VMwareのHorizon Cloudとは? 仮想化ソリューションの全体像を把握

VMwareのHorizon Cloudとは? 仮想化ソリューションの全体像を把握

テレワークを実現するソリューションのひとつに、仮想デスクトップ(Virtual Desktop Infrastructure:VDI)があります。さまざまなベンダーから仮想デスクトップのソリューションが提供されていますが、VMWareのHorizon Cloudはそのひとつです。

VMwareのソリューションは仮想化技術を基盤として多岐に渡ります。VDIのソリューション導入を検討している場合、ネットワークやストレージを含めて全体を俯瞰することが必要です。なぜなら、VDIはさまざまな技術と密接に関わり、マルチクラウド活用においては複数のクラウドの連携が求められるからです。

  • VDIを効率的に運用する場合、自社にとって最適な組み合わせとは
  • セキュリティを強化するには
  • AzureでHorizon Cloudを利用するには

このような課題や提案を想定して、VMwareのソリューション全体にHorizon Cloudを位置付けて概要とメリットを考察します。

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VMwareにおけるHorizon Cloudの位置付け

VMwareは仮想化技術のリーディングカンパニーであり、Horizon Cloudは金融業界を中心とした導入実績があります。Azureを利用している場合、信頼性の高いVMwareの仮想デスクトップのソリューションをHorizon Cloud on Azure、Horizon Cloud on WVDとしてホスティングすることが可能になります。

VMwareは1998年に創業、企業名は仮想化技術のブランド名としても使われています。データセンター向けの仮想化ソフトウェアによる製品群としてvSphereがあり、サーバーの仮想化と統合的な管理や監視などを行う機能を提供します。

オンプレミスのサーバー仮想化技術でトップレベルのシェアのVMwareは、2004年にストレージ業界大手のEMCに買収されました。現在はクラウドベースのソリューションを幅広く展開しています。

ここではVMware自体を深く理解するために、ソリューション全体、デスクトップと仮想化ソリューションの構成、Horizon Cloudの概要というようにドリルダウンで解説します。

VMwareのソリューション構成

VMwareのソリューションは、以下のように構成されています。

クラウドソリューション

  • クラウドネイティブなアプリケーションの開発と運用(Tanzuなど)
  • プライベート/ハイブリッドクラウド(VMware Cloudなど)
  • クラウド管理(vRealizeなど)
  • マルチクラウド運用

ネットワークとセキュリティのソリューション

  • バーチャルクラウドネットワーク(NSXなど)
  • セキュリティ管理

デジタルワークスペース関連ソリューション

  • デジタルワークスペース(Workspace ONEなど)
  • デスクトップとアプリケーション仮想化
  • パーソナルデスクトップ

その他、仮想化技術などのソリューション

  • コンピューティングの仮想化
  • ハイパーコンバージドインフラストラクチャー
  • ストレージと可用性、エッジ、テレコムクラウド、無償製品、その他

VMwareの仮想デスクトップ関連のソリューションの構成

VMwareのソリューションは独立したものではなく、重なり合って構成されています。また、仮想化技術を基盤として、さらにEMCや他の企業のソリューションと連携しているサービスが多数あります。

「デスクトップとアプリケーションの仮想化」に含まれるソリューションがHorizon Cloudですが、次のような製品として展開されています。

Horizon 7

オンプレミス、クラウド、ハイブリッド/マルチクラウドの環境で仮想化されたデスクトップとアプリケーションの配信、管理ができるプラットフォームです。エンドユーザーのWindowsリソースを制御、管理、保護します。

マルチクラウド管理とセキュリティ対策を備える統合プラットフォームで効率的な運用を実現
Windows Virtual Desktopセキュリティ監視

Horizon Cloud

クラウドベースでVDIと仮想化されたアプリケーションをホスティングするためのプラットフォームです。

Horizon Apps、App Volumes、ThinApp

Horizon Appsは、単一の統合されたワークスペースから公開アプリケーション、モバイルアプリケーション、SaaSにアクセスを可能にします。App Volumesは、HorizonほかCitrixのVirtual Apps(旧XenApp)とVirtual Desktops(旧XenDesktop)、RDSHによる仮想環境に適した管理ソリューションを提供します。ThinAppは、OSとアプリケーションを分離して競合を回避し、移行の簡素化、時間の短縮を実現するソリューションです。

