Azure徹底解説【実践編】 Azureの構成とコストの概要

Azure徹底解説【実践編】 Azureの構成とコストの概要

入門編」では、クラウドとAzureの基本的な知識を解説しました。続いて「実践編」では、クラウドが提供するサービスや機能の範囲の一般的な解説とAzureのメリットを整理したあとで、実際にAzureがどのような構成で提供されているか、コスト削減のメリットを解説します。

Azureは簡略化すると、次の5つのサービスで構成されています。

  • コンピューティング
  • データベース
  • ID管理とアクセス管理 (IAM:Identity and Access Management)
  • 開発と運用のための環境(DevOpsを含む)
  • AIやIoTなどのサービス

このそれぞれについてコスト削減メリットがあります。しかしながら、その前に「クラウドの形態」と「XaaSの種類」から、Azureにどのような機能とメリットがあるかを挙げていきます。

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クラウドの形態とAzureのメリット

クラウドは仮想化という技術を使って仮想マシン(VM)で構築しますが、サービスを公開する範囲やオンプレミスとの連携によって、主に以下の3つのパターンがあります。Azureはこれらのすべてに対応します。

プライベートクラウド

社内だけで利用するクラウドのサービスです。オンプレミスのサーバーを仮想化して活用します。Azure Stackを使えば、オンプレミスでサーバーやストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアなどを統合したHCI(Hyper-Converged Infrastructure)を構築できます。

パブリッククラウド

外部のサービスを利用しますが、社内の各部門など限られた狭い範囲で利用するクラウドです。企業内で独占的な利用ができるため、企業独自の利用目的に特化したシステムを構築できます。また、セキュリティの面でも強化することが可能です。Azureは開発環境から簡単にサービスをデプロイできます。

ハイブリッドクラウド

社外にあるパブリッククラウドプライベートクラウド、そしてオンプレミスの仮想マシンなどが混在したクラウドの形態です。AzureとAWSなど、複数のクラウドサービスを利用するマルチクラウドの企業も多くなりました。

このとき重要になるのは、それぞれのクラウドにアクセスする際のIDやパスワードの管理です。異なったクラウドに接続するたびに独自のIDやパスワードを使う場合、煩雑になります。Azureでは、Azure Active Directoryにより複数のクラウドの包括的なアクセスとID管理(IAM)を実現します。

XaaSが提供する範囲とAzureとの関連性

クラウドの3つの形態を解説しましたが、さらに提供するサービスによってクラウドは「アズ・ア・サービス」として、さまざまな名称で呼ばれます。提供するサービスには、インフラストラクチャー、開発プラットフォーム、一般向けのアプリケーションやシステムがあります。これらを総称してXaaSといいますが、XaaSの種類は次々と増えつつあります。

Azureが提供するサービスは「PaaS」が中心です。また「IaaS」も提供しています。他にも「IDaaS」によってセキュアな環境を提供していることが特長です。代表的なXaaSとAzureの関連を中心に挙げていきましょう。

IaaS(Infrastructure as a Service)

IaaSが提供するのは、サーバーやストレージなどのハードウェア、ネットワーク環境、ファイアーウォールなどのセキュリティです。いわばサービスの基盤(インフラストラクチャー)を提供します。

Azureでは仮想マシン(VM)のインスタンスやデータベースを提供し、その容量は自由に変えることができます。

PaaS(Platform as a Service)

開発や実行環境を提供するサービスで、OS、ミドルウェア、言語環境、分析ツール、ライブラリやフレームワークを提供します。

Azureが主に提供しているのがこの「PaaS」で、OSなどの環境は自動的にアップデートされるため、メンテナンスの必要がありません。WindowsのほかLinuxもサポートしています。また、ライブラリやフレームワークでは、多くの有名なオープンソースソフトウェア(OSS)を利用できることが特長です。

SaaS(Software as a Service)

Webブラウザでアプリケーションソフトウェアを実行するなど、クラウドでソフトウェアを提供するサービスです。一般的には、Webメールやオンラインストレージ、チャットやSNSなどのコミュニケーション系のソフトウェアがあり、財務会計アプリケーションもクラウドで運用されるようになりました。

Azureを使えば、開発したSaaSアプリケーションをすぐにデプロイして、ビジネスを迅速かつ効率的に展開することが可能です。

IDaaS (Identity as a Service)

セキュリティの重要性の高まりとともに重視されているのがIDaaSです。クラウド経由でID認証とパスワード管理、シングルサインオン、情報に対するアクセス権限の制御などを行います。

Azure Active DirectoryによってID管理をするとともに、Azure Sentinelが加わることによって、サードパーティソリューションのアクセスログなどを集中管理できるようになります。

