AzureとAWSを比較!マルチクラウド時代のサービスとは

AzureとAWSを比較!マルチクラウド時代のサービスとは

クラウド全盛時代、さまざまな企業がクラウドサービスを提供しています。

Microsoftが提供するクラウドサービスがAzureです。クラウド市場ではトップに君臨しているAmazonのAWS(Amazon Web Services。以下、AWS)に追随して、Azureはめざましい勢いで成長を遂げています。

複数のパブリッククラウドを利用するマルチクラウドの時代になりましたが、「どのサービスを導入するか?」ということは、重要な検討項目といえるでしょう。

ここでは、AzureとAWSの市場規模、特長を比較するとともに、主流になりつつあるマルチクラウドを見据えたチェックポイントについて解説します。

AzureとAWSを比較!マルチクラウド時代のサービスとは

AzureとAWS、クラウド市場における位置づけ

まずAzureとAWSについて、市場規模に着目して比較します。

AzureとAWS、クラウド市場のシェア

Synergy Research Groupが2020年2月に発表した資料によると、2019年最後の第四半期において、Amazonの提供するクラウドサービスが世界市場に占めるシェアは33%でトップであり、Microsoftは2番目で18%でした。

しかし、成長率ではAmazonが鈍化しているのに対して、Microsoftは過去の四半期で3%もの急成長を遂げています。

参考資料:Incremental Growth in Cloud Spending Hits a New High while Amazon and Microsoft Maintain a Clear Lead(英語) 

市場規模は調査会社によって差が生じるため、別の資料によるデータも引用します。シンガポールのCanalysが発表した調査結果では、2019年のクラウド世界市場では、AWSが1位で市場シェアは全体の32.3%、企業ユーザーの支出額は約346億ドル(約3兆8,000億円)、前年比36.0%増という結果になりました。

Azureは第2位のシェアで、市場シェアは全体の16.9%、企業ユーザーの支出額は約181億ドル(約1兆9,900億円)、前年比63.9%増です。

市場シェア全体の推移では、AWSが前年比0.4ポイント減に対して、Azureは前年比2.7ポイント増であり、支出額では半分程度ですが、成長率ではAzureがめざましく伸びています。

参考資料:19年のクラウドインフラ市場、AWSの首位揺るがず 世界シェアの約3割占める Azureが約2割で猛追 

2017年にMicrosoftは、2020年に向けた3か年目標として国内パブリッククラウド市場において「リーディングシェア獲得を目指す」という目標を宣言しました。リーディングシェアは業界を引導するシェアという意味で、必ずしもトップシェアとはいえません。しかし、この挑戦的な宣言通り、AWSを追い上げる成長を遂げています。

Windows Server 2008のEOS(サポート終了)にしたがって、ワークロードをAzureに移行する案件が増加したことも躍進の要因となりました。

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AzureとAWSの比較

続いて、AzureとAWSを機能やサービスの面から比較します。

提供している機能やサービスの全般においては、AzureとAWSに多少の相違があったとしても、基本的に同等の機能を利用できると考えてよいでしょう。また、アップデートを頻繁に行っているため、クラウドサービスは競合企業の追加機能を補完して進化しています。さらに、個別の機能を比較すると膨大な量になるため、全体的な特長で比較します。

AzureとAWS、それぞれの特長を比較

MicrosoftのOSであるWindowsや、Word、Excel、PowerPointなどのビジネスアプリケーションは企業や官公庁などで幅広く使われています。

また、Windows環境で財務会計や営業管理をはじめとして業務効率化などのアプリケーションが開発され、金融業界をはじめとした特定の業界において、Microsoft製品はデフォルトともいえるような強みがあります。

Azureは主にビジネス向けの開発環境を構築するIaaSやPaaSの分野で成長しています。また、業務管理などのシステムをWindowsサーバーのオンプレミスで構築している場合、Azureへの移行がスムーズです。

Azureの特長と強みは以下のようになります。

  • Windowsサーバー環境との親和性が高い
  • Microsoft 365などマイクロソフト社の製品やサービスと連携がスムーズ
  • 金融、電力、小売、製造業など業界に特化した強みがあること

一方でAmazonのクラウドは、自社で展開したビジネスの基盤を提供していることに特長があります。

Amazonは書籍のインターネット販売からスタートし、家電、雑貨、ファッション、さらに生鮮食品や音楽や映像のデジタルコンテンツまで流通を拡大してきました。社内で運用した膨大な流通管理のシステムとノウハウを、社外に向けて提供したサービスがAWSです。

