クラウド移行(インフラ・DB)

IaaS, PaaS, SaaSそれぞれの違いをわかりやすく解説

「クラウド(クラウド・コンピューティング)」という言葉が浸透し始めたのは2000年代初頭のことです。それから10年以上が経過し、今ではすっかり馴染みのものになりました。ネットユーザーなら誰しもがクラウドに触れていますし、日々ビジネスに忙しい皆さんは2個や3個のクラウドサービスを利用することが当たり前になっていますね。

本稿ではクラウドの分類について、その違いをわかりやすく解説しています。クラウドは日常的に触れるサービスだけど、どんな分類があるの?常識的なことで今さら人には聞けない…。とちょっとした悩みを持っている方に、一度読んでいただきたいと思います。

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クラウド移行 まるわかりガイド

そもそも、「クラウド」ってなに?

「クラウド(Cloud)」は日本語で雲を意味する言葉です。インターネットという実態の掴みずらい空間を表したものとされており、2006年に当時のグーグルCEO(経営最高責任者)であったエリック・シュミットによる発言が最初と言われています。当時はグーグルやアマゾンなどが、インターネット上で仮想マシンをダイナミックに展開できるサービスを開始した頃であり、いわゆるクラウド黎明期の時代です。

クラウドというのは、端的に言えばそうした「インターネット上で提供されるサービス」のことを指しています。例えばマイクロソフトのMicrosoft Azure、グーグルのGoogle Cloud Platform、そしてアマゾンのAmazon Web Servicesなどのサービス。更に、インターネット上で展開されているあらゆるサービスがクラウドだと言えます。

その分類としてあるのが「IaaS」「PaaS」「SaaS」の3つです。

IaaS、PaaS、SaaSの違い

ご覧のように、クラウドの分類の特徴は「●aaS」と冒頭の文字を変えていることです。これは、それぞれがどのようなサービスを提供するものかを表しています。

IaaS(Infrastructure as a Service)とは?

まず、IaaSは「Infrastructure as a Service」の略です。日本語では「サービスとしてのインフラストラクチャ」と訳されます。文字通り、システムに欠かせないインフラ(サーバーやネットワーク)をインターネットサービスとして提供するのがIaaSです。

PaaS(Platform as a Service)とは?

次に、PaaSは「Platform as a Service」の略です。日本語では「サービスとしてのプラットフォーム」と訳されます。PaaSは開発環境やシステム環境を素早く調達するために、IaaS上にミドルウェアやOSなどを追加し、それをインターネットサービスとして提供するイメージです。

SaaS(Software as a Service)とは?

最後に、SaaSは「Software as a Service」の略です。日本語では「サービスとしてのソフトウェア」と訳されます。ソフトウェアというのは通常、サーバーやパソコンにインストールしてから利用するものです。一方、SaaSではソフトウェアの機能がインターネット上で提供されるため、ユーザーは無料または有料でそれらを使うことができます。

このように、クラウドは大きく分類するとIaaS、PaaS、SaaSという3つのカテゴリが存在します。クラウド黎明期に主流だったのはIaaSとPaaSであり、時代の経過と共にSaaSが爆発的に増えていき、今ではあらゆるソフトウェアがインターネット上のサービスとして提供される時代になりました。

それぞれのメリットとデメリット

IaaSのメリット

システム稼働に必要なインフラを揃えるためには、数週間~数か月が通常は必要です。一方、IaaSならこの作業が短時間でで行えます。インターネット上で展開されるインフラは立ち上げるのが非常にスピーディなので、最短数分でインフラを構築できるため、調達にかかる時間と手間、それとコストを大幅に削減できるのが特長です。更に、必要に応じてリソースを柔軟に変更できるので、常に現状に合った環境を整えることができます。必要な時に必要な分だけインフラリソースを調達できる、それがIaaSということです。

料金は従量課金制なので必要以上にコストがかかることはありませんし、費用対効果がハッキリと分かりやすくなるというのも、IT予算を正確に把握する意味で大きなメリットになるでしょう。

PaaSのメリット

何度も開発を繰り返すようなシステム会社の場合、PaaSを利用することのメリットは非常に大きいでしょう。インフラに加えて開発に必要な環境を素早く整えられますし、逆にその環境を壊すことも簡単です。構築と破壊を素早く繰り返すことで、常に新しい開発環境を整えられます。また、データベースなどのミドルウェアが備わっているためアプリケーションの構築や運用も容易に行うことが可能になります。

しかも、近年のPaaSはフレームワークやツールをセットで提供しているものも多いため、従来よりも手早く、そして気軽に取り組めることがPaaS最大のメリットです。

SaaSのメリット

ソフトウェアを利用するためには、ライセンスを購入してサーバーやパソコンにインストールする必要があります。SaaSではそうした作業は一切不要です。多くの場合、月々の契約さえすればソフトウェアをインストールする必要はなく、SaaSサイトにアクセスしたIDとパスワードを入力するだけで、すぐにあらゆるサービスや機能を使えます。

その特性から、特定のサーバーやパソコンにソフトウェアをインストールする必要がないので、あらゆるデバイスから同じソフトウェアを利用したり、外出先から他のインターネット回線を介して同じソフトウェアを利用したりできます。

共通するデメリット

IaaS、PaaS、SaaSはサービスの分類こそ異なりますが、デメリットは共通しています。1つ目は「継続的に料金がかかる」ことです。サーバーやソフトウェアライセンスの購入は1度きりなので、最初にまとまった金額は支払いますがその後は費用がかかりません(保守料金などは発生します)。そのため、長期で考えた場合にはIaaS、PaaS、SaaSを利用する方が割高になることがあります。

そして2つ目は、「セキュリティに不安を感じる」ことです。クラウド黎明期から言われていることですが、クラウドを利用することは自社情報を外部に保存することになりますので、サイバー攻撃や事業者の管理ミスなどによって情報漏えいが起きないか、という心配が少なくなりつつはありますが今でもされています。

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クラウド活用のポイントは「デメリットを課題と考える」こと

前述のように、クラウドには利用を躊躇するようなデメリットも確かに存在します。しかし、クラウドが持つメリットを最大限に引き出せれば、ビジネスに大きな変革を起こせることは確かです。そこで意識すべきことは、「デメリットを課題と考える」ことです。

たとえば料金面のデメリットに関していえば、サーバーやソフトウェアライセンスの購入は一度きりですが、導入後の物理的管理は欠かせませんし、そこにかかる人件費や運用費を考えると決してランニングコストがかからないわけではありません。そのため、常にトータルコストで考えることが大切です。

そしてセキュリティの不安に関しては、実はクラウドを利用する方がコストをかけずに高いセキュリティを取り入れられるという認識が拡大しています。実際に、クラウド事業者の多くは徹底したセキュリティ対策によってサービスを強力に保護しているので、下手にセキュリティシステムを構築するよりも安全です。しかも、対応コストや運用負担もありません。

このように、クラウドにデメリットがあると考えることは多々ありますが、多くの場合には誤解のケースもありますし、明らかにそれ以上に効果があることも事実です。この機会に、更なるクラウド活用を目指してみてはいかがでしょうか?

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