AzureでOracleを活用する3つの方法 〜相互接続から仮想マシン導入まで解説〜

AzureでOracleを活用する3つの方法 〜相互接続から仮想マシン導入まで解説〜

「MicrosoftのAzureでOracleを稼働できるのだろうか?」

そんな疑問を抱く人がいるかもしれません。しかし心配は不要です。Azureは主要なミドルウェアやアプリケーションをサポートしています。さらにマルチクラウドの時代を見据えてクラウドの相互接続を拡充しています。

ここでは、AzureでOracleを活用する3つの方法について解説します。

AzureでOracleを活用する3つの方法 相互接続から仮想マシン導入まで解説

AzureでOracleを活用するには

AzureでOracleの活用を考えるとき、まず思いつくのはAzureの仮想マシン上でOracleのデータベースやアプリケーションを稼働させることではないでしょうか。

オンプレミス環境のクラウドシフトや、データベースやストレージをAzureで構築するハイブリッドクラウドの需要もありそうです。しかし、既にOracle Cloudで業務アプリケーションを運用している場合は、Azureから相互接続が可能です。AzureとOracle Cloudの相互接続は最大の活用メリットになります。

2019年6月にMicrosoftとOracleは、AzureとOracle Cloudを高速ネットワークで接続する戦略的提携を発表しました。このことによりシングルサインオンの実現、シームレスなサービスの利用が可能になりました。協力体制でカスタマーサポートを行うことも提携のひとつです。

AzureとOracle Cloud、相互接続の拡充

MicrosoftとOracleの戦略的提携とクロスクラウドの実現は、アメリカからアジアへと進展しました。利用可能なリージョンと統合範囲の拡大を整理します。

最初に実現したのはアメリカで、発表と同じ2019年6月にAzureの米西リージョンとOracle Cloudの北米リージョン(Ashburn)が高速回線で接続されました。2019年8月には、イギリスでAzureの英国南部リージョンとOracle Cloudの英国ロンドンリージョンの接続を実現しています。

リージョンのグローバル化とともに、2019年9月にはMicrosoft TeamsとOracle Digital Assistantの統合に合意し、統合できる範囲を拡大しました。

Microsoft Teamsは、チャットやテレビ会議の機能によって企業のコラボレーションを推進するツールです。一方、Oracle Digital Assistantは、財務会計処理を担うERP、人材や顧客管理などの業務アプリケーションにおいて、人工知能を活用した会話型インターフェースを実現します。この統合および相互接続によって、Microsoft Teamsのチャットや音声入力でOracleの業務アプリケーションを利用できるようになりました。

2019年12月、英米に続いてカナダにおいてAzureの中部リージョンとOracle Cloudのトロントリージョンが相互接続をしました。続いて2020年2月には、Azureの西ヨーロッパリージョンとOracle Cloudのオランダのアムステルダムリージョンにおいて、相互接続を実現しています。

日本では2020年の5月、Oracle Cloudの東京リージョンと、Microsoft Azureの東日本リージョン間における相互接続を開始しました。アジア地域では最初の相互接続になります。

AzureとOracle Cloudの相互接続はAWSに対抗する戦略

この提携は、クラウドの分野で競合他社を引き離した首位にあるAmazonのAWSに対抗する戦略であり、エンタープライズ向けのソリューションを提供するMicrosoftとOracleの2社の強みを生かした独自性があります。したがって、AzureもしくはOracleを利用している場合には、このサービスを有効活用するとよいでしょう。

Azure上でOracleのデータベースを構築するようなケースであれば、AWS、Google Cloud Platform(GCP)においても可能です。ただし、それぞれのクラウドの特性などを検討する必要があります。

Microsoft Azure製品カタログ
SAP on Azure Cloud Workshop

AzureからOracle Coloudに接続する

そこで、AzureとOracle Cloudの相互接続について最初にフォーカスします。

AzureとOracleCloudで相互接続および統合されるサービス

戦略的提携が発表された2019年6月時点の日本オラクルの資料では、Oracle Cloud側で統合される機能とサービスとして以下を挙げています。

  • Oracle Cloud Infrastructure
  • Oracle Autonomous Database
  • Oracle Exadata
  • Oracle Applications
  • Oracle RAC
  • Oracle Analytics Cloud など

Azure側で統合される機能とサービスは以下です。

  • Azure DevOps
  • Azure Stream Analytics
  • Azure Databricks
  • Azure Kubernetes Service など

参考:Oracle Cloud PaaS & IaaS:2019年6月度サービス情報アップデート

この相互接続によって、OracleのデータベースをAzureのアプリケーションから利用したり、Azureの機械学習をOracle Cloudから利用したり、クロスクラウドの活用が可能になりました。以下は、クロスクラウドの構成で認定されているOracleのアプリケーションです(2020年5月時点)。

