Mixed Reality

遠隔作業支援とは? 導入メリットや事例、使用ツールを紹介

近年、VR技術や5Gなどを活用し、「遠隔作業支援」に取り組む企業が増えています。この記事では、その概要や導入する効果、メリットについて解説します。また、遠隔作業支援用のツールとして、スマートグラスやARグラス、MRグラスのそれぞれの違いや、MRデバイスとして人気が高まっている「HoloLens 2」の事例もご紹介します。

遠隔作業支援とは? 導入メリットや事例、使用ツールを紹介

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遠隔作業支援とは?

昨今、VR技術などの進歩によって、さまざまな業界で「遠隔作業支援」の取り組みが進んでいます。遠隔作業支援とは、インターネットとウェアラブルデバイスなどを利用し、遠隔地から映像や音声などのやりとりを行って、リアルタイムに現場の作業者を支援できる仕組みのことです。

以前は主に建設現場で使用されていましたが、その便利さが認知されたことで、近年では製造現場や医療現場など幅広い業界で導入・活用されています。また、2020年3月から提供されている5G技術と連携することで、高速・大容量のデータをやりとりできるため、さらなる業務効率化などが期待されています。

遠隔操作支援がもたらすメリット

では、遠隔操作支援に取り組むことで、どのような効果があるのでしょうか。以下では、遠隔操作支援がもたらすメリットについて見ていきましょう。

メリット①現場の作業効率アップ

従来では、現場の作業員にとって確認したい事項が出てきた場合、電話やメールで連絡したり、直接本部へ移動したりして指示を仰がなければなりませんでした。しかし、これらの方法にはタイムラグが発生しやすいという課題があります。

遠隔作業支援であれば、作業員は現場の状況を映像や音声などを通じてリアルタイムで伝えられます。また、指導員も移動することなく遠隔で確認・指示できるため、ダウンタイムの発生が減り、作業効率を上げられるようになるのです。

メリット②社内教育の効率が上がる

入社して間もないような若手メンバーが現場に向かう場合も、遠隔から支援できるため、トレーニング効率がアップします。また作業員にとっても、慣れない現場作業での不安を払しょくでき、安心して業務に臨めるというメリットがあります。加えて、若手作業員が現場に行かずとも、指導員が作業している姿などリアルな作業映像を見られれば、早期の技術習得にもつながるでしょう。

また、使用するツールによっては画像や映像を記録でき、行った作業の分析やレビュー、研修材料としての活用などを検討できるのもポイントです。

メリット③サービス品質の向上

例えば機器のトラブル対応時、お客様と遠隔でコミュニケーションをとることができれば、内容によってはお客様を自己解決に導ける可能性があります。また、自己解決に至れなくてもトラブル現場の状況を映像で事前に確認しておくことで、修理に必要な部品を漏れなく手配したり、修理工程を事前に趣味レーションできたりするため、問題解決までにかかる時間を短縮できるでしょう。つまり遠隔による作業支援は、サービス品質を上げることにもつながるのです。

遠隔作業支援 使用ツールを紹介

では、遠隔作業支援はどのようにして実現されるのでしょうか。ここからは、遠隔作業支援を行う際に必要となるツールについて見ていきましょう。

インターネット機器

ここまでご紹介してきた機器のパフォーマンスを最大化するためには、安定したインターネット環境が必須です。指示者側であればオフィスなど社内のネットワーク回線があれば足りますが、現場の作業員側の場合は安定した通信が可能かどうか、またセキュリティを確保できるかについて確認しておくことが必要です。ルーターやモデム、ポケットWi-Fiといったインターネット機器も、価格やそれぞれの使用場所で最適なものを選択するようにしましょう。

遠隔支援カメラ

遠隔作業支援では、離れた場所同士で映像や音声をやりとりするために、ネットワークカメラやウェアラブルカメラといったカメラ機器も必要です。本体のみでインターネットに接続できることがポイントで、特にウェアラブルカメラの形はサングラス型やトランシーバー型など、さまざまな種類があります。