BtoCのサービスを展開してきたため個人事業主のような小規模のニーズに応えるとともに、大規模なクラウドにも対応する拡張性があります。スモールスタートで始めて、事業を拡大するような場合に最適です。

AWSのシステム障害のニュースは、ほとんど聞くことがなく、発生した場合は大きくメディアで取り上げられます。持続的なビジネスを提供し、膨大な物流管理の実績に裏付けられた信頼があります。

したがって、AWSの特長と強みを整理すると次のようになります。

  • クラウド黎明期から培った実績とノウハウ、クラウド市場トップシェアの実力
  • 規模に柔軟性があり、最小構成からグローバルな企業にまで対応可能
  • 自然災害対策(DR)への対応、安定稼働の信頼性

AzureとAWS、これからの時代を見据えた比較

COVID-19によって社会は変化を余儀なくされていますが、特にリモートワークの実現が課題として浮上しました。VDIそしてDaaSは、リモートワークを実現する基盤として注目されています。

VDIのサービスを比較すると、Amazonの「Amazon WorkSpaces」、Microsoftの「Windows Virtual Desktop(WVD)」があります。DaaSでセキュアな専用回線が必要になった場合、AWSにはDirect Connect、AzureにはExpressRouteがあります。

AzureとAWSのどちらにおいても、仮想デスクトップを安価で構築および運用できるようになりました。特にAzureのメリットは、Windows 10 Enterpriseのマルチセッションが利用可能であることです。サポートが終了した旧式のWindowsマシンの延命目的として利用することもできます。

経済が不安定な状況では、クラウドの運用コストを抑えることが重要です。Amazon EC2を利用する際には、リザーブドインスタンス(RI)による最大72%の割引が適用されます。Azureにも同様のReserved VM Instanceがあり、従量課金制で利用する場合より最大82%のコスト削減を実現します。

Amazon EC2には、未使用のインスタンスを静止状態にして割引可能なスポットインスタンスがあります。Azureも同様のサービスを提供しています。未使用のリソースを低価格に抑えることで大幅なコスト削減が可能です。

マルチクラウドとAzureで実現できること

これから需要が増加すると考えられる「マルチクラウド」 について解説します。

マルチクラウドによって生じる課題とAzure

企業では、部門によってAzureとAWSを使い分けたり、クラウド上の財務会計アプリケーションと同時にSNSを使ったり、目的に合わせて複数のクラウドを活用するようになりました。これが「マルチクラウド」です。

AzureやAWS以外にGoogleでもクラウドのサービスを提供しています。さらにIaaS、PaaS以外にSaaSを考えると、SNSやチャットアプリケーションなどパブリッククラウドの領域はさらに拡がります。

マルチクラウドの進展によって、企業には以下のような課題が生じます。

  • 複数のクラウド別にIDや認証の管理が煩雑
  • コンソールが統一されていないため、クラウド別に操作の習得が必要
  • セキュリティのリスクが高まること

Azureでは、オンプレミスとパブリッククラウドを統合するハイブリッドクラウドとともに、マルチクラウド対応にも注力しています。

セキュリティ関連では、Security Centerによって他のクラウドの監視やスコアリングを実現するとともに、Azure SentinelではAWS Cloud Trailなどを含めたログを収集することが可能なSIEM(Security Information and Event Management:セキュリティイベント情報管理)を提供していることが特長です。

まとめ

端的にAzureとAWSの違いを述べると、AzureはWindowsやビジネスアプリケーションと親和性があって業界に強いこと、AWSは小規模のスタートアップから大規模のエンタープライズまで幅広く活用できるとともに市場トップシェアの実力と実績があること、といえるでしょう。

クラウドの活用では「自社のサービスもしくは環境を拡充するために何が必要か?」が重要です。高性能計算(HPC)を実現するハイスペックな仮想マシンが使えたとしても、自社に必要なければスペックを比較しても意味がありません。

提供されているクラウドの機能で一般的な比較をするより「自社の実現したい要件に最適なクラウドを選ぶこと」が大切になります。それぞれのクラウドの特長を見極めた上で、必要に合わせてマルチクラウドを使いこなすことができればベストと言えます。

※ 本記事は2020年6月時点の情報であり、更新されている可能性があります。最新の内容に関しては各社ホームページをご確認ください。

Microsoft Azure製品カタログ
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Microsoft Azure製品カタログ 避けて通れぬマルチクラウド 活用を限られた人材でいかに 実現するか

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