DaaS (Identity as a Service)

在宅勤務など働き方が多用になり、ノートPCを社外に持ち出して利用することが増えました。そこでデスクトップ環境自体をクラウドで提供する技術が生まれました。これが「DaaS」です。自社内の閉鎖された環境で運用される場合はVDI(Virtual Desktop Infrastructure)と呼ばれます。

AzureはWindows Virtual Desktopによって、DaaSもしくはVDIを構築できます。年間 10 億米国ドルを超えるセキュリティに対する投資、3,500 人を超えるセキュリティのエキスパート、多数のコンプライアンス認定による堅牢なセキュリティによって情報が守られているので安心です。場所を問わない生産性の高い働き方を実現します。

DBaaS (Database as a Service)

クラウドでデータベースを提供するサービスで、このことにより開発者はデータベース環境を構築する負担が減少します。また、利用量に合わせてデータベースの容量を自由に増減できることもメリットです。

Azure SQL DatabaseはAzureが提供するDBaaSの中核となる製品で、オンプレミスのSQL Serverを円滑に移行できます。自動的なチューニングとパフォーマンスの最大化とともに、脅威に対するアラートなどセキュリティ対策に注力しています。

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Azureのライセンス体系と費用

クラウドの形態とXaaSの種類からAzureのメリットを整理しました。それでは次に、コスト削減の側面から概要を解説していきましょう。

Azureの無料アカウント

Azureは無料アカウントを取得して、30日間の試用期間があります。このときに、あらゆるサービスを利用できる¥22,500のAzureクレジット が付与され、このクレジットの範囲内で試してみたいサービスを利用できます。クレジットを使い切るか30日が経過した後に、使用制限を解除してサブスクリプション(従量課金制)に切り替えることによって引き続いて利用が可能です。

とはいえ、制限がありますので以下をご確認ください。

参考:Azure 無料アカウント

https://azure.microsoft.com/ja-jp/offers/ms-azr-0044p/

Azureのライセンス体系

Azureは無料で提供されている機能と従量課金製の機能で構成されています。Azureの価格については、以下のページで詳細に解説され、「料金計算ツール」「TCO計算ツール」もあり、費用のシミュレーションが可能です。

参考:Azureの価格

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/#substantial-savings

以下は注目したいオプションです。

開発やテストの利用では割引料金

開発/テストの使用に限定して、個人向け、エンタープライズもしくはその他のチーム向けに割引料金が設定されています。すべてWindows 10 Virtual Machinesが実行でき、チーム向けの場合はインスタンス数が無制限です。個人向けの場合は、Visual Studio サブスクライバーごとに1つです。

詳細は以下を御覧ください。

参考:Azure 開発/テスト価格

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/dev-test/

ハイブリッド特典

ソフトウェアアシュアランス付きのWindows ServerもしくはSQL Serverオンプレミスのライセンスを持っている場合は、Azureの費用を大幅に節約できる特典があります。

詳細は以下を御覧ください。

参考:Azure ハイブリッド特典

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/hybrid-benefit/

AWSと比較したコスト削減メリット

クラウドを選択するにあたって、Azureと競合になるのは業界トップシェアのAWS(Amazon Web Services)でしょう。マイクロソフトのサイトでは、AWSとのコスト削減のメリットを次のような数値で示しています。Windows Server 2008および2008 R2 では、AzureのVM用として延長セキュリティ更新プログラムが無償で提供されることも大きな特典です。

Windows Virtual Machines

AWS EC2と比較して「最大71%割安」。

SQL Database Managed Instance

Amazon RDSと比較して「最大85 %割安」。

SQL Server 仮想マシン

AWS EC2と比較して「最大45%割安」。

なお具体的なコンピューティング(仮想マシン)、データベース、ID管理とアクセス管理 (IAM)、開発と運用のための環境(DevOpsを含む)、AIやIoTのサービスなどについては、企業のニーズに合わせてコストを計算できるサイトが設けてあります。以下で、必要なサービスを追加して、プルダウンメニューで環境を選択していくと概算が分かるので便利です。

参考:料金計算ツール

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/calculator/

実践編のまとめ

PaaSを中心に提供しているAzureですが、大規模から小規模のシステム開発まで、さまざまなレベルの利用に合わせてカスタマイズすることが可能です。無料体験として使い始めたとしても「目的」が明確ではなければ、どの機能を使えばよいのか途方に暮れることになります。完全な利用目的を決める必要はありません。柔軟に機能を追加したり拡張できたりすることがクラウドのメリットですが、ある程度の目的を持って利用することが重要ではないでしょうか。

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