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DBMS(データベース管理システム)とは?機能や選び方を紹介

データを効率的に活用するためには、情報の検索性を高める「DataBase Management System(DBMS)」が不可欠です。そこで本記事では、DBMSの概要や基本機能について解説します。併せてDBMSの選び方や導入時の注意点などもご紹介しますので、データ活用を推進する企業は参考にしてください。

DBMS(データベース管理システム)とは 機能や選び方を紹介

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DBMSとは何か

「DBMS」とは「DataBase Management System」の頭文字をとった略称で、日本語では「データベース管理システム」と訳されるミドルウェアです。まず「データベース」は情報の共有や利用、あるいは検索や加工といった用途に応じて、一定の形式で整理されたデータ群を指します。現代ではコンピューター上で管理されているデータ群を指してデータベースと呼称する傾向にありますが、厳密にいえば辞書や電話帳などもデータベースに該当します。

DBMSはコンピューター上で管理されているデータベースの膨大なデータ群を整理し、検索性の向上や情報共有の効率化を実現するためのシステムです。たとえば、一般的なDBMSはインデックスの設定によってデータベースのテーブルに対する検索処理を高速化したり、アクセス権限設定や暗号化によってセキュリティを強化したりといった機能を備えています。

その他にも、ログファイルを蓄積して利用状況を可視化し、障害や不具合の早期発見に寄与する、万が一のシステム障害に備えてデータをバックアップする、あるいはトランザクション処理でデータの一貫性を保つといった機能を有するDBMSもあります。こうしたさまざまな機能によって、コンピューター上のデータベースの利便性を高めることがDBMSの本質的な役割です。

DBMSがなぜ必要なのか

20世紀後半から21世紀の初頭にかけて起きたIT革命によって情報爆発時代へと突入し、企業では蓄積されたビッグデータをいかにして事業領域に活用するかが重要な経営課題となっています。データは蓄積するだけでは意味を成さず、マネジメントやマーケティングなどの領域に活用してこそ真価を発揮します。しかし、データベースのどの領域にどんな情報が保存されているのかを把握できなくては、データを事業領域に活用するのは困難です。

企業が取り扱うデータの総量は指数関数的に増大しており、もはやデータベースを手動で管理するのは不可能といえます。また、データベースを手動で管理する場合、データの重複や矛盾が起こる可能性が高く、情報の正確性やセキュリティを担保できません。さらに手動管理ではデータの検索というノンコア業務に多くのリソースを割くことになるため、コア業務に人的資源をより多く投入するためにもDBMSの活用が不可欠といえるでしょう。

DBMS(データベース管理システム)で出来ること

ここからは、DBMSの基本的な機能や使い方、代表的な種類やそれぞれの違いなどを見ていきましょう。

DBMSの基本機能を紹介

データベース定義機能

「データベース定義機能」は、データベースのスキーマを定義する機能です。スキーマは「データベースの構造」を指す概念であり、SQLの一種である「DDL(Data Definition Language)」という言語を用いてデータを格納する形式の構造を定義します。

データベース操作機能

「データベース操作機能」は、日常業務におけるデータベースでの情報検索やデータの更新をするための機能です。ユーザーはデータ操作言語である「DML(Data Manipulation Language)」を用いて、指定されたデータの検索や更新を実行します。

データベース制御機能

「データベース制御機能」は、データベースへのアクセスを制御・保全する機能です。データ制御言語の「DCL(Data Control Language)」を用いて、データ機密保護機能によるユーザー認証や不正アクセスの防止、同時更新や障害に対する排他的制御を実施し、データの統合性を担保します。

DBMSの種類を紹介

リレーショナル型データベース

「リレーショナル型データベース」とは、テーブルという概念を用いてデータの一覧を表形式で整理するDBMSです。表を「テーブル」、表の列を「フィールド」、行を「レコード」と分類することで、複雑な構造をしたデータの追加や削除、更新などを効率的に実行できます。現在最も使用されているDBMSであり、大容量データの比較や結合が容易という特徴をもちます。

ネットワーク型データベース

「ネットワーク型データベース」とは、データ間の関係がツリー状で展開される構造のデータベースです。ネットワーク型データベースは、子データが複数の親データと結び付けて管理できるようになっており、データの重複を防げるという特徴をもちます。比較的古いタイプのDBMSであり、自由度が高いというメリットがあるものの、設計が複雑になるというデメリットがあります。

NoSQL

「NoSQL」とは、近年主流となっているリレーショナル型データベースのように表形式を用いず、さまざまな形式でデータを格納するDBMSです。基本的にデータベース言語のSQLを使用せず、データの一貫性を保証しないものの、大容量データでも高速に処理できるという特徴をもちます。NoSQLは複雑な検索には不向きですが、単純なデータの高速処理を得意とするDBMSといえるでしょう。

階層型データベース

「階層型データベース」とは、1本の幹から複数の枝葉を階層型で展開するようにデータを管理するDBMSです。ネットワーク型データベースは親データと子データの関係が複数対複数であるのに対し、階層型データベースは親データと子データの関係が1対複数となります。あるデータに至る手順が1通りしか存在しないものの、特定の情報に対する検索性に優れるDBMSです。

DBMSの選び方や導入時の注意点を紹介

ここでは、DBMSを選定する際のチェックポイントや導入時の注意点について見ていきましょう。

DBMSの選び方

DBMSに限らず、ITシステムは自社の事業形態や組織体制によって最適なソリューションが異なります。たとえば、リレーショナル型データベースは高い精度での情報検索に優れるため、人事管理や生産管理などのマネジメント領域に適したDBMSです。一方、ビッグデータ分析やリソースの拡張性といった観点では、リレーショナル型データベースよりもNoSQLが適しているといえます。

また、有料版か無料版か、あるいはオンプレミス型かクラウド型かといった形式の違いもあるため、自社の目的や用途、経営課題に応じてDBMSを選ぶことが大切です。近年は時代の潮流がクラウドファーストへと加速しており、オンプレミス型のように物理的なハードウェアが必要ないというメリットから、クラウド型のDBMSを導入する企業が多い傾向にあります。

導入時の注意点

データベースは事業活動によって収集されたさまざまなデータが蓄積される領域であり、決して流出してはならない機密度の高い情報も保管されています。そのため、DBMSを導入する際は保守・運用管理を整えると同時に、高度なセキュリティ体制を構築しなくてはなりません。
また、DBMSのパフォーマンスを最大化するためには、相応の性能を備えたサーバーを用意する必要があります。さらに、データベースの維持には、故障やネットワーク障害などのインシデントに備え、システムの冗長化を図ったり、バックアップやリカバリー体制を整えたりといった施策も必要です。
そのほか、Oracle社が提供する「MySQL」など、オープンソース型DBMSの導入を検討する場合には、自社に適した形式への再定義を必要とします。
このようにDBMSは、導入をはじめ、管理・維持のために高度な技術や知識をもったIT人材が不可欠です。自社にIT人材が不足しているといった場合には、システム運用や開発を請け負うSIerとの連携を検討するとよいでしょう。

まとめ

DBMSはデータベースを効率的に運用するためのミドルウェアであり、データ活用を推進する上で欠かせないソリューションです。
データドリブンな経営体制の構築を目指す企業は、さまざまなソフトウェアやツールをクラウド上で提供する「Microsoft Azure」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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