眼鏡型のウェアラブルデバイス

グラス越しに情報が表示されるサングラス型のデバイスがあると、両手を空けられるため現場作業に集中できます。技術の違いによって、スマートグラスやAR/MRグラスといった種類がありますが、詳しくは次項にて解説します。

スマートグラス、AR/MRグラスの違いを簡単に紹介

先ほどご紹介したように、眼鏡型のウェアラブルデバイスとしては「スマートグラス」や「AR/MRグラス」があります。一見すると眼鏡のような形をしており、レンズ部分がディスプレイになっている点では共通しますが、それぞれ似て非なるものです。以下、各デバイスの違いについて簡単にご紹介します。

スマートグラスとは

まず「スマートグラス」は、たとえばマニュアルなどのさまざまな情報が表示されるのが特長です。両手が空くので作業に集中でき、必要な情報も得られるため、ミスを軽減できるというメリットがあります。

ARグラスとは

次にARグラスについてですが、そもそも「AR」とは「Augmented Reality」の略で、訳して「拡張現実」とも呼ばれています。これは、現実空間に仮想のデジタル情報を一緒に表示できる技術のことです。空間認知機能をもち、現実空間に仮想部分(ホログラム)も同時に投影されるデバイスがARグラスです。

MRグラスとは

「MR(Mixed Reality)」は「複合現実」と呼ばれ、AR(拡張現実)とVR(仮想現実)の技術を組み合わせたものです。ARグラスはディスプレイに仮想の存在が映し出されているだけですが、MRグラスは現実空間に仮想部分(ホログラム)を、あたかもそこに実在しているかのように投影します。そのため、ARグラスと同じように空間認知機能をもち、投影されている仮想の存在を360度さまざまな角度から見たり、実際に触れたり操作したりできるのが特長です。

MRグラス「HoloLens 2」を紹介

近年、さまざまな業界でMRの技術を活用した取り組みが広がっています。その中でも注目を集めているのが「HoloLens 2」です。

まず「HoloLens」とは、Microsoft社が開発したセンサー内蔵型のMRデバイスで、日本では2017年1月に発売開始されました。専用のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を頭部に装着するだけで、パソコンなどのデバイスを経由せずに利用できるなど、利便性があります。360度の空間を活かし、3D(ホログラム)で作成された映像や画像を現実世界に重ね合わせることで、リアルな複合現実を実現できます。

そして2019年には、HoloLensの後継機種であるHoloLens 2がリリースされました。改善された主な点は以下のとおりです。

  • 視野角や解像度がそれぞれ2倍になり、視認性が向上
  • アイトラッキングなどで操作性が向上
  • Microsoft Azureとの連携で、開発環境が整備
  • 重量バランスの変更とヘッドバンドのデザインの最適化による、装着時の快適性の向上

コールセンターなどでは、このHoloLens 2を実際に活用し、働き方改革に成功した事例が報告されています。その企業では、これまで機器の故障などで問い合わせがあった場合、オペレーターは実機を手元に置き、触りながら説明しなければなりませんでした。しかしHoloLens 2の導入後、オペレーターは在宅勤務をしながら、サポート対象の機器やサービスについて解決策をアナウンスできるようになったため、出勤の必要がなくなりました。

現在、日本では労働人口が減り続けており、どの企業も慢性的な人手不足の課題を抱えています。遠隔ながら効果的なコミュニケーションや作業が可能となるHoloLens 2を使うことで、働き方改革とともに深刻な働き手不足の解決にもつながるでしょう。

まとめ

遠隔作業支援は作業の効率化やサービス品質向上、社内教育の充実、人手不足解消などの側面で効果があり、さまざまな企業のビジネスで活用されています。これらの課題をお抱えの方は、Microsoft Azure との連携で便利になった「HoloLens 2」の導入を、ぜひ検討されてはいかがでしょうか。

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