データ分析、データベース

Azure Synapse Analyticsの価格とは? 機能や費用削減方法を紹介

データ分析を行えるAzure Synapse Analytics。導入にどれくらいのコストがかかるか気になる企業も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、Azure Synapse Analyticsの導入コストやコスト削減の方法についてご紹介します。

Azure Synapse Analyticsの価格とは? 機能や費用削減方法を紹介

データ分析の工程と関連ツールを紹介

データ分析サービスAzure Synapse Analyticsの機能概要

Azure Synapse Analyticsは、Microsoft社が提供しているデータ分析プラットフォームです。大きな特徴として、データ蓄積(データウェアハウス)とビッグデータ解析をひとつのプラットフォーム上で提供していることが挙げられます。また、既存ソリューションの「Azure Machine Learning」「Power BI」などと連携させることもでき、効率的にデータ分析が行えます。データ分析基盤やデータのクラウド移行などで、Azure Synapse Analyticsを導入する事例が多く見られます。

Azure Synapse Analyticsの特長

では、Azure Synapse Analyticsを活用することで、具体的に何ができるのでしょうか。ここでは、Azure Synapse Analyticsの主な特長を2つご紹介します。

大容量のデータの分析が可能

Azure Synapse Analyticsは、扱えるデータ容量が非常に大きいという特長があります。その容量はペタバイト規模といわれ、1ペタバイトは1,024テラバイトに相当します。これほど大きなデータを扱える理由には、Microsoft社が誇る優れたデータベースエンジン、Microsoft SQL Serverを利用していること、また大容量のデータを蓄積できるデータストレージソリューション、Azure Data Lake Storage Gen2を採用していることが挙げられます。さらに、蓄積されたデータとビッグデータとのシームレスな連携ができるのも特長で、大容量のデータを高速で分析可能です。

最高レベルのセキュリティ機能

企業の重要なデータを蓄積するデータベースともなる Azure Synapse Analytics は、セキュリティに優れているのも特長です。セキュリティレベルの高さは、市場最高峰ともいわれています。具体的には、セキュリティリスクの自動検出やデータの暗号化が施されています。また、アクセス制御にも優れており、シートの行や列単位で制御をかけることが可能です。

Azure Synapse Analyticsの4つの料金タイプ

Azure Synapse Analyticsには、4つの料金プランが用意されています。それぞれ用途が異なるため、プランをよく比較し、自社に最適なものを選びましょう。以下では、それぞれのプランの特徴と料金をご紹介します。

データ統合

データ結合とは、データを取り込み、形式を変換するのに必要なプランです。データ分析における基本機能のため、ほとんどの場合、このプランを契約する必要があります。アクティビティの実行回数や時間に基づき課金される仕組みです。

  • オーケストレーション アクティビティの実行:1,000 実行あたり $1 (Azure ホステッド マネージド VNET)
  • データ移動:$0.25/DIU 時間(Azure ホステッド マネージド VNET)
  • 統合ランタイム時間:$1/時間(Azure ホステッド マネージド VNET)
  • 外部統合ランタイム時間 :$1/時間(Azure ホステッド マネージド VNET)
  • データフロー:仮想コア時間あたり $0.302(Basic)
  • 操作にかかる料金:100 万操作以後、50,000 操作あたり $0.25(2021年2月1日から)
    ※時間単位の価格

データの探索とデータウェアハウス

データの探索とデータウェアハウスは、SQLプールを利用し、データのクエリおよび分析を行うのに必要なプランです。対話型・バッチ・ストリーミング・予測型などの分析を行えます。また、SQLプールにはサーバーレスのものと専用のものが用意されており、どちらを選ぶかによって料金が異なります。サーバーレスは実行されたクエリのデータ量、専用は利用時間に基づいて課金が発生します。専用のものについては後述します。

  • サーバーレス:1TB あたりのデータ処理数 $6
  • データストレージ:1 TBのデータ保存量につき$23.552/月

Apache Sparkを使用したビッグデータ分析

Apache Sparkとは、高速でデータ処理を行えるフレームワークを指します。Azure Synapse Analyticsではこのフレームワークを利用して、エンジニアリング・データ準備・機械学習などを行え、数千テラバイト~数ペタバイトなど大容量のデータ分析に適しています。料金は、仮想コア時間に基づき課金されます。

  • 仮想コア時間あたり $0.155

専用SQLプール

専用SQLプールは、データの探索とデータウェアハウスでご紹介した2種類のSQLプールのうち、専用のものを指します。専用SQLプールの利用には、従量課金制・1年予約・3年予約の3つのプランが用意されており、従量課金制とくらべて、1年予約は最大37%の節約、3年予約は最大65%の節約ができます。また、サービスレベルによって料金は異なります。

  • 専用:従量課金制$1.81/時間・1年予約$1.1403/時間・3年予約$0.6335/時間(サービスレベル DW100c)
    ※時間単位の価格
  • データストレージ:1 TBのデータ保存量につき$23.552/月

コスト削減の4つのポイント

Azure Synapse Analyticsを利用するには、少なからずコストがかかります。ここでは、Azure Synapse Analyticsをより導入しやすくするため、コスト削減のポイントをご紹介します。

事前見積で導入コストの把握

Azureには、料金計算ツールが用意されており、製品を導入する前に見積もりが取れます。Azure Synapse Analyticsのコストを確認するには、料金計算ツールのページを開き、Azure Synapse Analyticsを選択しましょう。上記で紹介した機能に沿って、利用予定のデータ容量や時間を入力します。例えば、「データの探索とデータ ウェアハウス」では「専用SQLプール」なのか「サーバーレスSQLプール」なのかを選択し、それぞれデータ容量や時間、オプションを選びます。用意されている項目に沿って選べば、自動で見積もりが算出されます。

導入後の発生コストの監視が可能

コスト削減をするには、導入後どの機能の利用にどれだけのコストがかかっているか、把握しなければなりません。Azure Synapse Analyticsにはコスト分析サービスが容易されており、コストの監視ができます。「サブスクリプション」から「コスト分析」を選択すると、実際の月額コストが表示され、日・月・年単位でグラフや表でコストを可視化してくれます。定期的なコストの監視により、不要なコストを削減しましょう。

予算作成でコストが超過した場合のアラートを行える

Azure Synapse Analyticsでは、あらかじめ予算を設定してシステムに登録しておけます。設定した予算を超えた場合、自動的に通知が来るため、予算をオーバーしないよう注意しながら利用できます。さらに、追加コストが発生する機能を誤って利用しないよう、フィルターをかけることも可能です。

予約容量を使用して料金コストの削減を

専用SQLプールを利用する際は、従量課金制ではなく、1年予約または3年予約を利用することで、コスト削減につながります。特に3年予約の場合は、従量課金制と比べて最大65%の節約になるため、積極的に利用するとよいでしょう。

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まとめ

Azure Synapse Analyticsは、データ蓄積やデータ分析を行えるプラットフォームです。大容量のデータ分析が行え、セキュリティも最高峰を誇ります。利用料金はデータ容量や時間で明確に定められています。一度料金計算ツールを利用して見積もりを取り、導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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