Azure徹底解説【応用編】 最先端のAIやIoTを含めてAzureで可能なこと

Azure徹底解説【応用編】 最先端のAIやIoTを含めてAzureで可能なこと

入門編」では基礎、「実践編」ではクラウドの形態や種類を踏まえた上で、Azureの機能と構成、そしてコスト削減のメリットを取り上げました。

最後の「応用編」では、効率的な運用とバックアップやセキュリティによる企業の情報資産を守るソリューションから、AI(人工知能)やIoT(Internet of things:モノのインターネット)など、Azureの最先端テクノロジーで何ができるか、そして実現のために用意されたAzureの機能について概要を解説します。

実現したいことをメインに、逆引きのようにAzureの機能を紹介していきます。

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DR、BCP対策を実現するAzure

ソフトウェア開発企業はもちろん一般の企業では、もしもの場合に備えて、システムのバックアップや復旧のための設備が重要です。BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画やDR(Disaster Recovery:災害復旧)として、企業経営では軽視できない課題です。

このBCPやDRのためにAzureを活用する方法があります。オンプレミスに障害があった場合にも、自動的にクラウド上のシステムに切り替えることによって、ダウンタイムが生じることなく事業を継続できます。

このような目的からAzureには次のような機能があります。

Azure Site Recovery

システムのメンテナンスで稼働を止める時間は最短にすべきであり、また災害などで支障が生じた場合には、一刻もはやくもとの状態に復旧する必要があります。Azureでレプリケーション、フェールオーバー、復旧プロセスをデプロイして、アプリケーションを実行し続ける機能がAzure Site Recoveryです。

詳細は以下をご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/site-recovery/

Azure Backup

インフラストラクチャーの追加やデプロイなしに、Azureの仮想マシン、SQLワークロードはもちろん、オンプレミスの仮想マシンをバックアップします。プラットフォームに組み込まれたシンプルなバックアップ機能で、ランサムウェアのような脅威や人間のエラーからもデータを守ります。

詳細は以下をご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/backup/

TCO削減と クラウドシフトを加速するAzure

Windows2008ならびに2008R2サーバーの延長サポートが、2020年1月14日に終了します。サポートが終わると、最新のセキュリティ対策の更新が行われなくなるため、リスクが高まります。しかし、Azureに移行すれば、3年間の延長保証が受けられます。

これまで社内でオンプレミスを利用してきた企業には、クラウドシフトの絶好の機会です。クラウドシフトを安全かつ確実に行うため、Azureには以下のようなサービスがあります。

Azure Migration Center

マイクロソフトとパートナーによって、クラウドの移行をサポートします。以下のような手順で、オンプレミスの環境をAzureに移行することが可能です。

これだけは押さえたい!マルチクラウド活用の進め方と勘所~Step2:オンプレミスに加えてマネージドクラウドという選択~
Windows Virtual Desktop の導入から運用を強力に支援

移行するクラウドと現状の評価・検証

優先順位と目標を定めます。組織全体の関係者を招集し、Azureとオンプレミスを比較した総保有コスト(TCO)を検討し、移行するアプリを検出して評価します。このときクラウド移行のための自動化ツールを利用すると、現在の環境と依存関係が分析できます。迅速に移行を進めるためには、依存関係の少ないアプリケーションの移行から着手することが重要です。

SQL ServerをAzure に移行する互換性の確認には「Data Migration Assistant」が用意され、TCOの計算には以下のツールが便利です。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/pricing/tco/calculator/

クラウドへの移行

クラウドへの移行には、一般的に次の4つのレベルを考えておく必要があります。リビルドを選択することは負荷がかかりますが、クラウドネイティブなアプリケーションとして最先端の機能を活用できます。

リホスト

コードを編集することなく移行します。IaaS、データベースを移行し、最適化します。

リファクター

アプリケーションに若干変更を加えて、クラウドに最適化します。その後、データベースを移行、Azure DevOps Servicesで最適化します。

リアーキテクト

アプリケーションのコードを変更もしくは拡張して、クラウド向けに最適化します。これまでのアプリケーション資産を生かしたいときに有効です。

リビルド

アプリケーションをクラウド向けにゼロからビルドします。クラウドネイティブなアプリケーションに進化させることで、AIなど最新の技術に対応させることができます。

クラウドの最適化

Azure Cost Managementを用いてクラウドアプリケーションの支出を管理し、仮想マシンのサイズの調整、Azureの特典を利用したコスト削減など、移行したシステムを最適化します。

セキュリティの保護と監視

移行後は、Azureが仮想マシン、アプリケーションやデータを保護します。Azure Security Centerは業界最高水準のセキュリティを提供し、Azure Backupでデータを保護、Azure Monitorによって利用統計情報を監視し、正常かつ最大のパフォーマンスを発揮できるような分析を行います。

詳細は以下をご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/migration/

働き方改革のためのAzure

グローバル化で世界各地に拠点ができ、在宅勤務によって喫茶店や自宅などでノートPCを使って仕事をするなど、オフィスの範囲は拡がりつつあります。このような時代において、クラウドは多様な働き方を支援する最も強力なツールです。

