クラウド移行(インフラ・DB)

メインフレームをクラウド移行するメリットとは?データ分析の視点で解説

DXを実現するためには、レガシー化したメインフレームのモダナイゼーションが不可欠です。そこで本記事では、メインフレームのレガシー化が及ぼす影響について考察するとともに、おすすめのクラウドプラットフォームをご紹介します。システム環境の刷新やデータ分析基盤の構築を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

メインフレームをクラウド移行するメリットとは?データ分析の視点で解説

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メインフレームのレガシー化が及ぼす代表的な影響

1964年にIBMが「System/360」という汎用コンピュータを世に送り出し、メインフレームの歴史が始まりました。その後、多くの企業で基幹システムの心臓部として運用されてきたメインフレームですが、今や20~30年前に導入したシステムがレガシー化し、DXの実現を阻む足枷となっているケースも少なくありません。デジタル技術の進歩・発展が目覚ましい現代市場において、レガシー化したメインフレームを運用し続けた場合、以下のような影響やデメリットが懸念されます。

最新テクノロジーの恩恵を受けられない

「レガシーシステム」という概念に明確な定義はありませんが、一般的には「過去の技術や仕組みで構築されている老朽化・ブラックボックス化したシステム」を指します。とくにメインフレームは、COBOLのような誕生から50年以上経過している古い言語を使用し、自社のシステム要件に合わせてアドオン開発することが一般的であり、長年の運用によってレガシー化しているシステムの代表格です。

クラウドファーストが一般化し、時代はクラウドネイティブへと移行しつつあるなか、このようなレガシー化したメインフレームでは、最新テクノロジーの恩恵を享受するのは困難といえます。

多様な働き方への対応遅れ

近年、働き方改革の推進や新型コロナウイルスの影響から、テレワーク制度を導入する企業が増加傾向にあります。テレワーク環境では、社外から社内ネットワークにアクセスする必要があるため、ファイアウォールのような境界防御型のセキュリティでは安全性を担保できません。テレワークやクラウドサービスが一般的となった現代では、新しい時代に即した柔軟なシステム環境と、それに基づくセキュリティ体制の構築が求められます。

老朽化既存資産の延命にかかる高額な維持コスト

組織の根幹を支えるメインフレームの可用性を維持するためには、定期的な保守・運用管理が不可欠です。しかし、定期的なメンテナンスの実行には相応の管理費用を要し、さらに物理的なハードウェアも5年に一度はリプレイスしなくてはなりません。また、高い可用性を確保すべくシステムを冗長化する必要もあり、当然ながら管理コストのさらなる増加を招きます。このように、レガシーシステムの延命には高額な維持費用を要するため、予算を圧迫することで攻めのIT投資を阻害する要因になり得ます。

規制やコンプライアンス要件への対応遅延

テクノロジーの進歩・発展とともに法規制や規格、要求事項なども厳格化されており、企業にはコンプライアンスの遵守が求められています。たとえば、どの部門がどんなデータを保管し、いつ誰がアクセスし、どのように利用したのかなど、データの運用管理を徹底しなくてはなりません。しかし、過去のシステム要件で構築されたレガシーシステムでは、厳格なコンプライアンス規制を遵守するのは困難といえます。

モダナイゼーションの鍵はクラウド化 日本のモダナイゼーションが成功しない理由

日本は少子高齢化に伴って生産年齢人口が年々減少しており、多くの産業で人材不足が深刻化しています。このような時代のなか、企業が成長・発展していくためにはDXの実現が不可欠であり、その要となるのが「クラウドサービスの活用」と「レガシーシステムのモダナイゼーション」です。しかし、メインフレームのような大規模システムのモダナイゼーションは容易ではありません。その要因として、以下のような理由が挙げられます。

メインフレームをベースにした日本型基幹システムへの理解不足

メインフレームをベースとして基幹システムを構築する場合、多くの企業がシステム要件を満たすべく、アドオン開発によって独自機能を実装しています。たとえば、2027年にサポートが終了する「SAP ERP」を「SAP S/4HANA」へ移行するとしても、パッケージ型のERP製品では、独自のシステム要件を満たすのは簡単ではありません。

アドオン開発を含む基幹システムのマイグレーションは、規模によっては数千万円~数億円の開発費用と、年単位での開発期間が必要となるため、モダナイゼーションの実現はより困難となります。

無謀なモダナイゼーション計画

メインフレームの運用は高額な維持コストを要するため、基幹システムの運用基盤をクラウド環境へと移行する企業が増加しています。その理由は、システム環境の構築にハードウェアを必要としないクラウドサービスであれば、導入費用と保守・運用管理における維持コストを大幅に削減できるためです。

