターネットVPNとは異なり、物理的な専用線を利用するため、料金体系は「AWSに支払う費用」と「回線事業者やデータセンターに支払う費用」の2つに大別されます。

予算超過を防ぐためには、接続ポートの単価やデータ転送量に応じた従量課金の仕組みを正しく理解しておく必要があります。

初期費用と月額費用の内訳を理解する

AWS Direct Connectを利用するために必要なコストは、大きく分けて「初期費用」と「月額費用」の2つです。さらに月額費用は、固定費となる「ポート使用料」と、変動費となる「データ転送料」で構成されています。

まず、全体像を把握するために以下の表で費用の内訳を確認しましょう。

費用項目 支払先 課金体系 備考
初期導入費 回線事業者
データセンター
一括払い 物理的な回線引き込み工事や構内配線にかかる費用です。AWS側への初期費用は通常発生しません。
ポート使用料 AWS 時間単位の固定費 接続ポートを確保している時間に対して課金されます。通信の有無に関わらず発生します。
データ転送料 AWS 従量課金 AWSからオンプレミス側へ送信されるデータ量(アウトバウンド)に応じて課金されます。
回線利用料 回線事業者 月額固定費 通信キャリアが提供する専用線サービスの利用料金です。帯域幅や距離により異なります。

ここで特に注意が必要なのが、AWSへの支払いとなる「ポート使用料」と「データ転送料」です。

ポート使用料(固定費)

ポート使用料は、AWS Direct Connectの接続タイプ(専用接続またはホスト型接続)と帯域幅によって単価が決定されます。実際にデータ通信を行っていなくても、接続が確立されている時間(ポートアワー)に対して料金が発生するため、実質的な固定費として計算する必要があります。

データ転送料(変動費)

AWSへのデータアップロード(インバウンド通信)は無料ですが、AWSからオンプレミス環境へのデータダウンロード(アウトバウンド通信)には料金がかかります。バックアップ用途などで大量のデータをオンプレミスに戻す運用がある場合、この変動費が想定以上に膨らむ可能性があります。

  • インバウンド(オンプレミス → AWS):無料
  • アウトバウンド(AWS → オンプレミス):従量課金(GB単位)

リージョンによるデータ転送料金単価の違い

AWSのデータ転送料金は、利用するリージョン(データセンターの場所)によって単価が異なります。一般的に、米国や欧州のリージョンと比較して、アジアパシフィック(東京や大阪など)のリージョンは料金が高めに設定されている傾向があります。

例えば、海外の拠点からAWSを利用する場合や、災害対策(DR)のために海外リージョンを使用する場合は、その地域の料金単価を適用して見積もりを行う必要があります。以下は、主要なリージョン間での料金傾向の比較です。

リージョン 料金傾向 想定されるユースケース
米国東部(バージニア北部) 安価 グローバルサービスのメイン拠点、コスト重視のバックアップ先
アジアパシフィック(東京) 標準~やや高価 日本国内向けサービスの低遅延接続、国内法規制への対応
南米(サンパウロ) 高価 南米地域へのサービス展開(コストへの注意が必要)

また、データ転送料金には「ボリュームディスカウント」が適用されます。月間のデータ転送量が増えれば増えるほど、GBあたりの単価は安くなる階段状の料金設定になっています。

正確な見積もりを行うためには、AWS Direct Connect の料金ページで最新の単価を確認し、自社の想定トラフィック量と照らし合わせることが不可欠です。

  • 利用するリージョンのGB単価を確認する
  • 月間の想定転送量がボリュームディスカウントの閾値を超えるか確認する
  • Direct Connect Gatewayを利用して複数リージョンをまたぐ場合の経路を確認する

次章では、これらの料金要素を踏まえた上で、具体的な企業規模やユースケースに合わせた料金シミュレーションを行います。

具体的なケース別AWS Direct Connect料金シミュレーション

AWS Direct Connect(ダイレクトコネクト)の導入を検討する際、最も気になるのが実際の運用コストです。料金は「ポート使用料」と「データ転送料(アウトバウンド)」の2つがAWSからの請求対象となりますが、選択する接続方式やデータ量によって金額は大きく変動します。