VDI(Virtual Desktop Infrastructure)のWindows Virtual Desktopを、あらためてピックアップし、仮想デスクトップ以外のメリットを解説します。

Windows Virtual Desktop

他のVDIと異なる大きな特長は、マルチセッションのWindows 10をサポートしていることです。また、Office 365 ProPlusに最適化され、リモートデスクトップサービス環境をサポートします。Azure Portalの統合管理によって、わずか数分で使い慣れたデスクトップを簡単に仮想化してAzureで利用できます。

企業や官公庁によっては、まだWindows 7を使っていることも多いのではないでしょうか。しかし、Windows 7の延長サポートは2020年1月14日に終了します。サポート終了によって、テクニカルサポート、ソフトウェア更新プログラム、セキュリティ更新プログラムの提供がなくなります。Windows Server 2008の延長サポート終了とともに、そのままPCを使い続けることはリスクが高まります。したがってWindows 10にアップデートすることが必要です。

ところが、AzureでWindows Virtual Desktopを導入すれば、延長サポートの特典が得られます。また、Windws10の操作性に慣れておくという意味でも意義があるといえるのではないでしょうか。

詳細は以下をご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/virtual-desktop/

AIの分野におけるAzure

AIは気づかないうちに人々の生活に浸透しつつあります。IT業界を問わずに、さまざまな企業で採用されています。マイクロソフトでは、自社製品であるOffice 365、Bing、Microsoft Dynamics 365のほか、XBOX ONEなどのゲーム機にも人工知能を導入しています。また、Microsoft Hololensは建築や医療などの業界でも活用されつつあります。

多岐に渡るAzureのAIプラットフォームから「機械学習」「ナレッジマイニング」「AIアプリとエージェント」の3つにフォーカスして製品を紹介します。

機械学習

機械学習では、膨大なデータを利用して人工知能がアルゴリズムによってデータを分類、認識します。主に「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」があります。

AzureではPhythonベースの「Azure Machine Learning」を核として、Azure Machine Learning を統合してApache Sparkを基盤にビッグデータを扱う「Azure Databricks」、オープンソースの「ONNX」を機械学習のサービスとして提供しています。また、TensorFlowなどのオープンソースのAIフレームワークを使うこともできます。

ナレッジマイニング

ナレッジマイニングは人工知能が主体ではなく、人間が膨大な情報の中から洞察を得るためにデータを深く掘り下げていく手法です。この分野でもAzureの人工知能がサポートします。

「Azure Search」は言語によるテキストだけでなく、視覚や音声の検索にも対応しています。10年以上にわたって検索エンジンのBingやOfficeに組み込まれてきた自然言語処理などのAI技術が活用されています。PaaSとして提供されているため、独自の検索ソリューションを開発できます。ドキュメントの構造は「Form Recognizer」という製品によって抽出を担います。

AIアプリとエージェント

企業の問い合わせ対応でチャットが活用されています。チャットオペレーターが回答している場合もありますが、AIが問い合わせを認識して、FAQから最適な回答をする自動化が行われています。

「Cognitive Services」はAIによる認識機能の中核であり、Face APIによる顔認識、「Bot Framework」と組み合わせることによってコールセンターで対応する人間のオペレーターの負荷を軽減するサービス、映像から話者を認識するなど、さまざまな活用が可能です。

詳細は以下でご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/ai-platform/#machine-learning

IoTの分野におけるAzure

IoTは消費者の生活はもちろん、産業の中で「IIoT(Industrial Internet of Things)として積極的に取り入れられています。時代を遡れば、ドイツのインダストリー4.0の構想を契機に「スマートファクトリー」というコンセプトが生まれました。工場全体と人間がインターネットで接続され、具体的には装置に取り付けられたセンサーから異常や老朽化を発見する予知保全や、ARを使って装置の状態や現実と重ねてマニュアルを見せる技術が使われています。

Azureでは「Azure IoTソリューションアクセラレータ」というリモート監視、メンテナンス、デバイスのシミュレーションを含めた包括的なソリューションを提供しています。別途、「Azure IoT Central」というSaaSソリューションを提供していますが、Azure IoTソリューションアクセラレータはサブスクリプションで提供されるPaaSになります。

「Azure IoT Edge」も、これから注目されているサーバーレスコンピューティングの分野で期待されるサービスです。

詳細は以下でご覧ください。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/features/iot-accelerators/

https://azure.microsoft.com/ja-jp/services/iot-edge/

応用編のまとめ

Azureは一般的にPaaSを提供しているといわれていますが、その提供している範囲は、PaaSを超えて拡がりつつあります。一方で、セキュリティに関するIDaaSをはじめHCI、エッジコンピューティング、DaaSなど、最先端のテクノロジー分野を次々に取り込みつつあります。

「クラウドシフトには抵抗がある」という企業があるかもしれませんが、少し先の未来を見通したとき、Azureを導入する、さらに先端の技術をトライアルで試してみることは、意義があるのではないでしょうか。

Microsoft Azure製品カタログ
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