その他、VDI関連のネットワークとしてNSX for Horizon、ストレージとしてvSAN for Horizon、監視と管理およびレポーティングのvRealize Operations for Horizonなどがあります。

このような全体像を理解した上で、Horizon Cloudの詳細をみていきましょう。

Horizon Cloudはマルチクラウドに対応

Horizon Cloudの最大のメリットは、マルチクラウドに対応していることです。

オンプレミスで構築した自社内のデータセンターにおけるクラウド、AWSとGoogle Cloudのクラウド環境でHorizon 7によってHorizon Cloudを構築することが可能です。以下のサブスクリプションがあります。

  • Horizon 7 subscription on-premises
  • Horizon 7 subscription on VMC on AWS
  • Horizon 7 subscription on Google Cloud VMware Engine

さらにIBMとMicrosoftのAzureのインフラストラクチャーでは、それぞれ次のようなサービスを提供しています。

  • Horizon Cloud on Microsoft Azure
  • Horizon Cloud on IBM Cloud

このようにプライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、マルチクラウドなど、どのような環境においてもHorizon Cloudは利用できます。既に利用しているPaaSがあってVMwareのVDIを活用するのであれば、契約しているクラウドのサービスを軸として構築を設計するとよいでしょう。

VMwareとMicrosoft、仮想化をめぐる経緯

参考としてVMwareとMicrosoftの関係とこれまでの経緯について触れておきます。

競合関係にあったVMwareとMicrosoftがパートナーに

Microsoftは仮想化技術としてHyper-Vを展開しています。したがってVMwareとは競合関係にありました。クラウドの需要が高まるとVMwareはAmazonと戦略的提携を結んでAWSに仮想化技術を提供しましたが、その当時はMicrosoftとはパートナーシップがありませんでした。

しかし、オンプレミスからのクラウドシフトやハイブリッドクラウドの需要が高まると、AWSの躍進に対抗するためにMicrosoftはVMwareと連携する必要性が高まります。そこで半ば強行的に2017年に発表したのが、オンプレミス環境からクラウドへの移行を支援するVMware virtualization on Azureです。

この発表に対してVMwareの役員は開発に関わっていないことをブログで牽制し、さらにAWSやIBMと戦略的なコラボレーションを進めている厳しいコメントを掲載しました。

参考:VMware – The Platform of Choice in the Cloud

しかし、ユーザー視点ではVMwareのソリューションをAzureから利用できることは歓迎すべきことです。このような緊張関係もありましたが、マルチクラウドの進展によって現在ではVMwareとMicrosoftはパートナーの関係にあります。

マルチクラウドを利用するときに注意すべきこと

AzureはOSSをはじめ、あらゆるアプリケーションを利用できるプラットフォームとしてアップデートを繰り返しています。OSSに限らず、競合関係のアプリケーションであっても積極的に統合を進めている状況です。

Horizon Cloud on Azurをはじめ、Sap on AzureなどのようにAzure上から他社のサービスを利用できるようにしたソリューションは「on Azure」という名称が使われています。しかし、それぞれの企業戦略が絡み合っているため、企業における連携の強さや費用を押さえておく必要があります。OSSの場合は一般的に無償ですが、それぞれ利用するサービスで別途料金がかかる場合には注意が必要です。

ちなみに、Azure MarketplaceからVMware Horizon Cloud on Azureを購入することはできません。VMwareからの購入になります。

まとめ

各社からVDIのサービスが提供されていますが、本来であれば企業としてのニーズやクラウドの特長、コスト面などを踏まえた上で検討したほうがよいといえるでしょう。しかしながらマルチクラウドの時代においては、あらゆるクラウドが統合され、ひとつの管理コンソールから複数のサービスを制御できる環境が整いつつあります。

VDI導入の目的には、第一にデバイスにアプリケーションをインストールしなくても、どこでもデスクトップを使える利便性があります。しかし、セキュアな環境であること、ネットワークやアプリケーションの展開が速いことなどの条件も重要です。

したがって、各社から提供されているソリューションをどのように組み合わせるか、あるいは統合的な環境を利用したほうがよいのか、どのクラウドの優先順位を上げるかなど、全体を俯瞰した検討が必要になります。ひとつの企業のサービスに精通していることはもちろん、競合他社の技術やソリューションを理解し、競合であってもソリューションを連携させるノウハウを知っておくとよいでしょう。

デスクトップの仮想化に加えて、ネットワーク仮想化(Network Virtualization :NV)も注目すべき領域です。

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