ここでは、日本国内(東京リージョン)を利用する場合を想定し、小規模利用と大規模利用の2つのパターンで月額料金のシミュレーションを行います。なお、料金単価はAWS公式の価格(執筆時点)を参考に、1ドル=150円換算の概算で算出しています。

小規模オフィスからAWSへの接続事例と見積もり

まずは、社内システムの一部をAWSへ移行し、本社オフィスとAWSを専用線で結ぶケースです。大容量のデータ転送は発生せず、安定した通信環境を安価に確保したいというニーズを想定しています。

  • 接続方式:ホスト型接続(APNパートナー経由)
  • 帯域幅:50Mbps
  • データ転送量(アウト):1TB/月
  • 稼働時間:24時間365日(730時間/月)

このケースでは、物理的な回線を専有する「専用接続」ではなく、パートナー企業が提供する回線を論理的に分割して利用する「ホスト型接続」を選択することで、ポート使用料を大幅に抑えることが可能です。

項目 単価(東京リージョン) 数量・単位 月額概算(USD)
ポート使用料(50Mbps) $0.030/時間 730時間 $21.90
データ転送料(アウト) $0.114/GB 1,000GB (1TB) $114.00
データ転送料(イン) $0.000/GB 無制限 $0.00
AWS利用料 合計 $135.90

上記のAWS利用料(約20,385円)に加え、実際に接続するためには回線事業者やAPNパートナーへ支払う「回線利用料」や「接続サービス料」が別途発生します。小規模な接続の場合、AWSへの支払いよりもパートナー企業への支払いがコストの大部分を占めるケースが一般的です。

大規模データセンターとの冗長構成事例と見積もり

次に、オンプレミスのデータセンターとAWSを広帯域で接続し、ミッションクリティカルな基幹システムを運用するケースです。可用性を高めるために回線を二重化(冗長化)し、大量のデータをやり取りする状況を想定します。

  • 接続方式:専用接続(Dedicated Connection)
  • 構成:1Gbps接続 × 2本(冗長構成)
  • データ転送量(アウト):10TB/月
  • 稼働時間:24時間365日(730時間/月)

専用接続の場合、ポート使用料は帯域幅ごとに固定されています。冗長構成をとる場合は2つのポートを確保するため、ポート料金は単純に2倍となりますが、データ転送量は利用した総量に対して課金されるため、回線数によって倍増することはありません。

項目 単価(東京リージョン) 数量・単位 月額概算(USD)
ポート使用料(1Gbps) $0.300/時間 1,460時間(2ポート分) $438.00
データ転送料(アウト) $0.114/GB 10,000GB (10TB) $1,140.00
データ転送料(イン) $0.000/GB 無制限 $0.00
AWS利用料 合計 $1,578.00

この構成でのAWS利用料は月額約236,700円となります。これに加え、データセンター内での構内接続料(クロスコネクト費用)や、拠点間の物理回線費用が別途必要です。

データ転送量がさらに増え、月間数十TBを超えるような規模になると、ボリュームディスカウントが適用され、GBあたりの単価が安くなる可能性があります。コスト最適化のためには、ポート料金だけでなくデータ転送量の予測精度を高めることが重要です。

コストを抑えるための最適な接続プランの選び方

AWS Direct Connectのコストを最適化するためには、利用する帯域幅や接続構成に応じた適切なプラン選定が不可欠です。要件に対して過剰なスペックの接続方式を選んでしまうと、毎月のポート使用料がかさむ原因となります。ここでは、コストパフォーマンスを最大化するための具体的な選定基準と、構成上の工夫について解説します。

1Gbps未満の接続ならホスト型接続を検討する

AWS Direct Connectには、大きく分けて「専有型接続(Dedicated Connection)」と「ホスト型接続(Hosted Connection)」の2種類があります。コストを抑える上で最も重要な判断基準となるのが、必要な帯域幅です。

専有型接続は、AWSの物理ポートを1ユーザーが占有する形式で、1Gbps、10Gbps、または100Gbpsのポート速度が基本となります。一方、ホスト型接続はAWSパートナー(APNパートナー)が確保している回線の一部を論理的に分割して利用する形式です。