  • Oracle E-Business Suite(ERP)
  • JD Edwards EnterpriseOne(ERP)
  • PeopleSoft(HRMS、CRMなど)
  • Oracle Retailアプリケーション
  • Oracle Hyperion Financial Management

AzureとOracleCloudの相互接続のメリット

AzureとOracle Cloudの相互接続は、シングルサインオンによってアプリケーションなどを横断して利用できる以外にもメリットがあります。

まずセキュアであることです。パブリック・インターネットを介さずにクラウド内部を相互接続するため、セキュリティが確保されます。さらに、10-Gbpsの物理接続によって冗長性と信頼性がもたらされます。管理面からいえば、クロスクラウドによってネットワークパフォーマンスが予測できることもメリットです。

AzureでOracle WebLogic Serverを利用する

Oracle WebLogic Serverは、多層分散型の企業アプリケーション構築を実現するJava EE(Java Platform, Enterprise Edition)アプリケーションサーバーです。

Java EEアプリケーションのクラウドシフトを含めて、仮想環境におけるLinuxリソースのプロビジョニングを含めた設定、WebLogic Serverのインストール、認証とセキュリティ、負荷分散など、ミドルウェアと開発支援環境をAzure上で構築することが可能です。

Oracleのライセンス取得済みであることを前提として、以下が用意されています。

■Oracle WebLogic Server Single Node

単一の仮想マシンをプロビジョニングし、Oracle WebLogic Server をインストールします。別途ドメイン作成や管理サーバーの構築が必要です。

■Oracle WebLogic Server with Admin Server

単一の仮想マシンのプロビジョニングとOracle WebLogic ServerのインストールはSingle Nodeと同様ですが、ドメインの作成および管理サーバーを起動し、ドメイン管理ができます。

■Oracle WebLogic Server Cluster

WebLogic Server仮想マシンの高可用性クラスターを作成し、管理サーバーとすべてのマネージドサーバーを起動、ドメイン管理ができます。

■Oracle WebLogic Server Dynamic Cluster

WebLogic Server 仮想マシンの動的クラスターを作成します。管理サーバーとすべてのマネージドサーバーを起動、ドメイン管理ができます。高可用性があり、スケーラブルな構成です。

Azureの仮想マシンでOracleを利用する

ここからはAzure上の仮想マシンにOracleを導入する、Oracleの仮想マシンを選択する方法です。

Azure MarketplaceからOracleによる仮想マシンを利用する

Azure Marketplaceにおいて、Oracleが発行した仮想マシンのイメージファイルを利用することが可能です。しかし、Oracleが提供しているライセンスを適切に取得していること、Oracleとサポート契約を結んでいることが前提条件になります。

OracleのライセンスはAzureへの持ち込みとなり、Azure上では仮想マシンの実行に応じて、コンピューティング、ストレージ、ネットワークの料金が利用した分だけ課金されます。

Oracle Linuxの仮想マシンイメージ上では、AzureにおけるOracle Database(12.1以降)のStandard/Enterpriseエディションがサポートされています。AzureでOracle データベースを利用したワークロードのパフォーマンスを最大化するには、仮想マシンのイメージサイズを適切に設定することが重要です。また、仮想マシンのディスクはPremium SSDもしくはUltra SSD Managed Disksを設定します。

Azure共有イメージギャラリーからOracleの仮想マシンを利用する

Azure共有イメージギャラリーからOracleの仮想マシンを選択することによって、OracleをAzureで利用することも可能です。

1番目の方法と混乱するかもしれませんが、Azure MarketplaceのOracleはOracleが用意した仮想マシンです。しかし、Azure共有イメージギャラリーではMicrosoftが用意したOracleの仮想マシンになります。したがってオプションなどの自由度が制限されます。

自前のOracleをAzureの仮想マシンにインストールする

最後にOracleの有資格者あるいは構築に詳しい開発者向けになりますが、Oracleを記録媒体などで所有している場合には、リモートでOracleをインストールする方法があります。開発テスト用としてストックされたOracleがあり、Azureの環境で検証が必須の場合には、有効な手段といえるでしょう。

まとめ

OracleやSAPのソリューションは、従来はオンプレミスで運用されていましたが、クラウド化が進展しました。MicrosoftとOracleのように戦略的なパートナーシップの締結は、エンタープライズアプリケーションの開発や導入に大きな影響を及ぼします。企業間のパートナーシップを理解するとともに、相互接続を含めてクラウドを活用する選択肢を知っておくことは意義があります。

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