しかし、基幹システムのクラウド移行は多大なメリットを享受できる一方、データの破損や消失、不具合による事業停止といったリスクも孕んでいます。そのため、無謀なクラウド移行計画を実行し、結果としてプロジェクトが頓挫するケースも少なくありません。

メインフレームのクラウド移行サービスのご紹介

メインフレームのクラウド移行を検討している企業にとって、移行方法や運用基盤の選定は非常に重要な課題です。レガシー化したメインフレームをクラウドネイティブなシステム環境に移行することは、大きなリスクを伴います。そこで以下では、メインフレームのクラウド移行を検討している企業におすすめのサービスを2つご紹介します。

TmaxSoftの革新「OpenFrame onクラウド」

「OpenFrame onクラウド」は、メインフレームをクラウド移行するためのミドルウェアと稼働環境をセットで提供するPaaS型サービスであり、TmaxSoft社がレガシーシステムのマイグレーションを総合的に支援します。

クラウド移行に熟練したエンジニアを提供するSIサービスも提供しているため、マイグレーションにおけるさまざまなリスクを最小限に抑えられる点が最大のメリットです。メインフレームのモダナイゼーションを実現するために、安全なクラウド移行支援サービスを探している企業に適したソリューションといえるでしょう。

Azureによる「メインフレーム移行」

メインフレームや統合基幹業務システムのクラウド運用基盤としておすすめしたいのが、Microsoft社が提供する「Microsoft Azure(以下、Azure)」です。Amazonの「AWS」やGoogleの「Google Cloud」とともに「世界3大クラウドサービス」と呼ばれており、世界中の企業がシステム運用基盤として採用しています。

Azureは状況や用途に応じて自在にスケーリングでき、さらに複数のリージョンにデータセンターを保有しているため、可用性の確保やBCP対策の強化につながります。

メインフレームのクラウド移行でデータ分析の効率化が可能に

メインフレームのクラウド移行により享受できるメリットとして、「データ分析の効率化」が挙げられます。クラウドにデータを一極集中させることにより膨大なデータの一括管理が可能となり、管理がしやすいだけでなく、データの分析もより効率的に行えるのです。

データ分析をする上での注意点

このように膨大なデータを一極集中させた、いわゆる「ビッグデータ分析基盤」の構築が、メインフレームのクラウド移行やモダナイゼーションを目指す主な理由のひとつとなっていますが、情報通信技術の進歩とともにデータ活用の重要性が高まっており、いかにして組織に集積された膨大な情報をマネジメント領域に活用するかが課題となっています。以下では、メインフレームをクラウド移行する必要性について、データ分析の観点から解説していきます。

ビッグデータには注意する

「ビッグデータ」とは、従来のデータベース管理システムでは保管や分析が難しい、巨大なデータ群を指します。CSVのような構造化データや、XMLのような半構造化データ、画像ファイルや音声ファイルなどの非構造化データなど、多種多様かつ膨大な情報をマネジメントに活用するためには、データレイクやDWH、ETLツールやBIツールなどのデータ分析に特化したソリューションが不可欠です。

このようなシステムをレガシー化したメインフレームで運用するのは、やはり現実的ではありません。そのため、Azureのようにデータ分析基盤として活用できるクラウドプラットフォームへの移行が求められます。

データ分析をして何をしたいかの目的確認

データは分析するだけでは意味を成さず、マネジメントやマーケティングなどの事業領域に活用してこそ真価を発揮します。そして、分析されたデータをどの領域で活用するかによって、必要なソリューションも異なります。経営ビジョンや企業理念に基づいて明確なゴールを設定し、何のためにデータ分析を実行するのかを具体化することで、同時にモダナイゼーションすべきシステム領域の明確化につながるでしょう。

主観的な分析や誤解を招きやすい表現をしない

データ分析は一般的に、データの「収集」→「加工」→「可視化」→「分析」というステップで実行されます。そして、収集・加工されたデータを可視化・分析するためには、BIツールやMachine Learningのようにデータをビジュアライズするソリューションが不可欠です。こうした分析ソリューションなしにレガシー化したシステム環境でデータ分析を実行する際は、主観的な分析や定性的な表現になりがちなため、客観的かつ定量的な分析を意識しなくてはなりません。

まとめ

クラウドファーストが一般化しつつあり、時代の潮流はクラウドネイティブへと進んでいます。もはやレガシー化したメインフレームは時代遅れと言わざるを得ず、企業が競争優位性を確立するには、新しい時代に即したシステム環境の構築が必要です。その際は、柔軟なスケーリングが可能なMicrosoft Azureの採用がおすすめです。

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