もし、自社の要件が50Mbpsから500Mbps程度の帯域で十分な場合、専有型接続を選ぶと1Gbps分のポート使用料が発生するため、コスト効率が悪くなります。1Gbps未満の帯域幅で十分な場合は、より安価なホスト型接続を選択することで、固定費であるポート使用料を大幅に削減できます。

それぞれの接続方式の違いを整理すると以下のようになります。

比較項目 専有型接続 (Dedicated) ホスト型接続 (Hosted)
ポート帯域幅 1Gbps / 10Gbps / 100Gbps 50Mbps ~ 10Gbps
物理ポートの占有 占有する パートナーと共有
コスト傾向 高(ポート単価が高い) 低(必要な帯域分のみ支払う)
推奨ケース 大規模システム、コンプライアンス要件で物理専有が必要な場合 中小規模オフィス、コスト重視、1Gbps未満の利用

ホスト型接続を利用する場合は、APNパートナーとの契約が必要になりますが、多くのパートナーが柔軟な料金プランを提供しています。まずは現在のトラフィック量を測定し、本当に1Gbps以上の帯域が必要かどうかを見極めることが、コスト削減の第一歩です。

データ転送量が多い場合のDirect Connect Gateway活用

複数のVPC(Virtual Private Cloud)を利用している環境において、データ転送量が多い場合にコスト削減の鍵となるのが「AWS Direct Connect Gateway」の活用です。

複数のVPCとオンプレミス環境を接続する場合、構成によっては「AWS Transit Gateway」を利用するケースがあります。Transit Gatewayはハブアンドスポーク型のネットワーク構築に非常に便利ですが、接続アタッチメント料金に加え、経由するデータ量に応じたデータ処理料金が発生します。データ転送量が多ければ多いほど、この処理料金は無視できない金額になります。

一方で、Direct Connect Gatewayは利用自体に追加料金がかかりません。オンプレミスと複数のVPCを接続する際、Transit Gatewayを経由せずにDirect Connect Gatewayで直接ルーティングを行う構成が取れるのであれば、Transit Gatewayのデータ処理料金を回避し、コストを抑えることが可能です。

Direct Connect Gatewayを活用すべきシチュエーションは以下の通りです。

  • 同一リージョン、または異なるリージョンにある複数のVPCと接続したい場合
  • VPC間の通信(Transitive Routing)が不要で、オンプレミス対VPCの通信が主である場合
  • Transit Gatewayのデータ処理コスト(GBあたりの課金)を削減したい場合

ただし、Direct Connect Gateway単体ではVPC同士の通信(VPC AからVPC Bへの通信など)はサポートされていません。VPC間通信が必須要件でない、あるいはその通信量が少ない場合は、高価なTransit GatewayではなくDirect Connect Gatewayを中心に据えたネットワーク設計を行うことで、ランニングコストを最適化できます。

詳細な料金体系や最新の単価については、AWS公式サイトの情報を参照して見積もりを行うことを推奨します。
AWS Direct Connect の料金

AWS Direct Connect導入の流れと注意点

AWS Direct Connectの導入は、単にAWSマネジメントコンソール上で設定を行うだけでなく、物理的な回線の手配やデータセンター内での配線作業など、オフラインでの調整が大きなウェイトを占めます。計画から開通までの全体像を把握し、適切な順序で手続きを進めることが、遅延なくプロジェクトを完了させるための鍵となります。

AWSマネジメントコンソールでの申請手順

導入プロセスは、接続タイプ(専有型またはホスト型)によって手順が異なりますが、ここでは一般的な「専有型接続(Dedicated Connection)」を例に、コンソール上での操作フローを解説します。ホスト型の場合は、APNパートナー側で初期設定が行われ、利用者はコンソール上で「接続の承認」を行う流れが一般的です。

  1. 接続の注文(Connection Request)
    AWSマネジメントコンソールの「Direct Connect」メニューから「接続を作成」を選択します。利用するリージョン、接続場所(Direct Connectロケーション)、ポート速度(1Gbpsまたは10Gbps)、およびプロバイダー情報を入力してリクエストを作成します。
  2. LOA-CFAのダウンロード
    リクエストがAWSによって処理されると(通常72時間以内)、コンソール上で「LOA-CFA(Letter of Authorization and Connecting Facility Assignment)」というPDFドキュメントがダウンロード可能になります。これは、データセンター内で物理的なケーブル接続を行うための許可証兼指示書です。
  3. 仮想インターフェイス(VIF)の作成
    物理接続が確立された後、論理的なネットワーク設定を行います。接続する対象に応じて「プライベートVIF(VPCへの接続)」「パブリックVIF(AWSパブリックサービスへの接続)」「トランジットVIF(Direct Connect Gateway経由での接続)」のいずれかを選択し、VLAN IDやBGPのパラメータを設定します。

特にBGP(Border Gateway Protocol)の設定においては、自社ルーター側のAS番号(ASN)とAWS側のASNが重複しないよう注意が必要です。また、冗長構成をとる場合は、これらの手順を2系統分行う必要があります。

回線事業者およびAPNパートナーとの調整事項

AWS Direct Connectを利用するためには、AWSのロケーションまで物理的に回線を引く必要があります。この区間はAWSの管轄外となるため、通信キャリアやAPN(AWS Partner Network)パートナーとの密接な連携が不可欠です。

関係者が多岐にわたるため、誰が何を担当するのかを明確にしておくことがトラブル防止につながります。主な役割分担は以下の通りです。

担当項目 ユーザー(自社)の役割 回線事業者・パートナーの役割
回線契約 要件定義(帯域、冗長化)と発注 回線設計、提供、保守
構内配線 LOA-CFAの提出、データセンターへの入館申請 クロスコネクト(構内配線)の敷設作業
ルーター設定 自社側ルーター(CPE)の調達とBGP設定 (マネージドサービスの場合)ルーター提供と設定代行

構内配線(クロスコネクト)とLOA-CFAの取り扱い

導入プロセスで最も躓きやすいのが、データセンター内での物理結線(クロスコネクト)の手続きです。AWSから発行されたLOA-CFAは、必ず回線事業者またはデータセンター事業者に速やかに共有してください。

LOA-CFAには有効期限(発行から90日間)が設定されています。もし回線工事の調整が長引き、有効期限が切れてしまった場合は、コンソールから再発行の手続きが必要となり、ポートの確保状況によっては再割り当てができないリスクも生じます。スムーズな連携のために、以下の点を確認リストとして活用してください。

  • LOA-CFAをダウンロードしたら、即座に回線事業者の担当者へメール等で送付したか
  • データセンター事業者に対し、クロスコネクトの発注(工事依頼)を行ったか
  • ルーターの光ファイバー規格(シングルモード等)とコネクタ形状は適合しているか
  • 冗長構成の場合、異なるラックやパッチパネルを経由するよう指示が出せているか

導入完了までの標準的なリードタイム

申請から開通までの期間は、既存の設備環境によって大きく異なります。すでにAWS Direct Connectロケーションとなっているデータセンター(EquinixやAT Tokyoなど)に自社ラックがある場合は、数日〜2週間程度で開通可能です。

一方、自社オフィスや遠隔地のデータセンターから専用線を新規に敷設して接続する場合は、回線の引き込み調査や工事に時間がかかるため、最低でも1.5ヶ月〜3ヶ月程度のリードタイムを見込んでおく必要があります。特に年度末などの繁忙期は回線事業者の工事枠が埋まりやすいため、余裕を持ったスケジュール策定が重要です。

詳細な接続要件やパートナー選定については、AWSの公式ドキュメントもあわせてご参照ください。
AWS Direct Connect ユーザーガイド

AWS Direct Connectに関するよくある質問

AWS Direct Connect(ダイレクトコネクト)の導入を検討する際、コストや技術要件、契約形態について多くの疑問が生じます。ここでは、導入前によく寄せられる質問とその回答をまとめました。

VPN接続からDirect Connectへ切り替えるタイミングはいつですか?

インターネットVPNから専用線接続であるAWS Direct Connectへ切り替える主なタイミングは、通信品質の安定性やセキュリティ要件が厳しくなった段階です。インターネット回線はベストエフォート型であるため、時間帯によって通信速度が低下したり、遅延(レイテンシー)が発生したりする可能性があります。

具体的には、以下のような要件が発生した際が切り替えの目安となります。

  • 業務システムやデータベース連携において、常に一定の通信速度と低遅延が求められる場合
  • 機密性の高いデータを扱うため、インターネットを経由しない閉域網での接続が必須となる場合
  • 月間のデータ転送量が非常に多く、インターネット経由の転送料金よりも専用線の転送単価の方がコストメリットが出る場合

特に、基幹システムのクラウド移行やハイブリッドクラウド環境の構築においては、接続の安定性とセキュリティを担保するためにDirect Connectの利用が推奨されます。

AWS Direct Connectの料金見積もりはどうすればいいですか?

料金の見積もりには、AWS公式が提供している「AWS Pricing Calculator」を利用するのが最も確実です。このツールを使用することで、ポート速度や予想されるデータ転送量、リージョンなどを入力し、月額費用の概算を算出できます。

見積もりを作成する際は、以下の2つの要素を分けて考える必要があります。

  • ポート時間料金:接続するポートの容量(1Gbps、10Gbpsなど)と利用時間に基づく固定費に近い費用
  • データ転送料金:AWSからオンプレミス側へ送信されるデータ量に基づく従量課金費用

これらに加えて、APN(AWSパートナーネットワーク)パートナー経由で接続する場合は、パートナー企業に支払う回線費用や接続料が別途必要になるため、併せて見積もりを取得してください。計算ツールは以下のリンクから利用可能です。

AWS Pricing Calculator

冗長構成をとる場合料金は2倍になりますか?

冗長構成をとる場合、すべての料金が単純に2倍になるわけではありません。AWS Direct Connectの料金構造は「ポート利用料」と「データ転送料」に分かれているため、それぞれの計算方法が異なります。

物理的な接続ポートが増えるためポート時間料金は増加しますが、データ転送料金は実際に流れたデータ量に対して課金されるため、経路が2つになっても総転送量が変わらなければ料金は大きく変動しません。

料金項目 冗長構成時のコスト変化 備考
ポート時間料金 2倍になる 接続ポートが2つになるため、それぞれのポートに対して課金されます。
データ転送料金 変わらない(総量が同じ場合) どの回線を通っても、AWSから外に出たデータ総量で計算されます。

ただし、信頼性を高めるために異なるロケーション(データセンター)を経由する場合など、回線事業者側の費用は構成に応じて変動するため注意が必要です。

Direct Connectを利用するのに専用ルーターは必要ですか?

はい、AWS Direct Connectを利用するためには、特定の要件を満たすルーターが必要です。AWS側との接続には標準的なBGP(Border Gateway Protocol)を使用するため、BGPに対応したルーターを用意する必要があります。

また、接続にはVLAN(IEEE 802.1Q)によるタグ付けが必要です。物理的なルーター機器を用意し、自社データセンターやコロケーション施設に設置するか、APNパートナーが提供するマネージドサービス(ルーター機能込みの接続サービス)を利用する方法があります。

個人でもAWS Direct Connectを契約することは可能ですか?

技術的および契約上は、AWSアカウントを持っていれば個人でもDirect Connectを申し込むこと自体は不可能ではありません。しかし、現実的には個人利用のハードルは極めて高いと言えます。

Direct Connectを利用するには、AWSのDirect Connectロケーション(指定のデータセンター)まで物理的な回線を引き込むか、APNパートナーの専用線サービスを契約する必要があります。これには高額な初期費用や月額費用、専門的なネットワーク機器の運用知識が必要です。

そのため、個人開発レベルであれば、まずは手軽に導入できるAWS Site-to-Site VPNの利用を検討するのが一般的です。

まとめ

AWS Direct Connectは、専用線による安定した通信環境とセキュリティを実現する一方で、ポート使用料とデータ転送料からなる料金体系を正しく理解することが重要です。

本記事の要点は以下の通りです。

  • 料金は「ポート使用料」とAWSからの「データアウト転送料」で決まる
  • 1Gbps未満の利用なら、APNパートナー経由の「ホスト型接続」でコストを抑制可能
  • 冗長構成や大規模利用時は、要件に応じた詳細なシミュレーションが必要

最適なプランを選べば、コストを抑えつつ高品質なクラウド接続が可能になります。まずはAWS公式の計算ツールで、概算の見積もりから始めてみてはいかがでしょうか。

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